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「銀行間決済」の視点:まず知識

前記事では『信用創造を語る際に”支店長の視点”でない視点もあるよ。
”銀行間の決済も視野に入れる”と、違うことが見えてくる』という話をしました。

《銀行間決済とは?》

銀行間決済は「他銀行に振込」などのケースで必要になります。「お金が銀行間移動する」ってことですね。
 当然、同一銀行内でのお金の動きの際は不要ですね。

僕が1年以上前に中村哲治さんに教えてもらったのが『どうして銀行は3時に閉まるのか?』という話、とても興味深かった。

これは『銀行間決済が夕方4:15に行われる』から、その前に締める必要があるんだよ、と。

下図のように「左:各銀行間の決済を個別にやると大変」なので「右:全銀ネットでその差額分だけを流通させればよい」、そういう仕組みが運用されています。    詳細はこちらをどうぞ

全国銀行決済ネットワーク  パンフレット(全銀システム)より

《全銀ネット》と言われますが、この仕組みを運用するためには各行が毎日同じ時間までに「お金の入りと出」の集計を全部終わらせることが求められます。 その各行の結果が出ていないと、右図のような集計・「全行のお金の入りと出」の計算が出来ないですので。
 で、その結果が出てから毎日4:15に日本銀行当座預金で、その清算(+・ーやりとり)が行われるということです。

《巨額金額の場合は即時で》

 上記の通り、僕らが普段、振込指示をして「即完了!」って思ってたけども、実はその段階では「銀行内での集計してるだけ」であって、実際には4:15に本当の他行との+-が行われるまで”集計中”なんですね~。

 でも、「1億円以上の巨額の場合は、別途、即時(RTGS)決済システム」があります。なので、「1億円未満(一日一回まとめて:全銀ネット)」と「1億円以上(日銀ネット)」で2種類の決済システム併用されているんですね。

全国銀行決済ネットワーク  パンフレット(全銀システム)より

《決済のリスクを減らす仕組み》

 決済システムの信頼性とは、支払いと受取りの”時差で、受取額不足が発生!”、というのを防ぐのが大事。 だからこそ「1億円超は即時」な訳です。
 で、上記のように2つの仕組みを併用していることはリスク対策だと思うのですが、全銀ネットは下記のようなリスク対策をしています。
 要は「事前に担保を提供しておく」ですね。   原文PDFリンク

全国銀行協会 事務委員会 報告書 「国内の主要決済システムのBIS策定~略~自己評価 」

*日銀HP(コチラ)によると、担保額イコール仕向超過限度額は、「「負け額の上限が最大の銀行」が目一杯負けたまま決済不能となるケースを想定」して算出されるようです。


では
 信用創造「資金運用・調達の視点」 次記事で続けます

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