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インタラクティブ性を高める社会科授業について

こんばんは。本日兵庫県三木市で行われた夏期研修会の学びを共有したいと思います。テーマは「インタクラティブ性を高める社会科授業」です。

そもそも「インタラクティブ」って何?

調べてみました。「インタラクティブ」とは「双方向性」という意味があるらしく、一方的ではなく、双方向に何かが向かうことを意味しています。
今回は授業なので、意見や考えが一方的ではなく、双方向に向かうことが当てはまると考えられます。対話的な学びにつながるのではないでしょうか。

社会科の究極の狙い

そもそも社会科って何のために勉強するの?
本日の講和では、「民主主義を学ぶ」ことが社会科だとおっしゃられていました。民主主義とは簡単にいうと、みんなで話し合ってよりよい社会を目指していこうってことですよね。英語で言うと、well-being的な考えに近いと思います。

みんながよりよく暮らすためにどうすれば良いのかを学ぶのが社会科で、
それを学ぶために、社会にある事実を教材として活用しているのが社会科というわけです。

例えば、「もし織田信長が本能寺の変で死んでいなかったらどうなっていたのか」というめあてで話し合っても、well-beingには繋がらないということです。空想の世界ですから。
やるのであれば、「織田信長の政策で社会はより良くなったのか」という事実に目を向けためあてがいいでしょう。楽市・楽座は商売できる特権を撤廃し、誰でも商売ができるようにしました。
結果的に城下町は栄え、人々も裕福になったはずです。well-beingに近づく政策と言ってもいいのではないでしょうか(専門家ではないので、反論がある方もおられると思いますが0・・・0)

生きて働く知識・技能、思考・判断・表現

社会科は事実を通して、民主主義の勉強をすると言いました。民主主義の社会は常に平和というわけにはいきません。必ず「対立」が生まれます。その対立を憲法や法律にのっとって「合意」していくのが民主主義国家です。そのために裁判所があります。そういうことも子どもたちは学んでいくのです。

知識を一方的に伝えるだけでは、民主主義社会で生きていくための資質は身につきません。「社会を知る」から「社会に対して意思決定する」子どもを育てることが大切なのです。

最近よく聞く「パフォーマンス課題」の設定が、生きて働く知識・技能や思考・判断・表現を身につけていくと言われています。

パフォーマンス課題の設定

読者の皆様はパフォーマンス課題を設定されていますか?僕は設定してやっていますが、それが正しいのかはわかりません・・・

5年生を担任しているのですが、1学期に寒い地域と暖かい地域の学習をしました。地域の魅力をキーワードに、沖縄県と北海道の魅力を調べ学習で見つけさせました。そして、最後のパフォーマンス課題を以下のように設定しました。

あなたは観光大使です。観光大使として、地域の魅力を紹介し、観光客が集まるようにプレゼンテーションをしてください。

子どもたちに観光大使になってもらい、地域の魅力をアピールしてもらいました。この「魅力」こそが、 well-beingなのです。台風や大雪などに影響されてしまいますが、現地の人々は自然条件をうまく活用しながら生活をしています。気候を生かした観光業や農業は、まさに、よりよい社会のための、人々の工夫です。

プレゼンテーションを通して、地域の人々の工夫や努力を伝えあい、より良い社会の構築に向けた知識を身につけているのです。

タスク型(課題解決型)には要注意

社会科でよく行われている授業が「タスク型(課題解決型)」の学習だと思います。僕もやりましたが、農業の学習で、課題を見つけてその改善策を考えようという感じのものです。

・後継者がいない
・生産量が消費量を上回って米が余っている
・田んぼが減っている

などの問題が出てきて、それを解決するために

・若い人に農業を体験してもらって、後継者を見つける
・米粉パンなど、新しい食べ物を開発していく
・家の屋上を活用して田んぼにする

などの意見が出てきました。

ここで問題なのが、その方法で本当に解決できるの?ってことです。
そもそも、その問題は子どもたちの問題なの?社会全体の問題でしょってことです。

あくまで提案ですから、そこまで求めなくてもいいと思いますが、考えさせて終わりみたいな流れだと、何のために考えさせたのかわかりませんよね。

提案も民主主義社会の中で必要なスキルだとは思いますが、自分たちができることを考えさせるのなら、もっと子どもたちの身近な、実際に活動できる範囲で行うべきなのかもしれません。

僕は最後、「自分たちの学校でできることは何かな」と子どもたちに聞きました。残食を減らしたい。米粉ぱんを給食に出してもらうなどの意見が出たので、

・2学期に全校生徒へ放送する文章
・掲示用のパンフレット
・給食センターの方と栄養教諭への依頼文

を作成して1学期を締め括りました。2学期の最初に動いていきたいと思います。

Edtechによるインタラクティブな社会科授業

最後に、インタラクティブ(双方向)な授業のためには、タブレットの活用が欠かせないという話が出ていました。
ロイロノートなどの共有機能を活用し、教師と児童、児童と児童、児童と外部の人など、双方向に関わり合いながら社会について知っていく「令和型の社会科授業」が求められているのかもしれません!


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