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大谷翔平から学ぶ二刀流。(2)

前記事では「お父さん、高校時代の監督からの学び」を紹介した。
ざっくり言えば「上手な目標の設定や活用、その意義」でした。
今回は「栗山監督」の話です。

栗山監督が大谷を獲得できたのか?

メジャーリーグの3団体と面談を既にしており、日本の球団からのドラフト指名を避けるため、史上初ドラフト前に「メジャー挑戦宣言」をした大谷。

その大谷をなぜ日本ハムが獲得できたのか? 当時の栗山監督も、監督1年目。普通に考えたら、大谷選手の獲得は難しかったし、批判もあった。
実際、大谷翔平は「入団の可能性はゼロです」発言していた…。

一言で言っちゃえば
大谷翔平のメジャーリーグ挑戦という夢を全面的に受け入れて
『一緒に夢をかなえたい。
 どうやったら手伝えるのか』

 というスタンスを徹底的に貫いたから。

いまだから再評価したい栗山監督が大谷を口説いた最高の「殺し文句」(デイリー新潮)

繰り返し書いてきた「目的」「ゴール」志向ですね。
で、今回はもう少し深堀していく。

”メジャーリーグ挑戦”の意味は何か?

栗山監督は過去を振り返ってこう言っています。

入団交渉に当たった球団関係者にも
「大谷くんはアメリカで野球をやりたいのか、
それともメジャーのトップ選手になりたいのか、どっちなんだ
」と
何度も投げかけ
「もしアメリカに行きたいっていうんじゃなくてメジャーのトップになるんだったら(日本ハム入団の)チャンスはあるよね」という話をしていた

栗山英樹監督 18歳だった大谷の日本ハム入団決定で「喜んだのは3秒間ぐらい」 すぐに「預かる怖さ」が(スポニチ)

やっぱり成功の根本は「目的」であり「その意味を詳細・正確に把握する」に尽きる。
『メジャーリーグで成功・トップ選手になりたい』ならば、
そのためのお手伝い・基礎づくりを僕らが全力でやりますよ、と。

日本ハムは大谷選手との入団交渉では「夢への道しるべ」という25頁の資料を作り、「高校卒業後直接アメリカに渡るのに比べて母国のプロリーグで実力をつけた選手の方がメジャーで活躍できる確率が高い」などデータを提示したものでした。

さらに、日本ハム側が、投手と打者の二刀流育成プランを提示したと言われていて、メジャーからは「無理だ」と言われ諦めていた大リーグでの二刀流について、話を聞くうちにやってみたいと思うようになった、と言われています。

夢の実現には長期の取り組みが必要。

大谷選手のマンダラチャートで分かるように、最終目標に到達するためには様々な取り組みが必要。
「野球の技術だけではなく、身体の基礎づくり」、「野球の練習も必要だが、前提となる身体操作」、「身体だけではなく人間性」などなど。

つまるところ、「筋肉も骨成長も」「筋肉量も神経系トレーニングも」「運動も食事も休養も」「運動もメンタルも」。
必要なものは複数あって、どれも諦めない。
■「必要条件で満足せず十分条件まで視野に入れる」、「短期でなく長期の取り組み」「ものには順序がある」訳です。

栗山監督が遠くのゴールを見ている発言は多々ある。

<メジャーリーグで二刀流を実現し遂にMVPを獲得した2021年の記事で>
まだまだいけますよ
これからどう数字を伸ばすか計り知れないのに、
今季の活躍ぐらいで『すごい』と褒められたら、僕は納得できない

MVP受賞 二刀流生みの親・栗山英樹さんが語る「大谷翔平のすべて」(毎日新聞)

僕もマイナーリーグの取材などに100試合くらい行かせてもらい、
米国の現実を見てきて、
(最初から)米国に行ったら壊れる可能性が高いという確信がありました。だから「(まずは)絶対、日本でやるべきだ。

「大谷、タダでもメジャーに出した」 栗山監督の真意(日本経済新聞)

…日本ハム時代、彼は野球界の宝だったので、
とにかく壊さないようにという思いしかなかったですし、怖かったです。 …

”二刀流”生みの親 栗山監督が語る 大谷翔平の快進撃(NHK)

どれも「目の前だけを見て」の発言じゃない。
長期の視点があっての、今」だと思う。

まさに
「最終ゴール=目的」としたときに
『「目的ー手段」思想を自分のものとする。』ですね。(関連記事

そして
こういう長期で考え大きな夢を実現してゆく考えが
大谷選手と一致していたんだと思う。

<かつての大谷選手の発言を思い出して>
『トレーニングの目標は今じゃない』と言うんです。
今の筋力では理想の動きができなくても、5年後にはできるようになる、
ということでしょう。
彼には見えないはずの未来のビジョンが描けていたのかもしれません

MVP受賞 二刀流生みの親・栗山英樹さんが語る「大谷翔平のすべて」(毎日新聞)

==【大谷翔平から学ぶ二刀流。】シリーズ==
前の記事 ⇒ 大谷翔平から学ぶ二刀流。(1)


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