教育・療育関係者がルソーの「エミール」を読んだ感想【幼児・児童期について】
こんにちは,umenoです.
教育について悩んでいる時,コテンラジオ「教育の歴史」の中で紹介されたルソーの「エミール」を漫画版で読みました.18世紀フランスの話なので,現代に全てを当てはめることは勿論むずかしいです.ただ,私自身が療育関係の仕事をしている中で「大切」と感じることも多々ありました.今回はそういった内容の4点をお話できればと思います.親御さんや,教育療育関係者の皆さまにとって少しでも参考になれば幸いです.
①肉体や感覚器官を育てる
18世紀では乳児を布で巻き,壁にかけておくといった今では考えられない「行動抑制」をしていたとのことです.今では当たり前ですが,危険の無いように子どもには動いてもらうことが良いとされています.
仕事上,様々なお子さんをみていると,体と感覚を育てることの大切さは日々感じています.体を育て,姿勢が安定すると情報がとりやすくなったり,細かな作業も上手になってきます.また,感覚面が育つことも手先の器用さ,体全体の使い方にも良い影響がありますし,トイレトレーニングなどのセルフケアにも影響してくるとも感じています.
②道徳的観念などは経験の中で学ぶ
「ごめんね」「いいよ」など,自分の経験で学ぶ必要があると思います.ただ言われただけ,ただ絵本で読んだだけではイメージがつきにくい印象があります.集団の経験の中で,その経験の直後に「何が辛かった」「どういう気持ちになったか」「どういう声掛けなら相手が許してくれた」「どういう声掛けなら自分の気持ちが納得した」などフィードバックをすると学びやすいです.集団の中で全てを行うことは難しいかもしれませんが,後から伝えても子どもはイメージがしにくく,自分の体験として定着しにくいと考えています.
③学習のために感動を与える
情動が動かされるものは覚えたりすることが早いです.どこかに連れて行ってもらった,体験して面白かったということは,子どもはよく話してくれます.そして,それに関する知識を自ら得ようとしています.そのため,様々な経験をしてもらい,子どもの情動が動いたものを中心に学習を進めることが良いと思われます.
④さまざまな経験をすること
何よりも経験から学ぶことが殆どです.大人のように様々なことをイメージしたりする力が未熟なためです.「動画やゲームしかしない」という相談も多く聞かれます.お子さんによってその背景は様々ですが,「経験不足」という切り口で考えることも必要です.そして,「経験しないのか」「経験できないのか」といった考えを持つことが大切だと感じています.
⑤まとめ
エミールの幼児期,児童期の話の中で出てきた4つのポイントについて,現場の印象と重ね合わせながらお話しました.よりよりお子さんの育ちのためにも,教育の歴史を辿り,色々と考えていきたいですね.
本日も最後まで読んでいただき,ありがとうございました.
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?