「正そう」とする前に「分かろう」とする②

昨日の投稿で悩みを相談された時、『正そう』とする前に悩みを『分かろうとする』ことの大切さについて書いたのだけど、
今日は『どんな風にしたら分かろうとする行動ができるのか？』について。

相手を良い方向に導くための４つの方法

相手が悩みを相談されると、どうしても相手を思えばこそ「早く解決してあげたい」と思ってしまうもの。。

必死にアドバイスをするけれど、なかなか相手の顔は晴れず、アドバイスも実行してくれないことも多いはず。

まずは、導くための４つの方法と相手の状況を理解しておきましょう。

ティーチングは、ある一定のレベルにいない人に対するアプローチの方法で、ゴールは相手の知識を一定のレベルまで高めること。
例えば、学校の授業などはティーチングが多いのではないでしょうか？
 前提となる知識がない状態で、一人ではどうにも出来ないレベルなので、やり方などを順序立てて教える手法。

コーチングは、知識はある程度ある人に対するアプローチの方法で、相手が望む地点まで引っ張り上げること。
目標があり、既に自己流で頑張っているけど、思うように成果が出ていない人を、目標まで導く方法。
例えば、スポーツ選手とコーチの関係性などはまさにこれ。
今までどんな方法でやってきたか、これからどんなことにチャレンジしたいかという本人の目標を明確に理解して、その人自身に気づかせて行動を導くことが大切。

コンサルティングは、相手も十分に知識も経験もある人へのアプローチで、問題の解決策を見出し、相手が望んでいる以上の地点まで導くこと。
 全く違う視点から気づきを促し、本人の想像の外側の成果まで導く手法。
例えば経営コンサルタントは、経営についてアドバイスを行い、経営を立て直し、更には、売上の劇的な向上を目指す。

カウンセリングは、現在マイナスに落ち込んでしまっている人に対してのアプローチで、相手を元の位置まで導くこと。
行き詰まっている現状を把握し、今までの失敗の因果について会話を通して、解明していき、もう一度チャレンジしたいと思えるような状態へ導くことがゴール。

相手が行動しようと思える心境にする

４つの導き方を理解すると、悩んでいる人に対してカウンセリングをすることなくティーチやコーチをしがちなことに気づくはず。

そもそも承認欲求や自己実現欲求は、心理的不安がない状態で初めて生まれるものなので、心理的不安を取り除かない限り、次の一歩のアクションを起こすことは難しい。

まずは、相手の不安を取り除くためのカウンセリング。そのあとに、ティーチやコーチとしてのアドバイスがやっと相手の心に届くようになる。

相手がどのような状況で、どういうゴールを目指しているのかを理解することがとても大切。

心を傾けて「相手のまま」を「聴く」

コミュニケーションの基本は会話。
「聞く」と「聴く」の違いは説明できますか？

「聴く」と「聞く」

漢字にも意味があって、
「聴く」は耳＋目と心で表現していて、その全てを使って集中して聴く。
「聞く」は「門の中に耳がある状態で、なんとなく聞こえるBGMのように聞く。

仲間のとコミュニケーション、もちろんお客様とも目と心を使って集中して聞いているでしょうか？

「耳」で聴く
例えば、言葉、声のトーン、間合い、表現、、、
単純に文章としての言葉だけでなく、いつもとの違いに敏感を読み取ることが重要です。

「目」で聴く
例えば、仕草や視線、体の乗り出し方、表情、手や体の動き、その日の服装やヘアメイク、、、
例え無音でも聴くことはできるのです。
アイコンタクトも重要性だけど、目がずっと合っているのが苦手な人もいる。
基本は「おへその向きと位置を合わせること」男女の初デートも、対面の席よりもカウンターの方がいいって言いますね。

「心で聴く」
言葉ではわからないこと。
耳と目を使って聴きながら、その背景を想像することが心で聴くということ。
なんでその表現を使ったんだろう？なぜ、そんなに早口なんだろう？
どんな言葉が欲しいんだろう？それとも、何も言わないで欲しいのかな？？

まとめ

相手が悩んでいるときに、必要なのは相手が今どんな状況でどんなゴールを目指しているかをまずは理解することです。

その上で、必要なコミュニケーションをとっていくことが大切なのです。

まずは、「正す」前に「分かろうとする」。
そのために、耳だけでなく目と心を使って、想像力をフル回転させて相手に寄り添って集中して聴く。

そうすれば、相手は心理的な不安が少しづつ解消されて、一歩踏み出す勇気が生まれて、アドバイスを聞こうかな？と思ってくれるはず。

まずは、相手の「今」をしっかりと理解し想像し寄り添うところから。