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首を下に向けるときにだけ、LINEが届く間にだけ、うまく呼吸ができていた気がする。潜水時間…
「何か飲む?」と僕はヨシちゃんを促してみる。「コーヒーでよかったら今豆を引いたところ」 …
誰か一人の影響でこの世界が劇的に変化することなんてあり得ないとはわかっているのだけど、…
ハルちゃんがいなくなった。今までの他の女と同じように、姿を消した。声も聞こえなければラ…
『ほんまアホらしいとは思うけどな、たまにしんどくなんねん』 鼻で笑うように自嘲する友人…
『結局、飛ばせなかったんだよ』 『どうして? ああ、不具合が見つかったとか?』 『いや、理…
ハルちゃんと親しくなった。 いつも視界の端にうろうろしているハルちゃんは色んな姿でぼくの前に現れる。 時には猫で、時には犬で、ついこの前はペンギンだった。冷凍庫から氷枕を取り出してタオルを巻いて置いてみると、その上にキチンと座ってくれるのだから段々と愛着も湧いてくる。なんとなく心配になったのでクーラーの温度を限界まで下げてみた。寒かった。 毎晩というわけではないのだけれど、ハルちゃんは夢のなかにも現れてくれるし、色んな話を聞かせてくれる。夢のなかのハルちゃんは完璧な女の子だ
実在しない猫が見えるようになって3ヶ月になる。視界の端で、窓の向こうで、直視して数秒の内…