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新型コロナウイルス肺炎について(2020/3/7のキモチ)


「コロナ、これからどうなるの?」・・・と個人的に問い合わせを受けたりしています。

僕が、1月中旬から、学生に「3月の卒業旅行は影響を受ける可能性がかなりあるよ。僕には相当見えている」と言ったり、「物がなくなるから準備」ということを言って、それが結果的に的中する形になったので、今後も分かるのではないかと思って聞いてくれるようです。

その場その場で先を考えるのはとても大切なことですから、そういった評価をいただき、ありがたい限りです。しかし特別な情報をもらえるわけでもないので、そんなに分かるわけでもなく、困っています・・・が、今日現在の考えは以下のようなところなのでお伝えしてみます。(間違ったらゴメンナサイ)

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▼感染者数

これからしばらくの間、感染者数は間違いなく増えますよね。これはPCR検査が(まだしにくい現状はありますけれど)少しずつ増えてくることに関連して、当然そうなるわけです。

感染者数のこれからの数字の増加に関しては、しばらくの間は、実勢(いま起こっていること)を反映しているというより、「少し前に起こったことが、だんだんと数字として反映されている」という認識でいたほうが良いと思います。

では実際にはどうなっていくのか。

WHOの発表(夏までに収束すると考えるのは早計)とか、北京大学からの発表(ウイルスには2種類ある)とかのニュースも流れてきていますから、この先の予測は、誰にとっても困難ですよね。

シンガポールは暑いのに最初感染者が多かったりしました。ですから、「暑くなってもダメ」という考え方は自然です。一方で、同じく暑いインドネシアではなぜか感染者が少ない、ということも、一部で注目されています。

感染事例でとくに重要と思われているのが、「換気の悪いところで感染者と長時間一緒にいること」ですね。これを「閉鎖された空間での空調」という言い換えをして、それをキーポイントと考えるなら、「暑いシンガポール」・「クルーズ船」・「ライブハウス」などは、一連のものとしてつながってきます(一元論で説明しやすくなります)。

そうすると、4月〜5月は、暖房も冷房も要らない良い季節ですので、改善が期待されます。

地下などの閉鎖空間では相変わらず発症例はあるでしょうが、窓があるところでは自然換気をしやすくなるということを考えると、新規感染が減ってくるということが考えられるわけです。

寒い地方では、この現象(改善)の開始タイミングが遅れるでしょうが、日本の大部分は先進国の中では早めに暖かくなり、結構改善がなされるように思います。
(ただし、後述する通り、南半球の存在に注意)

▼オリンピック

そうすると、オリンピックの開催是非の判断をする5月には、一過性に改善して、GOサインになる可能性が出てきたと感じます。

政府が考えていることをあまり推論したくありませんが、3月は(検査数増加の遅延反応としての)感染者増加 → 4月に改善 → 5月はさらに改善 → オリンピックGO というシナリオを持っているんじゃないかなと、思ったりしています。

先日、喘息治療用吸入薬「シクレソニド」(商品名オルベスコ)が著効するというニュースがありました。まだ本当に有効かどうかは不明ですが、このような発見がなされることにより、とくに重症例を治療できるようになると、さらにオリンピックの可能性が出てきます。

このように感じるようになったのはここ数日のことですので、また考えが変わるかもしれません。ものすごく振り幅が大きいものなので、誤差が大きく本当は書きたくありません。今日はそう感じている、という意味でお許し下さい。

マスクの効用

マスクについては、品薄であることを背景にしてか、「咳をしている人がするべきものであって、症状のない人がしても意味がない」という論調が急に増えてきました。テレビで「私はしません」と明言している人もいます。でも「それはちょっと違う」と感じています。

今年はインフルエンザが本当に少なく、救命救急などでは、仕入れておいたインフル治療薬の在庫(いわば売れ残り)が増えてしまって困るぐらいだ、ということも風の噂で聞きました。

今冬のインフル感染者が少なかった理由として、「手洗い・うがいの励行」と「マスクの着用」が挙げられていますが、後者に関しては、「咳をしている有症状の人がマスクをしたから防げた」ということが主因ではなくて、「健康な人がマスクをしたから防げた」という意味が大きかった、と考えることは十分できそうです。

マスクには保温保湿効果があります。

外出時にものすごく多くの方が着用したことにより、「普段なら乾燥した冷気を吸って感染を生じたところ、マスクの保温保湿効果により鼻腔と咽頭の粘膜が保護されて、未然に感染を防げた」可能性が十分にあるのです。

そんなコムズカシイ話でなくても、あなたは、寒い日にマスクをして外出したら、鼻周りが暖かく、粘膜にやさしく感じませんでしたか? ・・・それが、あなたと私の「エビデンス」です。

TVで「私は(マスクを)しません」と明言している人は、次から次へと出てくるニュースに単に迎合しているだけなのかもしれない、ということを頭にいれておく必要があります。

このような考えから、私自身は気温が20度ぐらいになって全く寒さがなくなるまでは、少なくともマスクは着用しようと思っています。

流行は一波と考えないほうが良い 〜スペイン風邪の歴史から

今後の、本当の問題は、スペイン風邪のときのような歴史が繰り返される可能性です。スペイン風邪は、時期を隔てて、全部で3回(3波)の世界的流行をきたし、とくに第2波が深刻な致死率をもたらしたことが知られています。今の日本の人口に換算すると、大体100万人の死亡に匹敵します。

とくに、病原性が強くなる懸念があります。また、スペイン風邪のときは、高齢者ではなくて、若年者が多数死亡しました。

このため、一過性に改善したとして、「また次の波が来るかもしれない」という想定を持つことは大切です。

こうしてみると、マスクを(症状がなくても)特に冬に装用することは、今後も重要なことだろうと思っています。また、夏季に、冷房を閉鎖空間で使用するようになると、これまた感染者数増加の原因となり得るので、夏季の冷房にも注意が必要です。

なお、私達の多くが夏に向かうとき、南半球のオーストラリアやニュージーランド、南米/アフリカ南端は冬に向かいます。私たちが住む地球には「南北伝播現象」が存在し、ウイルスが次々と冬を体験できるということも、頭に入れておきましょう。

備蓄の習慣がパニックを防ぐ

備蓄に関しては、今回は日常品の準備をせず、困った方も多かったと思います。しかし今後は、皆がその重要性を認識しているので、普段から備蓄を心がけることにより、パニックや、眉をひそめる転売行為を防止する効果があると思います。

「免疫のある人が多いと感染が広がらない」効果があるように、「備蓄をしている人が多いとパニックが減る」効果も期待できます。

「買い占めは許せない」という批判はもっともなのですが、実はひとりひとりの心構えがとても大切であることも、今回の社会現象は示していると思います。

朝、500mLの魔法瓶用にコーヒーをたっぷり淹れて出発します。意外と半日以上ホカホカで飲めるんです。いただいたサポートは、美味しいコーヒーでアイデアを温めるのに使わせていただきます。ありがとうございます。