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「ちさと」変わってないなぁ

私は「縁がある」という言葉が好きです。

「またここか。まるで、この会場に呼ばれてるみたいだ」
月をまたいで3回、多い時は同じ週に続けて2回、同じ会場で講演会をすることは本当に珍しい。それに加えて、講演会活動を始めて9年目、初めての出来事がありました。

講演会場

同じホールで2回目の講演会当日。次の講演会の責任者(会長)が講演会前にご挨拶に来てくださいました。ある小学校の校長先生でした。名刺を交換しフッと顔を見上げた瞬間、「なんか見たことあるな~」と思い、もう一度名刺と顔を確認しました。 すぐに思い出しました。小学校の先生! 小学校3年生の時の担任の先生だったんです。

先生もハッと気が付いたようで「ちさとか?」と聞いてくれました。「小学校3年生の時、初めて配属された小学校で、初めて担任をした時の生徒ですわ。」と、周りの先生に少し自慢気に話してくれた先生。ちょっと恥ずかしくもあり、嬉しくもありました。
「悪いけど、ちさとって言うわな。」と話してくれた先生の言葉が、すごく新鮮で照れ臭く、言葉にできない感覚になりました。だって、その先生がとっても好きだったから。
「先生分かりました?」と言うと「かわってないからな~」と。

私、女性から男性に変わったんですよ。世間では、そういった人を性的マイノリティ当事者とかL/G/B/T/Q当事者とか、人権課題のひとつになる程に、「理解しましょう」なんて言われる私が「かわってない」そうです。(笑)

実は、カミングアウトしたり友だち伝いに聞いて知っていたりする、小学生や中学生時代の同級生やバイト仲間の先輩や後輩には、高い確率で言われる言葉があります。
「ちさと昔っからそんな感じやで」「ま~男らしくなったかな?とは思うけど。基本的に変わってないで。」という言葉。
今日改めて先生に言われた時に、「なんでこんなに面白いことが、自分の周りでは起こるんだろう」って改めて感じ、noteに残しておこうと思いました。

実は僕、親の離婚で18歳の時に苗字が変わっているんですが、それに加えて、親が付けてくれた名前も性別変更の時に今の「智咲斗」に漢字を変更しています。性別だけではなく、苗字も名前も違う私に会って、すぐにピン!とこない人も多いのですが、「(子どもの頃の)ちさと」と「(今の)ちさと」が引っ付いた瞬間「ちさとやん~」ってなるそうです。
その先生に「先生って隣のクラスやった?」と確認をしたら、「え? 俺担任やったやろ?俺の初めて担任したクラスにちさとも居たやん!」と言われ、一緒に笑ってしまいました。

先生が会長を務める会での講演会も無事に終わり、「俺の教え子。クラス担任してた。」と色んな先生と話してくれる先生を見ながら、なんでこんなに嬉しいのかな?と思って考えてみました。
それはやっぱり先生が好きだったから。ある意味、憧れていたような感覚があります。
若くてちょっと男前(個人の感想ですが)の生徒から人気のある先生は、今や校長先生になっておられますが、私の中では今でも「かわらない」あの頃のカッコいい先生なんだな。と思いました。
駐車場までの帰り道、私の自宅から歩いて行ける距離に先生の自宅もあることが分かりました。「縁があるな~」って勝手に思ってしまいました。

60歳近くなった先生と41歳になった私。
お互い「かわらない」あの頃のままなのかも知れません。

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