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サントリーホールはやっぱりホテル並みのおもてなし空間だった。“3つの理由”をのぞき見してきた話。

1987年に開業したサントリーホール(=港区赤坂)。国内外の有名オーケストラが数多く演奏会をしている、有名な音楽ホールです。私も観客として何度も足を運んでいますが、一歩踏み入れたときの特別感やワクワク感は格別。その理由をバックステージツアーでのぞき見してきました。

親愛なるサントリーホールに関する別記事はこちら。愛が重い。


理由① ホールの顔!レセプショニスト

レセプショニストによる説明。サントリーにまつわるモチーフがあちこちに。

コンサートに行くと、ホワイエと呼ばれるロビーでチケット切りをはじめ観客のお手伝いをしてくださるスタッフさんがいます。そんなスタッフさん、サントリーホールでは「レセプショニスト」という名称がついています。コンサートホールにレセプショニストというサービスを取り入れたのは、サントリーホールが日本で最初なんだとか。このバックステージツアーでは、レセプショニストさんたちにホールの説明をしてもらうのですが、各ポイントどころでの丁寧な説明、見学者からの質問に対する的確な受け答えはもちろん、ちょっとユーモアのあるクイズなどで見学者の笑いを誘い、緊張をほぐしてくれました。音楽ホールという特別感のある空間で、観客が最初に会うのは演奏家ではなくレセプショニスト。そんな誇りをもって普段からお仕事をされているんだなと感じました。
ちなみに、アマチュアオーケストラのコンサートで観客が最初に会うのは、受付をしている演奏者(主に1,2曲目に乗らない管楽器奏者)、様子を見にホワイエに出てきた弦楽器奏者、トラブル対応しているステージマネージャーだと思います。(私調べ)

理由② 歩くだけで楽しい…美術館並みの装飾

ブルーローズ(小ホール)。初めて入りました。

サントリーホールは、音響設備以外の装飾物も美術館並みです。エントランス前のモニュメント、内壁の壁画とステンドグラス、シャンデリア等々たくさん装飾があるのですが、ひとつずつにストーリーがあって興味深いです。例えば、ホワイエ天井にある巨大なシャンデリアの作者は石井幹子氏、使用されているのはスワロフスキー、粒は6,000個以上、蒸留されたアルコールの一滴一滴を表してカットされている…。ものすごく贅沢で、ものすごい情報量です。また、装飾品ではありませんが、地下にあるピアノ室には大政奉還と同じ時代に作られたエラール社のピアノが保管されており、元々は福沢諭吉の娘の家にあったものをサントリーホールが2004年に譲り受けたそうで、これまたものすごいストーリーがある代物です。ホワイエに敷かれているレッドカーペットも毛足が長いため足跡が付きやすいらしく、公演前後にきれいにしているのだとか。確かにいつもふっかふか…
装飾目当てに来場する観客は少ないと思いますが、コンサートの休憩時間にホール内を歩いてみるのも面白いかもしれません。

ホワイエ天井のシャンデリア
エラール社のピアノ

理由③ 期待を裏切らない、心地よい時間。

世界最大級のオルガン

このホールで演奏できるのは、高いチケット代でも集客ができて人気、つまり素晴らしい演奏家のはずですから、良いホールと良い演奏家が組み合わされば間違いなく心地良い時間を過ごせます。サントリーホールは、日本では初のヴィンヤード(ぶどう畑)形式と言われる形状をしていて、客席がぶどうの段々畑のようににステージを向いています。私はオーケストラを俯瞰して見るのが好きなので2階席で聞くことが多いですが、少し遠い観客席からでもステージが割としっかり見えるのが嬉しく、観客にとっては耳にも目にも優しいコンサートホールではないでしょうか。
また、海外からオーケストラを招待することも多いであろうサントリーホール。指揮者やソリストが最高のパフォーマンスができるよう、控室もホテルのように立派なもので、寝室はないけど充分泊まれます!嬉しい!!(?)

大ホール舞台裏のアーティスト・ラウンジ。わくわくします。

サントリーホールが観客も演奏者もおもてなししてくれる空間ということを改めて実感できたバックステージツアー。今回はツアー後にオルガンプロムナードコンサートに入れるチケット付きで、迫力あるオルガン演奏も楽しめる、非常に満足感のあるものでした。芸術の秋、徐々に涼しくなってくるタイミングですし、クラシックマニアでなくても、音楽・建築・歴史などに興味があれば、参加してみてはいかがでしょうか。楽しいですよ!

サントリーホール 施設概要

1987年開業。東京都港区に位置するコンサートやイベントに利用される音楽ホール。高音質と優れた設備を誇り、国内外のアーティストによる演奏や公演が行われている。
■東京都港区赤坂1-13-1
■03-3505-1001
■客席数:大ホール/2006席、小ホール/432席(最大)


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