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まだ7月、もう7月


6月は、私にしては遊ぶ予定が多かった。いつもなら、学校以外で人と会う予定なんて月に2回あるかないかぐらい。全く遊ばない月だってあるぐらいなのに、私の人生に何が起こったんだろうと不思議でたまらない。
それもあってか、一人の時間がものすごく減った。久々に予定のない休日がやってきて、いつも一人でどうやって過ごしてたのかを忘れてしまった。忘れてしまうとどうなるのかと言うと、二度寝をするらしい。



朝ご飯を食べたのに二度寝をかました。目が覚めてもまだ10時だったのは、休日関係なく早寝早起をする体質のせいで第一ラウンドが早朝だったからだ。平日の日課、めざましの放送がないことで今日の曜日を確認する。そうだ、今日は日曜だ。
少しは課題を進めたり就活やったりしたいけど、なんせ頭が痛い。天気予報を見ると、やっぱりだ。あの傘マークなんなんだほんと。こうなると何もできなくなってしまうことは私が一番わかってる。
今日は何もできないと端から諦めた。



諦めたと言ってもスーパーに食料の買い出しぐらいはする。外食のしすぎで冷蔵庫が腹を空かせてそうだったから。今日の稼働はこれぐらいで十分だろう。
さて、アニメを見ようか、映画を観ようか、本を読もうか。贅沢な三択だ。ここ最近は、友達と大学の教室にあるテレビにパソコンを繋げて大画面でアニメ鑑賞することにハマってた。合法かは不確かではあるけど、空き教室を必死に探すトレジャー感と休日も鑑賞するために大学に行っているという優越感がその不安を相殺してくれる。
それもあって、映画当分観てなかったしなと映画を選んだ。



ネトフリのマイリストにいれてる作品から選んでるこの時間尊いなーと思いつつ、何度も再放送はしてるものの意外と観てなかった「君の名は」を観ることにした。
今までアニメーション映画に興味がなかった私が、初めて新海誠の作品を映画館で観たのは「すずめの戸締まり」だった。予告映像と楽曲をテレビから五感で受けたとき、電気が走った感覚を今でも覚えてる。あれから、「天気の子」も観て、今日は「君の名は」を観る。というか、観た。



新海誠のつくる作品は、どうも琴線をぶち壊してくるものがある。全く悪い意味じゃない。映像がすごい綺麗で、景色もリアルで、もちろんストーリーも音楽も最高。観ている最中、私は絶対涙を滝のように流す。この作品の何が私の琴線に触れているのかを考えようとしても頭が働かない。
思考がとまって、論理では表せない感情の部分に新海誠はやってくる。だから、こんなにも涙を流してしまう理由を見つけられない。



ティッシュを何枚もびちゃびちゃにして涙と鼻水を拭いた。泣きすぎで余計に頭が痛い。しくった。明日の大学休みたいなとか思っちゃうじゃんかこんな最高の休日過ごしたらさ、と良くない思考が頭を駆ける。いつの間にか休日の一人での過ごし方を思い出してた、6月最終日。
「まだ7月」と言ってはいけないラインに来てしまった気がする。へらへら笑って看過できない境界線、大学3年目の夏はもう目の前だ。「もう7月」と言えるほど、焦らないといけないと理解はしてる。頭の片隅にこびりついてるのにどうしても頭で追いつけないほどの本気と熱を持てない。
新海誠なら着火剤になってくれるかな。





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