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なぜなに和ハーブ塾 第二話『食』の和ハーブ①~デンプン源、野菜、果物~

「食べる」ことは「生きる」こと

皆さん、食べることは好きですか?
私は大好きです。
外を歩いていて、おいしそうなお店を発見すると
フラフラ・・・と入ってしまい、
気づいたら両手が買い物袋でいっぱい!なんてことも。

それはさておき、今回のなぜなに和ハーブ塾では
『食』の和ハーブについてお話していきたいと思います。

今は「飽食の時代」とも呼ばれ、
家に居ながらでも全国津々浦々のグルメをお取り寄せできたり、
料理のデリバリーサービスで簡単に食事を手に入れる事ができますよね。

ですが、昔はそこまで便利な時代ではありませんでした。
日々食べるものにも苦労していたことがほとんど。
そんな苦しい生活の中、かつての我々の祖先は
身近に生えている植物を利用して、なんとか命を繋いできました。

日本人の健康を支えてきた『和ハーブ』

昨今、健康志向ブームにより、
「粗食」「自然食品」などの言葉が
メディアでもよく取り上げられるようになりました。
世界的にも「和食」はブームになっていますね。

そんなブームの最中、日本人の心身にもっとも馴染み深い植物である
「和ハーブ」が見直されつつあります。

「三里四方の食によれば病知らず」という言葉をご存じですか?
三里四方(約12km=人が朝出かけて、日が落ちるまでに帰宅できる距離)
の範囲で採れたものを口にすると健康に良い
、という古くからの考えです。
地域のものを食べることで健康に暮らす、先人の知恵ですね。

「食の和ハーブ」の分類について

『そうは言っても、どんな和ハーブがあるの?』
そんな疑問がわいてきたと思います。
和ハーブ協会が定義する、食の和ハーブは
大まかに分類すると以下の通りとなります。

食の和ハーブ分類
・デンプン源(穀類、豆類、芋類)
・野菜
・果物
・山菜、野草類
・薬味、スパイス
・飲料

けっこうありますよね!
これを一度に説明するとなると、かなりの長文になってしまいますので
上記分類について、これから数回に分けて
代表的な和ハーブと共に説明していきたいと思います。

・デンプン源(穀類、豆類、芋類)

・穀類
穀物の和ハーブで一番身近なものは間違いなく『お米』=『イネ』です。
イネは弥生時代の頃より日本で栽培され、今でも日本の主食として
人々に食べ続けられている和ハーブ。
狩猟文化→稲作文化へと日本文化を激変させた功労者といっても
過言ではないですね。
お米以外ではソバ、ヒエ、キビ、ムギも和ハーブに含まれます。

・豆類
豆類の和ハーブ代表は大豆です。
味噌、豆腐、納豆、醤油など日本の食生活に欠かせない和ハーブですね。
ちなみに、現在の日本の大豆の自給率はたった5%。
日本に並ぶ大豆製品のほとんどに、値段の安い輸入大豆が使われています。
ローコストを追求する上では仕方のないことなのですが、
和食の材料が輸入原料なんて、ちょっと皮肉ですよね。
大豆の他には、小豆やいんげん豆も和ハーブに含まれます。

・芋類
芋類の和ハーブ代表はヤマノイモです。
自然薯と言った方がピンとくるかもしれませんね。
昔からウナギと共に滋養強壮の代名詞とされ、
『元日にトロロを食べると一年中風邪をひかない』という
地域の俗説があるほどです。
春は若葉、夏はムカゴ、冬は根(そこが芋となる)と
一年中食べられる食材であり、昔の人々の大切なデンプン源として
大切にされてきた歴史があります。
芋類は他に、サトイモが和ハーブに含まれます。

・その他デンプン源
上記の和ハーブ以外にも、貴重なデンプン源として
活用されていた和ハーブをいくつかご紹介します。
・カタクリ・・・片栗粉の原料、今は絶滅危惧種
・ブナ科の実・・・シイやトチなどのドングリ。栃の実を使った栃餅が有名。
・クズ・・・葛餅、葛湯などの原料。
※因みに現在スーパーなどで販売されている片栗粉や葛粉と呼ばれる製品は
 ほぼ馬鈴薯デンプンです。原材料表示をチェックしてみてくださいね!

・野菜

野菜の和ハーブは種類が沢山あるので、代表を決めるのが難しいのですが
今の時期、お鍋の具として大活躍のダイコンを挙げることにします。
ダイコンは春の七草のひとつ、『スズシロ』でもおなじみ。
普通に食べても美味しいけれど、薬効豊かな和ハーブでもあります。
子供の頃、喉が痛くなったり咳が出たときに時に
はちみつ大根を飲んだ記憶はありませんか?
大根の成分に消炎作用が含まれており、喉の炎症を抑えてくれます。
また、胃がムカムカした時に大根を食べると
大根に含まれる『ジアスターゼ』という消化酵素が
胃腸の働きを促進し、消化を助けてくれます。
野菜は他にネギ類、カブ、コマツナ、ミズナ、ウリなどが
和ハーブに含まれます。

・果物

果物の和ハーブも本当に沢山あるのですが
ここは私の大好きな『ユズ』でいきましょう。
ユズは最近海外でも『Yuzu』として注目されつつある和ハーブで
フランスの超有名レストランでもレモンやライムの代わりに
ユズで風味付けをした料理が提供されているそうです。
そんなユズですが、種から育てて実がなるまでがとんでもなく長い!
『桃栗三年柿八年、柚子の大馬鹿十八年』
ということわざがある程。
その為、現在日本で栽培されているユズのほとんどは
接ぎ木で作られたものだそうで、種から育てた『実生ゆず』は
大変貴重なものとなっています。
ユズの話は非常に長くなりそうなので、
また別の機会にゆず単独の話を記事にしたいと思います。
果物は他に、カキノキ、ビワ、クリ、モモ、ウメ、ナシなどが
和ハーブに含まれます。

いかがでしたか?
思ったより身近な食べ物が多かったのではないでしょうか?
『えっ、これも和ハーブだったの!?』と驚きがあれば幸いです。

それでは、今回はここまで。
最後までお読み下さり、ありがとうございます。
次回もよろしくお付き合いくださいね♪

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