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代表的日本人から学ぶ理想のリーダー①

キリスト教徒の内村鑑三氏が、日本人の生き様を1895年の日清戦争中に海外に向け英文で発信した『Japan and the Japanese』の1908年改定版を日本語訳したもの。

はじめは読みづらいかな?と感じていましたが、小さい頃から誰もが知っている”二宮金次郎さん(二宮尊徳)”から読みはじめて、たくさんのリーダー像を学ぶことができました。

学校の課題図書だったのですが、内村鑑三氏が最も尊敬するという第一章の西郷隆盛を読まないまま課題を提出し、授業の後も読んでいないという不束者ですが、1番の旨味はもう少しあとにとっておいて、まずは読んだところから。

内村鑑三(1861-1930)は、「代表的日本人」として西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の五人をあげ、その生涯を叙述する。
日清戦争の始まった1894年に書かれた本書は岡倉天心『茶の本』、新渡戸稲造『武士道』と共に、日本人が英語で日本の文化・思想を西欧社会に紹介した代表的な著作

『はじめに』で内村鑑三は、
我が国民の持つ長所<私どもにありがちな無批判な忠誠心や血なまぐさい愛国心とは別のもの>を外の世界に知らせる一助となることが本書の目的と述べていて、
日本人は外国のヒトが思っているほどYESマンじゃないよというリーダーたちの紹介です。


■【二宮尊徳】覚悟を以て人の生活と人生を育てる人

みんなが知っている二宮金次郎さん。若い頃はこれでもかというくらい不遇です。だけど、不遇な状況をひどいと落ち込むのではなく、「そうだよな」と思って解決策を考えるヒトなんです。

例えば、ご両親が亡くなって親戚の家にいた時も勉強したくて仕事した後に勉強してたら、「油(照明)がもったいない!!」って怒られるんです。それで「そうだよな」って思った尊徳は自分で菜種を作ってそれを売って油を工面します。それをしった親戚は、「そんな暇があるならもっと働け」って言われて「そうだよな」って思って、仕事場までの間に勉強する方法を見出したりします。(ちょっと違うかも)

めちゃくちゃ素直に「そうだよな」と思って改善策を探して努力をする一方で、自分が努力をするヒトなので、覚悟なく頼ってくる人にはめちゃくちゃ厳しかったりもします。

薪を背負っている金次郎さんしか知らなかったけれど、大人の金次郎さんは超敏腕で、仮説検証をしっかりした上で計画して、がんがん成果を出していきます。

そんなこんなで、頑張るヒトに誠心誠意向き合う姿勢と生半可な人には見向きもしないのが清々しいリーダーなので、頑張り屋さんや、つい”いい人”としていいように使われがちな人に読んで欲しいのが二宮尊徳さんです。

<いいなと思ったところ>
・不遇な状況も全てその通りだと納得し、自ら克服する方法を考える。
・人に対して、施しはせず、本気で克服しようとするものに協力をする。覚悟のないものには向き合わないという、尊徳の本気で向き合う覚悟もかっこいい。
・評価では自分の目で見たものを信じ、恩と徳で動くものを評価する。自らが現場に立ち人一倍働いているので限界を理解し嘘も見抜くことができる。
<学びをどう活かすか>
※不遇な状況でも解決策を自ら探すこと、施しではなく解決策を身につける力を与える、現場で一次情報を自ら行い自分の目・耳で体得すること、自分が本気で向き合う覚悟(相手に対しても)


■【上杉鷹山】感受性を武器に預かり物を大切に天に返す人

上杉鷹山さんは今で言うHSPの人です(知らないけど)
めちゃくちゃ繊細で、お勉強をしている時に感情移入してポロポロ涙が止まらなくなるような優しい心を持った人です。

そんな繊細なタイプなのに、もうどうしようもないエリアの担当を任されてしまうんです。

どうすればいいのか、、と思って現地に行くんですけどその道中で消えそうになっている炭火が息を丁寧に吹きかけると静かに燃えるのを見て、このエリアをなんとかしてみせると覚悟を決めるんです。

そして、弱い自分を知っているから自分がもし途中で放り出したら、自分の家族の末の末まで罰してくださいと約束するんです。

弱いようで、とっても強い鷹山さんは、自分は弱いしリーダーなんかむいてないって思っている人に読んで欲しいです。


<いいなとおもったところ>
・弱い自分を理解し、覚悟を神に誓いできないときは神罰を永代まで下す約束をする。
・役割と仕組み
・経済と道徳を分けて考えない。賢者は木を考えて実を得る。
・産業改革の目的は有能な人間を育てること。幸せのための仕事(well-being)
<学びをどう活かすか>
※弱いことは強み、不安だからメンバーの声を傾聴する。
※リーダーとして、メンバーを託されている、借りていると自覚する。預かっているから返す前提であり、感謝してよりよくして返す。


まとめ

100年前の偉人から、今に通じるリーダーシップを学ぶのも楽しいものです。
残りの方は、また次回。

難しいと思いがちな本も、100年も前からずっと読み継がれていると言うことは、やっぱり良本なので読んでみると道が開けるものですね。

少しの前提情報があるだけで読みやすいと思うので、ぜひ読んでみてください!


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