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採用面接で志望動機より先に質問すべきこと

こんにちは。せりかわたろうです。
Collaというサービスを作っている会社の共同代表をしています。
今日は「就職活動にありがちな志望動機って意味ないよね」というような話を書きます。

採用に関わる方だけでなく、自分のキャリアに悩む方にとっても思考を整理する上で役に立つのではないかと思います。

意思(Will)よりモチベーション(Motivation)の方が大事

採用の過程でたくさん人に会っていると、そもそも転職をする意思を固めている人や、キャリアの進め方に迷っている人など、いろんな動機の人に出会います。

「エンジニアとして技術力を上げたい」
「採用は一通り経験したのでもうちょっと社内の人を活躍させる仕事をしたい」
「使っている人の顔がイメージできるプロダクトに携わりたい」
「家族のステータスが変わったので働き方を見直したい」
「新しいことにチャレンジして成長を実感したい」

など、実に多様です。
大抵の場合、相手は当社のことなどよく知らないので、相手の希望を当社で叶えることができるかをこちらで一生懸命考えることになります。

一方で、「◯◯したい」という本人の言葉をそのまますんなり受け止めているわけでもなかったりします。
「◯◯したい」という希望は、なんらかの判断による意思(Will、ウィル)なんですが、このWillがクセモノで、場合によってはけっこうすぐ変わるのです。
もちろん容易に変わらないであろう揺るぎない意思を持たれている方もたくさんいるのですが、たくさんの人のキャリアを見てくると、変わりそうな意思と変わらなそうな意思の違いに多少は鼻が効くようになります。

それを見極めるときに大事なのが"モチベーション"です。

揺るぎない意思の背後にはモチベーションがある

相手のWill(意思)を深ぼるとき、その意思につながってくるMotivation(モチベーション)を探しにいきます。
Willとは自分で決めたことなので変えることができるものです。
一方、モチベーションというのは相手の心を感情的に動かす力であり、何が自分にとってモチベーションになるかは、意思の力ではコントロールできず、そう簡単に変わらないものです。
要するに、「Willは口説いて変えられることはあるけど、モチベーションは動かせないので、尊重するしかない」わけです。

なので、相手にとってのモチベーションをしっかり理解することをとても重視します。
そうすると、自身のモチベーションにしっかり根付いた揺るぎないWillや、イマイチなぜそう決めたのかよくわからない(モチベーションが見えてこない)Willがあることがわかってきます。
(とはいえ、実際に個々人のモチベーションについて理解を深めていくことは全然簡単ではなく、1時間話したくらいではわからないことの方が多いのですが)

モチベーションにはいろいろある

人間のモチベーション(=やる気の源泉)は多様かつ複雑で、一筋縄にはいきません。とても奥の深い世界です。

モチベーション理論にはいろんな説があるのですが、どれが正しいというよりも、モチベーションを上げる要因・下げる要因は常に複数あり、人によってどの要因が強く働きやすく、どの要因が影響しにくいかというのが大きく違うんだと思います。

仕事選択という文脈において意識しておくと役に立つのは、その人(自分)のモチベーションは今に向いているのか、未来に向いているのかという視点です。

モチベーションが今に向いているというのは、
「〇〇な状態でいたい」
「◯◯な環境にいたい」
というような要素を大事にすることです。

モチベーションが未来に向いているというのは、
「◯◯になりたい」
「◯◯を達成したい」
というような要素を大事にすることです。

誰もがこれらの組み合わせを持っているのですが、感覚値としてどちらをどのくらい重視しているかを自分で理解しておくと人生の重要な決断を失敗しにくくなるんじゃないかと思います。

大きな決断ができずにモヤモヤするときは、自分の中にある2つのモチベーションを同時に満たせない選択肢しか見当たらず、どちらかを優先することが求められていることが考えれられます。そんなときは、モチベーションに着目すると自分が何を選択しようとしているのかが明確になり、覚悟を決めやすくなります。

これはStrength FinderやMBTIでけっこう把握できるので、みなさんも自分でやってみることをおすすめです。Collaさんも質問してくれると思います。

お互いのために、入社前にできるだけ相手のモチベーションを理解しておく

なぜ選考過程で相手のモチベーションを深掘って理解しておきたいかというと、それがわかっている方が入社後に活躍してもらいやすいからです。

相手が安心して仕事に熱中できる状況を理解して、それを確保することでストレスなく活躍してもらえるようにすることは、入社直後で不安を抱えている新しいメンバー、その人の活躍を期待している会社・チーム双方にとって大事です。

先日当社の水上さんとリファレンスチェックの話をしていて、水上さんはリファレンスチェックの依頼が来たときに、その人のトリセツのつもりで書く、みたいなことを言ってました(合ってる?)。

当社Slackより引用

これはすごくよい視点だなと思ったら、この記事でも似たようなことが書いてありました。

https://blog.allstarsaas.com/posts/reference-check

面接で志望動機を聞くな

採用面接では自己紹介とセットで「当社への志望動機をお聞かせください」といった質問がよくされると思います。
あれは率直に言って質問の質が低いので、やめた方がよいんじゃないかと思います。

志望理由の代わりに聞くべきなのは、就職先(転職先)の選択軸や、その理由です。あるいは、その選択軸を形成しているはずのモチベーションの源泉です。それらを深ぼることではじめて、「相手が当社に入社することで幸せになり、いきいきと活躍してくれる理由」を理解することができます。

僕の場合、
「転職先の選択軸はなんですか?」
「今の仕事では得られなくて、今度の転職先で得たいものはなんですか?」
「仕事をしていて一番やりがいや達成感を感じるのはどんなときですか?」
といった質問からスタートし、「なぜ?」「いつから?」「どういうきっかけで?」と言った質問で深ぼっていきます。

この視点は選考する立場の人が面接時に意識するだけでなく、自分自身のキャリアを考えたり自己理解を深めたりする上でも整理しやすいので、キャリアに迷ったら試しに使ってみてください。

では。


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