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【365日のわたしたち。】 2022年2月18日(金)

バッグの底で、一片のバラの花びらを見つけた。
あの日、どこかのタイミングで紛れ込んでしまったのだろう。

財布やらファイルやらに押しつぶされたその花びらは、傷つき、萎びて、所どころ茶色く変色していた。
こうなってしまえば、もうただのゴミなのかもしれない。

底にしっとりとへばりついた花片を、破れないようにゆっくりと剥がしていく。



取れた。

数日ぶりに陽の光を受けた花びらは、とても見すぼらしくて、でも、なんだか捨てるに忍びない気持ちにさせる。

家の花瓶に生けてある薔薇の花束は、今朝もあんなに元気そうだったのに、こぼれ落ちたものはこんなにも儚いものなのか。

花びらはそっとティッシュに挟み、手帳の間に入れた。

家に帰ったら、押し花にしよう。
そして、栞にしよう。

目を閉じ、満員の電車に揺られながら、あの日の彼の姿と言葉をまぶたの裏に投影する。



私は幸せ者だ。




不安は



花びら一枚分だけ。




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