「ボーはおそれている」を予備知識ナシで観た
※ネタバレほぼ無し
アマプラで公開になったということで、タイトルと「アリ・アスターとホアキン・フェニックスですぜ」ということくらいしか知らない状態で気軽に観始めてしまい、開始15分ぐらいでめちゃくちゃ後悔し始めたんだけど、最後まで観た結果「最高やんけ」となった。
あらすじを説明しにくい作品だけど、ザックリいうと「ボーが母親に会うために飛行機で旅立とうとするんだけど、ずっととんでもないトラブルに巻き込まれて全然帰れない」みたいな感じ。
で、その「とんでもないトラブル」てのが、本当に「想像を絶するとはこのことか」くらい、この世で一番起きてほしくないことの全てが鬼連荘で押し寄せてくる。
特に最初の15分くらいまでの"リアルに想像できるレベルの嫌なこと"が嫌すぎて、観てる方にもストレスがかかるんだけど、そこを過ぎたらもう面白く思えてきて見れてしまう。
見ながらずっと「これは幻覚なのか夢なのか現実なのか…」と思う。
慣れてきたころには「とんでもない文学作品なんちゃうか」と思えてくる。
徐々にボーの口調が幼げな理由も分かってきて、なんとか救われないかと思ったし、一瞬「救われるのか?」と思う瞬間もあったけど、やっぱり直後に一番最悪な結果になって終わった。
個人的には、ミッドサマーよりキツかったなぁ。
これを「意味わかんねーwおもろw」って見れる人は、きっと幸せな、少なくともマトモな親に育てられたんだろうなと思ってしまう。
初めてホドロフスキーの映画を見た時と同じような衝撃を受けた。
寺山修司が見たら、きっと5本くらい新作が出来るよ。
始まってすぐに「大掛かりな舞台みたいな演出だな」と思ったけど、その舞台っぽさ、お芝居、物語、ハリボテ、演技、嘘、虚構、ていうのが、テーマとしてずっと最後まで流れていた気がした。
気軽に人に勧めることは無いけど、私個人の好みで言うと、かなり好きな映画だった。
「アリ・アスターとホアキン・フェニックスの組み合わせ」と聞いて期待するもの以上の素晴らしさだった。
あと二回ぐらい観ると思う。