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早朝ハイキング

4時50分 星が綺麗

始発にて出発

気分が良かったので一駅歩く。
途中、おにぎりとコーヒーで身体を起こす。

登山口に到着し、霜の張る山道を聞き慣れない足音をたてて登る。山の中で吐く白い息はなんとなく特別感がある。

山頂に着く。日の出には数分間に合わず、ニット帽の上にキャップを被ったおじいさんにあと2分早く来にゃとニコニコ言われ耳の冷たさを感じる。

西の奥に見える富士山の雪が徐々に赤く染まってゆくのを眺めた。
元旦には200人程訪れるらしい。 この狭いスペースに入りきらず大渋滞するとのこと。

しばらくまばゆい光を眺めたあと、縦走のため再び登山を開始。所々まだ木々が色づいている。
普段ハイキングといえば大体昼間にすることが多く、朝の早い時間に来たのは初めてだった。
森の中へ射し込む光のやわらかさの違いに驚く。 昼より鋭くなく優しくつつみ込むような明るさに身体が温まる。

山を登ることが好きなわけではなく、山の中にいることが好きだ。山の中にいられるなら車で登ってもいいし、ロープウェイなんかでもいい。山は静かで、きこえてくる音といったら 風、鳥の声、葉の音、足音、息づかい、これぐらいだ。

山へ来ると自分はこれから何をしたいのか、これでいいのか、と考える。黄昏癖は決まって自然のなかでおきる。

しばらく山の静けさを堪能し心身を休め、渓谷を歩き公道へ出る。


まだ午前中だったのでこれから登るハイカー達とすれちがいながら駅へ向かう。
途中、民家の無人販売所で里芋を100円で購入。欲しかったのでちょうど良かった。


少し時間があったため、今や貴重である駅前コンビニの喫煙スペースで一服する。間をもたせる為の喫煙はいい加減辞めたいと思うがなかなか辞められない。


土曜の駅構内は人が多く、これから何かをするために駅に降りた人、どこかへ向かうために電車に乗る人と様々な中、俺はすでに目的を達成し抜け殻と化していたこの身に、早朝との温度差を感じながら家路についた。

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