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「個性を尊重する」組織マネジメント入門 —Respect Uniqueness —

みなさんこんにちは。
東京レガシーハーフマラソンとMINATOシティハーフマラソンに当選しました。2024年の秋シーズンは2ヶ月連続で都内のレースを走れそうで、今からワクワクです。

今回は当社のバリューのひとつをご紹介することを通して、「個性を尊重する」組織マネジメントについて書いてみたいと思います。
当社のバリューの紹介ではありますが、個性豊かなメンバーのマネジメントに苦労するマネージャーや、組織開発に携わる人事・経営者の方にも多少参考にしていただけると思います。


バリューとはなにか

当社のバリューは”Culture Code(カルチャーコード)”と”Code of Conduct(行動指針)”の2つに分かれています。

前者のカルチャーコードは、「会社の人格のコアになる価値観であり、自分たちらしさを規程するもの」と定義しています。ざっくり言えば、「これを失ったら、もはやこの会社じゃなくてもいいよね」という気持ちになってしまうものです。とても大事なものであり、少なくとも短期的にあには変わらない内容になっています。

行動指針の方は、「より強いチームであるために、みんなが実践すべき行動を示すもの」と定義しています。これは組織フェーズや事業構造によって変わっていいものであり、むしろ概ね2年に1回くらいは見直すべきだと考えています。

当社のカルチャーコードは、”Coachable(コーチャブル)”、”Do the Right Thing(正しいことをする)”、”Respect Uniqueness(個性を尊重する)”の3つなのですが、今回はRespect Uniquenessの意味合いと、なぜそれが重要か、それをどう実践しているかを紹介します。

その他の2つは別のnoteで紹介しています。https://note.com/taroserikawa/n/n763f74e3725
https://note.com/taroserikawa/n/n930238e93d41

個性を尊重することがなぜ重要か

理由1:強みとそれを発揮する機会がうまくハマると、人は圧倒的にパフォーマンスが上がるから

経験的なことですが、人間は苦手なことをやらされるストレスから解放して、得意なことや好きなことに集中してもらうと凄まじくパフォーマンスが改善します。ちょっとしたきっかけで本当に別次元の仕事をするようになる人をたくさん見てきました。

本人に合っていない仕事をしていて十分に力を発揮できていなかった人が、あるちょっとしたきっかけで「え? 君こんなことできるの?」と驚くような仕事ができたりすることがあります。

これは映画「グッド・ウィル・ハンティング」のように数学の天才児が清掃員をやっているような特殊ケースだけではありません。誰にでもまだそのような機会があるだろうと考えてます。僕自身にすらまだそういう機会はあるはずだと信じています。


理由2:たいていの強みは過小評価されており、そこにチャンスがあるから

世の中の会社では、強みは過小評価されており、弱みが過大評価されています。
つまり、自分の強みを活かして他の社員以上の貢献をしていても、別の側面で”普通”のことができていないという理由で平均以下にしか評価されない、といった人が実にたくさんいます。

それは、大きな組織を効率的に運営していくために一定仕方がない側面もあります。とはいえ、個人単位では十分に才能が活かされていない人は存在するので、そういう人をうまく見つけて、苦手を補える体制を用意して巻き込むことで、人材獲得競争の中で独自の勝ち筋を見つけることはできると考えています。

MITメディアラボの石井裕は”出る杭は打たれる”ことがないように、誰も打てないところまで出てしまう力を「出杭力(でるくいりょく)」と呼んでいます。僕らは”出る杭”をできるだけ打たずに、むしろそれを活かすことをサポートしたいのです。

個性を尊重するためのDosとDon’ts

強みと個性を重視した組織を作っていくと言っても、みんながそれぞれ好き勝手やっているだけではチームとは言えませんし、みんなで難しい目標を達成することはできません。
個が輝く組織をつくっていくためのいくつかのポイントを、DosとDon'tsという形でまとめておきます

Dos(実践すべきこと)

弱みに寛容になるために、チームで補い合う
強みを寄せ合うことと同時に必要なのが、お互いの弱みや苦手をチームで補い合う姿勢です。みんなが同じことを苦手としていると困ってしまいますが、積極的に助けを求め合ったり、頼まれなくても手を差し伸べ合えるとよいですね。

お互いに助け合う文化を作っていくと、責任が曖昧になったり、個々人のメイン業務が進まなくなったりすることがあります。そういうときは、マネジメント側で多少の介入します。要するに、「そのくらい自分(達)でやれ」「手を広げすぎだから自分の仕事に集中しろ」という調整をすることがあります。

これは本来は不本意で、あまりやりたくないことです。それでも、「他のチームの人がぜんぜん協力的じゃないし、周りの人が誰も助けてくれない!」と嘆いている人がいたり、誰も拾わないこぼれ球を誰かに指示して無理やり拾わせるよりは、相対的にマシだろうと割り切っています。

一定割合で、”バランスのいい人”をチームに入れる
チームの隙間を埋めたりサポートしたりすることで、組織の当たり前のレベルを上げていけるような”バランスのいい人”が一定割合で存在すると、チーム全体の生産性が劇的に上がります。というか、そういう存在なしで組織をマネジメントするのは極めて困難です。

尖っててもいいけど、傾聴力は不可欠
個性的で尖っていてもいいけど、「自分はこういう人間だから」と言って他者の意見に耳を傾けられないのはよくありません。
苦手には寛容でありたいけど、「さすがにそれはダメだよ」という声に耳を傾けられないと、単なるワガママと区別がつかなくなります。
この点をカバーするのが、もうひとつの「Coachable」というバリューです。Coachableの詳細についてはこちらを是非読んでみてください。

Don’ts(そうならないように気をつけるべきこと)

「やりたくないことはやらない」
“個性の尊重”することと、”好きなことしかやらない、やりたくないことはやらない”は全く別です。
個性を尊重することの目的は、その人の特長が強みになるようにチームとして活かすことであって、個人の自由意思をなんでも尊重することではありません。それでは単なる我儘です。

「チームより個人を優先する」
個々人の個性を尊重することは大事ですが、それがチームでの共通目的より優先されては本末転倒です。みんなで大きな仕事を成し遂げるためには、それに向かって協力する必要があります。
自分の持っている一番の武器がその共通目的に活かしにくければ、ときには2番目・3番目の武器に持ち替えることも必要になります。それができること自体が強みになることがあります。

それが不本意だなと思ってしまうときは、スラムダンクの陵南高校キャプテン魚住くんの名台詞を思い出しましょう。

俺はチームの主役じゃなくていい (魚住純)

※本当はコマ画像を引用したかったけど自主規制

採用時の考え方

当社トラックレコード社の採用においては、

  • 自社で活かしてもらいたい資質を明確である

  • 候補者の強み(魅力)を見つけられている

  • 候補者の強みを自社で活かしていただける機会がある

の3点が揃うことが必要条件と考えています。

選考は、候補者の方の強みを理解するためのプロセスです。
その際の前提として、「誰もが他の人とは違う特別な才能を持っている」と信じています。この「他の人にはないその人のユニークな才能や魅力」のことを僕はGIFT(ギフト)と呼んでいます。

なので、選考におけるインタビュー(面接)は候補者をジャッジするものではなく、その方の資質を深く理解し、その人が輝く機会を見つける場だと考えています。候補者自身も気づいていないようなその人のユニークな強みを見つけるつもりで毎回臨んでいます。
たいていの場合候補者とコミュニケーションできる機会は限られているので、短時間で相手をどこまで理解できるかを真剣に追求してます。

この考え方に基づくと、候補者が見送りになるパターンは①候補者のユニークな強みに合った機会が現在の社内になかった②候補者のユニークな強みを選考プロセスを通じて見つけられなかったの2つしかありません「候補者の能力がなかった」という結論は存在しません。

前者の場合、新たに機会が発生した場合は是非とも再度ご相談したいと考えています。
後者の場合、基本的に見つけられなかった僕らの問題です。せっかくお時間をいただいて何らかの学びや気づきを返せずに終わってしまうと、申し訳ない気持ちでいっぱいになります(とはいえ、そんなことはあまりないという自信もあります)。
※現実にはすべての応募者の方と深く対話できるわけではないので、”当社に現在存在する活躍機会”に明らかにフィットしない場合は、書類段階でお見送りにさせていただいています🙇‍♀

当社のバリューにとどまらず、個性が当たり前に尊重される社会をつくる

Respect Uniquenessは当社のカルチャーコードではありますが、そもそもこれを社会実装していきたいというのが当社の存在意義でもあります。
仕事のよろこびを最大化して世界を変える」というのが当社のミッションですが、個性が抑圧されて仕事によろこびを感じられるわけがありませんから。

ここまで読んでくれた方へ

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質問や異論も歓迎なので、それもXでシェアしていただけると嬉しいです。


お願い②
当社トラックレコードでは、個性あふれる才能を積極採用中です!
「世の中の様々な才能がもっと輝く社会をつくりたい!」という方々も募集中です。

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