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20歳の夏休み全部使って日本一周してみた(26:本部)

第26日目

タイトルの地名は「ほんぶ」ではなく「もとぶ」です。本日は16時40分までフェリーでの移動ですので、いつもみたいに「何時の何に乗ってどこへ行きます」みたいなことは書くことがありません。途中いくつかの島に寄港し、沖縄本島を目指す1日です。

最初に目が覚めたのは、確か朝の5時半過ぎたあたりの頃。この旅を通して早寝早起きが徹底的に習慣化されたために、この時間に目が覚めてしまいます。もう空は明るくなり始めており、船は最初の寄港地である、奄美大島の名瀬(なぜ)港に着岸しようとしています。ここはまだ鹿児島県です。というか沖縄本島までの最後の寄港地である与論島までずっと鹿児島県です。

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船の中には微弱ですがwifiがかろうじて飛んでおり、ロビーに行けば問題なく明日以降の旅程を調べることができてました。ずっと海の上にいるので、波に揺られて加速減速が常に起こっているわけで、常に自分に慣性力が働いているため、船を降りてから数時間は何か揺れているものに乗っているような感覚でした。フェリーは直接沖縄・那覇港に行くわけではなく、奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島、沖縄・本部港と寄港して最終的に那覇に到着する航路をたどります。

今回、あえて那覇まで行かず、本部というところで下船する理由はいくつかあるのですが、1番の理由は那覇に飽きたことが大きいです。大学生になってからすでに春先に2回沖縄に訪れており、修学旅行の時も沖縄はいつも那覇から始まりました。そこで那覇以外から始まる沖縄旅行を経験してみたいと思うようになり、せっかくフェリーで鹿児島から来るのなら本部で降りようということになったのです。また、本部の近くにある古宇利島という島と本島を結ぶ古宇利大橋というのも一眼みたいからでもあります。一つの長旅だからこそできる「比較」という行為を、この古宇利大橋と先日訪れた山口の角島大橋にも当てはめて比較できると思います。

ということで、ずっとごろごろして22時間半かけて沖縄を目指します。いつもだったら飛行機から見て「あれが与論島か」とか騒いでいる島が、実際に窓のすぐ向こうに見えてくるのだから、とても新鮮です。確実に海の青さが透き通った色に変化していく様も面白かったです。途中、カメやトビウオなどの生物も窓から目撃することができました。寄港する度に、その島から輸出入する貨物の移動が行われていると思うのですが、その関係で一度港によると30〜40分はそこから動き出しません。本当にゆっくりゆったりした船旅です。

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船の中での食事はレストランに行けば600〜800円払うとカレーや牛丼、ハンバーグ定食など食べれますが、やはりカップ麺しか勝たんということで健康に悪いのは重々承知でカップヌードルをいただきます。(だが、これがうまい)

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16時20分ごろ、本部港に着岸準備をするアナウンスが入りました。やっと着いたかと思って荷物をまとめ、下船する準備をします。周りの乗客は、途中寄港した島で次々に降りて行き、たまにその島からの新しい乗客も乗ってくる感じでした。つまり、鹿児島から沖縄まで通しで乗る客は少なかったように思います。車がある人ならフェリーを使わざるを得ませんが、徒歩旅客が鹿児島から沖縄に行く時にフェリーを使うことは選択肢として考えにくいということです。

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到着した本部港からは歩いて30分ほどの瀬底島という島に渡ります。本部半島の隣にある小さな島でその島にあるゲストハウス「かふぅ村」という宿を予約していました。島に入る橋を渡る手前にコンビニがあったのですが、そこで夕食を買わない選択をしたのが間違いでした。Googleマップ上では営業していると表示されている島内の飲食店はほとんど閉まっており、結局立ち寄った商店で菓子パンを買ったのですが、その店のオーナーの人も、ほとんどコロナで閉まってるよ、とのことでした。常に鼻歌を歌ってレジ打ちしている感じが沖縄に来たなという旅情を出してくれます。

ゲストハウスの様子は非常に東南アジアに似ていました。僕は一度高校の研修でベトナムに行って、ど田舎でホームステイしたことがあるのですが、そのホームステイ先のシャワー室を完全再現したようなシャワー室で感動を覚えました。決して清潔とは言えないのですが、沖縄とはこういうところだと言うのを身を持って体験できましたし、僕自身ベトナムの経験があるので、そこまで抵抗感はなかったです。

ゲストハウスに泊まっている方々と夜遅くまでいろんなことを話しました。今自分たちがしている旅がどういうものなのか、なぜここにいるのかという話から人生について、死について、就活・勉強についていろんな話をしました。旅先でするこのような話はいつも東京でしている時の受け取り方とまた一風変わった感受性を持って接することができるように思います。この宿を選んでよかったなと思いましたし、また瀬底島に行きたいと思いました。

話をしていて印象に残っていることがあるので、この気持ちを忘れないためにも書き残しておきたいのですが、今自分がやっている日本一周の旅を経験した自分と経験しなかった自分がいると考えた時に、経験した自分の方が「何か」に出会えると思いませんか。その「何か」が何なのかは自分でもわからないですし、旅をしていて既に出会っているかもしれないし、今がその瞬間かもしれないし、今後出会うかもしれません.その正解のない「何か」と出会うためには、何らかの行動、アクションを起こしておかないと行けないことはいく前からわかっています。若い今だからこそ出会える「何か」のために、これからも旅を継続します。

ぶっちゃけ25日以上も連続して旅をしていると、例えば沖縄に着いた時に「沖縄に着いた!」という感動は次第に薄れていきます。その場その場の特有な旅情というものを常に供給してもらわないと、今自分が旅をしているということさえ忘れてしまう瞬間だってあります。しかし、この感情もこの旅に出ていなかったら味わえないですし、人生で味わう経験も数少ないことでしょう。貴重な今を生きることの再確認を、若いながらにして人生経験の豊富なお二方との話を通して、できたと思います。

夜23時を回った頃、泊まっている建物の屋上(といっても2階ですが)、そこから沖縄の満点の星空を見ることができました。月が満月に近く、比較的明るい空らしかったのですが、目が暗さに慣れてくると目を凝らせば凝らすほど、数え切れないほどの星が見えてきて、人生でこういう体験は初めてだったので、これを見にきただけでも本部で下船した価値があったなと思いました。那覇の方、本島の南部は普通に街なので夜空を見上げても、このような星を観察することはできません。流れ星も運良く見ることができて、素晴らしかったです。

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こんな感じで沖縄1日目は終わりです。途中、瀬底島を歩いていて、道端にヤギが売られているのを見て、まだ自分の知らない沖縄県の奥深さを味わったのが、今日の最大の驚きです。明日の夕方には飛行機で九州に戻りますが、たったの24時間くらいの滞在でも、もっと沖縄の沖縄らしさに浸かることができるように日本最南の県を満喫したいと思います。

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