第20章 第一の課題 4
「よくなったわ、ハリー。ずいぶんよくなった」
ハーマイオニーは疲れきった顔で、しかしとてもうれしそうに言った。
「うん、これからは僕が呪文をうまく使えなかったときに、どうすればいいのかわかったよ」
ハリーはそう言いながらルーン文字の辞書をハーマイオニーに投げ返し、もう一度練習することにした。
「ドラゴンが来るって、僕を脅せばいいのさ。それじゃ、やるよ……」
ハリーはもう一度杖を上げた。
「アクシオ!辞書よ来い!」
重たい辞書がハーマイオニーの手を離れて浮き上がり、部屋を横切っ