しくり

なんかいろいろ

しくり

なんかいろいろ

マガジン

  • エッセイ集

    こじれたエッセイです

  • 羽川翼に関するツイートまとめ

    羽川翼に関する解釈ツイートまとめ

最近の記事

人として実存がブれている

自己認識がブレているのに気づいたのは最近のことで、社会人になって3年目の春だった。 自分はカメラというものに手を出し、ところ構わず写真を撮っていた。家族と会う時も当然持っていき、あえてMF(手動でのピント合わせ)で撮ってみせるんだよというウンチクを口から垂れ流すなどしていた。 そこで、妹がカメラを僕から取り上げた。 「ほら、こっち向いて」 僕はやめろよ……といいながら、笑ってカメラに手を伸ばす。カメラを取り上げる前にシャッターは切られて、僕のその「時」は、1枚のデータにな

    • 雑語り「トラペジウム」

      東ゆう、好き〜〜〜〜〜〜〜〜〜。まあ端的に言ってなんですけど、この女好きというより、この人間好き!なんですよね。目標に真っ直ぐ突き進む女。作中の凶行は、それこそ若さだと思うんですよ。憧れが先行して突き進んで、それがアイドルという誰もが憧れている(と思ってしまうもの)だったからあーいう行動を取ってしまっただけで、めちゃくちゃ芯のある強い人間じゃないですか。オーディション全部落ちたから自分でキャッチーな企画とテーマ考えて足で人脈つくってきちんとやる事をやってる。彼女の独善性って、

      • 感情論で語る劇場アニメ「ルックバック」

        藤本タツキの読み切り「ルックバック」が公開されてから、3年がたった。あの頃の僕は大学生で、一丁前にメンヘラをこじらせて、布団の中と洗面所を行ったり来たりする生活をしていた。その中で出会ったそれに対して、初めに出た感想は 「全てを創作に捧げられない偽物の皆様」とか「大して捜索に大して熱を込めてないのに上手い人に嫉妬してる皆さん生きてる?」 と言ったふうな、嘲笑混じりのものだった。当時めちゃくちゃフォロワーに怒られた記憶がある。あの作品を読んでなんでそういうものが出てくる。とかな

        • 感情論で話す〜アステロイド・シティ〜

          テーマと結論が好きなので、まとめておきます。 前説 作品の中で問われているのは、おそらく「意味」である。 それは作中における。死別した妻やその周り、そして、脚本や「手を焼く口実」に示されている。 アステロイド・シティは多重構造的な舞台設定で、「TV番組の中にあるフィクションのTV番組」という構造になっている。。 つまりは、本当に全てが嘘で構築されていて、意味を持っていないということになる そして、意味を持っていないという意味──みたいな堂々巡りの話をしたいのではな

        人として実存がブれている

        マガジン

        • エッセイ集
          13本
        • 羽川翼に関するツイートまとめ
          3本

        記事

          オッペンハイマー感想

          見た直後シンプル感想記事です。 ネタバレあり。 予習もしてないし歴史にも全然詳しくないのでまあ良くないことをしたなと思いつつ、シンプルに言えることはあって、これは伝記の映画なんだから、それを受け取ってそれぞれ考えようね!の話になってくる。時系列とかはまあわかるというか、そこまでぐちゃってないからむしろ有難かった。  で。感想なんですが、1と全と、その自覚。そういった部分に少し感情が動いたなと言う感覚があります。国的な、規模の大きいものが全とするなら、もっとマクロ的な、一人

          オッペンハイマー感想

          生きたくない日々の言いかえかた。

           石風呂氏の曲、シーサイドモーテルの歌詞に、こんな一節がある。 生きたくない日々を死にたいと言い換える。初めて聞いた時、納得感があった。誰しもが簡単に、「死にたい」と口にするけれど、大抵は別に、本気で死にたい訳では無いと思う。 最も、そう思うのは、僕が死ぬことに対して強い恐怖感があって、25にもなろうと言うのに、夜中に震えて眠れなくなる精神性だからかもしれない。 しかし、実際、死にたいと思うのは異常なのである。生物なのだから、生きねばという本能があるはずで、そういう本能

          生きたくない日々の言いかえかた。

          君たちはどう生きるかのことをずっと考えているのですけれど僕は?

          感情論で語る、「君たちはどう生きるか」|しくり #note https://note.com/taratatta/n/n07ef9653908b 公開当時の記事です。 雑語りです。注意! そこを踏まえた上で話すんですけど、公開してからかなり経ちますが、ずーっと考えていたわけです。自分は気に入った作品を咀嚼し続けて意味を考えるタイプのオタクなので、それは間違ってるしダメなことなんですけれども、そこに自分の出した結論があるので結構満足していたりします。 そこで思う、君たち

          君たちはどう生きるかのことをずっと考えているのですけれど僕は?

          実質的な人生の終わりについて

          表題について。実質的な人生の終わりとは、これから先がどうなるか、予見できてしまうことである。それは、人生という一つの大きな可能性の収束地点、その観測である。 月曜日の友達という作品で、中心人物である月野透が、終盤で語っている。 ここで語られていることは、人生という可能性の終着である。作中ではそれに対して一つの願いを提示して物語が閉じていく。思うに、人生というものは、こういった終着に対して、どう立ち向かっていくかということが、幸福に向かう道なのだと思う。 しかし、それはと

          実質的な人生の終わりについて

          傷物語「こよみヴァンプ」は物語シリーズ入門編に最高で最悪である

           まず謝らないといけないことがある。傷物語三部作をガッカリと決めつけてごめんなさいと言うことだ。もちろん見た上で語っていたけれど、当時の僕の理解が全く足りていなかったし、そういう感受性もなかったというのが事実である。 なのでまず、この場を借りて謝罪したい 本当に申し訳ありませんでした。 以下、感想 感想ネタバレ  前提として、僕はこの2年ほど物語シリーズをまともに摂取していない。傷物語も見返してないし読み返していない。それは単純に、僕が羽川翼のことを嫌いすぎて、考え

          傷物語「こよみヴァンプ」は物語シリーズ入門編に最高で最悪である

          感情論で語る、「∀ガンダム」

          クソ記事です。まとまってません 「Gのレコンギスタ」劇場版をみて、元気のGに当てられた僕は、∀ガンダムを視聴することに決めた。そして、一通り見終わって気づく── 「もしかしてこれ……ド傑作じゃないか?」 「∀ガンダム」は1999年から2000年にかけて放映されたTVアニメ作品である。 まずパッと見で「ガンダム」とあるのだから戦争モノ、ロボットモノという認識を受けるが、主人公機、そしてその他機体のデザインに度肝を抜かれるだろう。正直な話、ガンダムに出てくる数字を暗記する

          感情論で語る、「∀ガンダム」

          感情論で語る「Gのレコンギスタ」

          感情論で語ります。書いている本人はふわっとした感情で、劇場版を一周しただけで話します。なので、怒らないでください。すいません。先に謝っておきます。 「で、俺達は何を見せられたんだ?」君たちはどう生きるかを見たことなので、僕は友人を誘って、「Gのレコンギスタ五部作一気見上映会」というのをやることにした。なぜなら、君たちはどう生きるかを見た直後に、寂しくて泣いて、そのついでにキレ散らかしたからだ。キレ散らかして納得していく様は下の記事でまとめて落ち着いたのだけれど、 とりあえ

          感情論で語る「Gのレコンギスタ」

          感情論で語る、「君たちはどう生きるか」

          ファーストインプレッションと一週間の思考の変遷 あれを見終わった時、まず自分は泣きました。ふざけんなよと泣きました。それは何故かと言うと、宮崎駿という世界一クラスのクリエイターが、勝手に自分を終わらせたかのように感じたからです。映像は冒頭の時点で素晴らしく、母親の病院が燃えている、その中をかける液体を床にぶちまけたようなドロドロの疾走に見とれてしまいましたし、宮崎駿だ!!と興奮しました。一方で、これは彼自身のことを語っているのではないかというメッセージがふんだんにあって、そこ

          感情論で語る、「君たちはどう生きるか」

          例えば、君がどこにも行けなかったとして

          *推しとの向き合い方の話です 目をつむって想像する。 教室。昼休み。高校生。お弁当を食べている僕は、ふと窓際をみる。それに対して何か大きな理由があるわけではなくて、本当にふと何も考えず。ただただ目線と首を窓に向けただけだ。そしたら、視界の中に、「女」が映る。三つ編みで、眼鏡で、まるでフィクションの中にしかいない出で立ちの、いかにも真面目そうな顔つきをした女が映る。 その女がどうあるか、どうなったかを僕は知っているが、知らない体で、知らないふりをして、女のことを客観的に見よ

          例えば、君がどこにも行けなかったとして

          君は××をやめた

          1 最近、小説を書くのを止めた。それはありがちな、薄汚れた承認欲求の満たし方とかではなくて、本当に止めた。活動を停止し、筆をポキリと折って捨てた。 活動していたカクヨムのアカウントも消したし、二次創作の方のアカウントも1度消していて、頼まれたものだけ再掲載して放置している。書くのを止める本当にもう書く気が無くなっているから、急に作品を上げ始めたりなどはしない。たまにこうして、今やっているように、エッセイもどきポエムもどきの腐りきった文章を掲載することはあれど、小説という体裁

          君は××をやめた

          グリッドマンユニバースで憂鬱になった話

          グリッドマンユニバースで鬱になってるのは俺くらいのものなので、この話をすることにした。 ネタバレもあるし、解釈のブレが酷いのでなんでもありな方しか読んではいけません。ご了承ください。 映画自体は大傑作だった。出来が酷すぎる映画を見るとその日一日が憂鬱になるけれど、そういう感情どころか、見終わるまで終始号泣した。鑑賞中は時折気持ち悪いニチャついたキモオタスマイルをマスクの下でしつつ、素晴らしい展開とアクションの数々に驚き、震えた。本当に素晴らしい作品だった。 がしかし、自

          グリッドマンユニバースで憂鬱になった話

          どこにいっちゃったんだろうね

           ソーシャルを眺めて、今日も入る先を探した。ふと、フェイバリット欄の彼に目がいった。彼は今日も、ぶいちゃをやっているようだった。 「緑ステータス」                   トリガーを引く。画面の右上で、今日も土星と天王星が並んでいた。  そういえば、僕はこの人によく会いに行ってたな──なんだか、顔を見なくなって、すごく時間がたっている気がした。思い出せば、彼は気前が良く、話が面白く。それでいて、すごく優しい人だった。だから、僕みたいな軟弱物は、構まってもらいたくて

          どこにいっちゃったんだろうね