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大濠公園花火大会の終了理由が新型コロナではなくて良かった

Top Photo:2018年8月1日、大濠公園花火大会にて

福岡の歴史ある花火大会のひとつで、福岡市の中心地で盛大に開催されていた大濠公園花火大会。

6,000発にもなる花火を見に40万人を超える観客が大濠公園付近に集う、毎年「8月1日」恒例の名物イベントだった。

福岡でも人気の居住エリア「大濠」の物件を見て回ると、不動産屋は決まって「こちらのお部屋からなら大濠公園花火大会を家から楽しむことができます」と口にする。花火大会は年に1回だというのに。
さらに知り合いの弁護士に至っては大濠公園花火大会を楽しむ用に契約しているマンションがあると言って、毎年8月1日に料理人や知人を集めて花火を見ながらパーティをしているほどだった。先ほどの写真も、そんな“特等席”から撮影した1枚である。

そんな花火大会が、2018年8月1日の開催の1か月後に突如として終了というニュースが福岡を騒然とさせた。中止の理由は年々増加傾向にある観客の安全確保が難しくなったためと報道されていたが、ローカル新聞社の資金繰りが厳しくなっていたことや、街のド真ん中で開催されていたことで騒音やゴミ問題、敷地への不法侵入などで近隣住民から寄せられる苦情対応にとても苦慮していたことなどがウワサされていた。


2020年、新型コロナウイルスの感染予防のために夏のおまつりや花火大会の一部はすでに中止が発表されている。3密を避ければ、と言いながらもなかなか感染者が減らない現状に大事をとる主催者が多いことも事実だろう。

地元福岡でも、5月の博多どんたく港まつりをはじめ、7月の博多祇園山笠などたくさんの祭りが新型コロナウイルスのせいで中止・延期となった。博多祇園山笠の起源は「疫病退散のため」であるにも関わらず、全く皮肉なものである。命や健康には代えられない、とはいっても つい口からため息が出た。

きっと、大濠公園花火大会もまだ継続されていれば新型コロナウイルスによって中止になっていたことだろう。

そんなことを思うと、2年前に花火大会が終了となったことをあんなに残念がっていたのに、「2年前に終わっていて良かった」などと一周回って意味不明な安堵を得てしまう私であった。

中止になった夏の祭りの中には、「例年資金繰りに苦慮していて、コロナ禍に便乗して中止」という主催者もいただろう。新型コロナウイルスのせいで心待ちにしていた大濠公園花火大会が終了となろうものなら、心持ちは悪い意味で違っていたことだろう。このコロナ禍に無縁で良かったと、自身の花火大会の思い出に気持ちを寄せる私であった。

連日の新型コロナウイルスの報道に自分自身少々疲れている。
社会的距離だけではなく、騒がしい報道とも程よくディスタンスを置きながら、未曽有のウイルスの終息を待とうと思った今日だった。

2020/07/27 こさい たろ

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