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夏のせい


まだ6月だというのにもうこんなに暑いのか日本。
毎年恒例の如く、季節ごとにプレイリストを作る。その作るタイミングがいつも旧暦だ。春のプレイリストは冬に、夏のプレイリストは春に。なのに存外に、夏到来が早すぎた。季節に先行かれたのは初めてと言っていいほどだった。



目も開けられないくらいの眩い太陽、絵の具で一塗りしたかのような青空、日焼けを気にしない涼しげな軽装、疲れきった目に優しい新緑。暑さと引き換えにたくさんのおまけがある夏だから、まだ、まあいっかと許せる。
春夏秋冬の中でも、夏ってなぜかはっちゃけたり、いかにも青春が詰まってますよ感があったりする。言葉にはできないけど共有認識だと思う、私だけじゃないはず。夏のプレイリストを聞きながら歩いてるときの主人公感、MVの撮影みたく、思い耽るかのような目をして斜め上とか見ちゃうあれ、なんだろうね。



夏が舞台の曲によく出てくるフレーズ


"夏のせい"


クリープハイプの「ラブホテル」、Silent Sirenの「八月の夜」、back numberの「サマーワンダーランド」ましてやRADWIMPSの「夏のせい」は夏のせいだらけ。他にもたくさんあったけど忘れてしまった。(知ってたら教えて欲しいな…)
これに気づいてから、夏ってそんなに懐広いのか???って思ってしまった。多分追求するようなところじゃないんだろうけど、気になって仕方がない。



真面目ちゃんな性格なあまり、羽目を外した経験が少ないからわからないけど、あんなことやこんなこと、やってしまった…でも全部夏のせいにすればいいよねみたいな絶対的保険の役割。夏季限定のライフハックだ。
「冬のせい」とは言わないし、しっくりこない。単に聞き慣れていないだけかもしれない。「夏のせい」を言い始めた先駆者誰なんだ。




不思議なくらい夏が開放的なのは、その暑さからきてるのかも。冬は寒さをしのぐためにたくさん布を体に巻き付けて閉塞的になるけど、夏は打って変わって身軽になれる。鳥みたいに羽をバタバタさせるぐらいの軽快さを手に入れられる。開放的な雰囲気にさせてるから、羽目外した分俺が責任とってやるよ的なやつなのか。なんて頼もしい。



じゃあ今年は、その「夏のせい」という絶対的保険に加入してどんなことをしよう。羽目を外す度胸が、重ねてきた年齢に伴って削れてたらやだなって思う。まだまだしょうもないことに無駄な体力と時間を使って本気になってみたい。
現実から目を背けきれないのも、私が大人になりたくないのも、一向に色恋沙汰がないのも、コミュ障が完治してないのも、全部夏のせいにしてしまおう。願わくば、梅雨がなくなって欲しいのはここだけの話。





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