傷物語「こよみヴァンプ」は物語シリーズ入門編に最高で最悪である

　まず謝らないといけないことがある。傷物語三部作をガッカリと決めつけてごめんなさいと言うことだ。もちろん見た上で語っていたけれど、当時の僕の理解が全く足りていなかったし、そういう感受性もなかったというのが事実である。

なのでまず、この場を借りて謝罪したい

本当に申し訳ありませんでした。

以下、感想

感想ネタバレ

　前提として、僕はこの2年ほど物語シリーズをまともに摂取していない。傷物語も見返してないし読み返していない。それは単純に、僕が羽川翼のことを嫌いすぎて、考えすぎて、動いたり喋ったりしているところを見るのが耐えられない(情報量が多すぎてフリーズする)からであって、決してこのシリーズが嫌いになった訳では無い。そんな僕だから、今回の作品は比較的スッキリとした頭で見ることが出来たように思える。だって何も覚えてないし。いや、うっすらどころかはっきりと覚えてるけど説明できるほどハマっていた頃はオタクではなかったし視界も狭かったから……。 けど、羽川翼のことは毎日考えている人間なのはそうで、自己紹介がてら、読みたい人はここの記事も読んでもらえると嬉しさがある。

羽川翼に関するツイートまとめ｜しくり｜note

　まず第一の感想として、良くも悪くも脱臭されている作品だ、と思ったし、成ったなと思った。脱臭というのは、つまり物語シリーズという作品が持つ作家性。無駄な部分と言ってしまうのは些か乱暴か。しかし、一言で形容するなら、作家性が適当であろう。

　言ってしまえば、傷物語「こよみヴァンプ」は、それこそ(僕はあまり語る口を持たないにわかなので奈須きのこくらいしかその例えがないが)、今に、伝奇物語として再編纂された作品なのである。つまりは、傷物語の幹を立たせて、今にそぐわない枝を払ったような感覚である。

　今作は、ギャグ描写、まとめてしまえば無駄話が大きくカットされており、本当に主軸だけで話が進んでいく。羽川翼がパンツを渡さなかったのはびっくりした。あれ大事だろ！！と思ったりもしたが、傷物語単体で見た時には実は必要ないのかもしれない。なんと言えばいいか、体育倉庫まで無くなっていたり本当にそう言った、物語シリーズ的な描写が完全に削られている。

　それはある種、見やすさにも貢献している。なぜなら現代においては、阿良々木くんそのもののキャラクター性が受け入れがたくなりつつあるからだ。そして同時に、そういうシーンも割ともう無理なのだろうなと言う感覚がある。

　なので、そういう引かれポイントが減っているのは今にあたって、正しいのかもしれない。

　言ってしまえば感覚としては劇場版空の境界を見た時と感覚が近い。

　一方で監督の芸術性に関しては僕はさっぱり分からないというのが本音であり、映像、やっぱめちゃくちゃ格好ええなということしかわからない。そういう賢い批評というものは、賢いオタクに任せておくとして。

　こよみヴァンプが成ったというのは、つまりは1本の映画として成立したというよりは、1本の伝奇小説映画として、きちんと見れるものになったという話である。それは言わば、脱臭に成功したからであり
今ならこの映画を僕は万人向けとしてビギナーに勧められるのだけれど、原作再現的な意味合いでは到底足りないし、三部作はその辺に非常に真摯だったのだなと今になってわかった(本当にごめんなさい)。本当に、こよみヴァンプは大トロだけ食べてる感じなのだ。それによって伝奇として成立した(言い過ぎてる気がします)し、完成度は上がっているのだけれどこれ西尾維新の味というか、西尾維新の赤身(中落ちかも)死んでないか？という話になってしまうし、あの傷の赤身部分というか、枝の部分は今になっては切られてしまうんだなという確かな感覚だけがやっぱりある。というか、見てて思ったけど僕は西尾維新嫌いかもしれん。

あと。短くなってる分演出でくどかった部分はまとめられててそこもめちゃくちゃ良かった。エピソード戦とか。エピソード戦とか。エピソード戦とか。

いや、ここから先は文体まとめずに感情で話すんだけど、面白かったんだよ？めちゃくちゃ満足度高い。初めからこれ出せよ？これだったら売れるだろ！！と思うけど、傷物語全体の味が結構端折られてるけど端折り方上手いな……うーんうーん。わかんないよ！！俺頭悪いから……わかんないよ！！タイトルはそういうことである。ここから物語シリーズ入ると、イメージが違いすぎて面食らうだろ！！という感情なのである。でも大トロ部分は本当に美味しんですよ！！頼むよ！！コレ見て化物語と猫黒見てくれ！！それでいいから！！傷物語はプロローグでもあるから！！羽川翼という女に対する答え合わせしよ！！！！！

ちなみに実際かなりバシバシ端折っている。ここ端折ってええんか！？の部分もかなりある。

この辺を語るには、三部作見直して原作見直さないとダメな気がするので、語りません。ファンの人あとは頼んだ！！！！

以上です。