#24 気にする点、そこ?
どこまで子ども想いなのか、自分の精神安定の為なのか
S の親の家を買いたいという人がいる。
希望者に売ろうと思っていたが、相手の職業が警察官。
たださえSは親族に対して拒否的。
隣に住む相手が警察官だと知ったら、Sが嫌がらせされている、などと思うのではないか。
Sの親はそこを心配していた。
警察官が購入しようと関係なくない?気にしすぎではないか…
私はそう思った。
Sは職場近くのアパートに住むし、Sの家は賃貸募集をかけている。
事業用で募集していることもあり、少なくとも5年は戻れない契約になっている。
その5年の間にSがどうなっているのか、私にも予想がつかない。
なのに、そこだけが気になる、というSの親。
Sの兄弟も、気にしすぎではないかと思っていると言っていた。
売却の話
Sの親の家は2階建てで、2階部分は事業用として貸し出している。
高齢になり、税務関係の手続きや管理が大変という理由から、以前より売却を考えていたとのこと。
その前提に加えてSとの関係悪化から、精神的に隣に住んでいられないという思いが強くなり売却に踏み切った。
しかし、いざ希望者がいても、親自身の住む先がみつからない。
希望者の融資が通らないなどが重なった。
親も一旦募集を打ち切ったが、希望者が何度か購入させてほしいと個人的にやり取りしてきたので、再度検討することに。
そうこうしているうちに、Sの状態が悪化していた。
購入希望者から、Sへ挨拶したいと言われたが、事故を起こした直後で会わせられる状態にはなかった。
冒頭の理由もあり、購入希望者へ売却するか迷っている。
私から、Sへ意思確認してほしい
もしSが嫌だと言ったら、購入希望者を断るという。
そこまでする??!
とりあえず、Sには確認してみるが、職業がどうかは関係ない事、気にしすぎていると思う旨を説明。
夕方、入院中のSへ連絡。
S「別に誰に売ろうが関係ないし。売りたかったら売れば?!」
やっぱりね。
親の話をした途端に不機嫌が伝わる口調。
規則正しい生活でお酒も抜けているからか、元気になっている分、以前の威圧的な雰囲気に戻っている。
ベースの性格なのか…
Sは珍しく、退院後に親と兄弟と面談したいと希望した。
但し、親と兄弟は嘘をつくから、そこに私も同席してほしい、と。
過去、親族に対するSの威圧的言動を何度か見てきた。
私はSと居た時間で、そんな態度に慣れてしまったけど、親族は辛いだろうなと思う。実際、話を聞いてくれないと言っていたし。
Sは、親族がずっと噓をついている、と言い続けてきた。
しかし、Sの状態が悪くなり、親や兄弟と話すようになって、
一部Sが誤解をしているのではないか、と感じるようにもなっていた。
聴き間違いや、記憶の曖昧さ、解釈のずれがSには度々あったからだ。
それを訂正しても、聞き入れない面もあったS。
家族に対しては、尚更ではないだろうか。
私が中立でいられるようにしなければならないと思った。