たぬきの親子

~たぬきの親子見聞録~ Japanの本州の端っこあたりに生息するたぬきの親子による見聞録

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~たぬきの親子見聞録~ Japanの本州の端っこあたりに生息するたぬきの親子による見聞録

マガジン

  • タヌキの親子見聞録 ~高野山編~

    和歌山県高野山から奈良県吉野・飛鳥を巡り、姫路城へ  たぬきの親子、ハードスケジュール旅を行く Apr.2024

  • タヌキの親子見聞録 ~島根県三瓶山編~

    島根県大田市にある三瓶温泉を目的に国立公園三瓶山界隈を巡る。 Aug.2023

  • タヌキの親子見聞録 ~東北旅編~

    Jul.2023 山形県~宮城県~岩手県を巡るたぬきの親子日月抄

  • タヌキの親子見聞録 ~萩往還編~

    萩往還とは、江戸への参勤交代での御成道として開かれた、日本海に面した萩城下町(萩市)から瀬戸内海の海港・三田尻(防府市)までを結ぶ、全長約53㎞の街道。たぬきの親子による歩破記録。

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タヌキの親子見聞録 ~高野山編~ 外伝

    • タヌキの親子見聞録 ~高野山編⑥~大阪~兵庫(姫路)

      第1章 子ダヌキたちの夢の都大阪から姫路へ  飛鳥駅から1時間半ぐらいで大阪駅に着いた。電車の乗り継ぎは、母ダヌキも子ダヌキたちもちんぷんかんぷんで、父ダヌキの背中を一生懸命追って行くしかできない。父ダヌキは、迷いなく乗り換える先の乗り場へ歩くので、その点は本当にすごいと、タヌキたちは尊敬していた。  天王寺駅で200円ぐらいしか運賃を払わないのに、あと10駅先でようやく大阪に着くと聞かされて、 「山口だったら200円じゃ2駅3駅ぐらいしか乗れないんじゃない」(そんなこと

      • タヌキの親子見聞録 ~高野山編⑤~奈良(飛鳥)

        第1章 飛鳥駅で腹ごしらえ  近鉄吉野線の吉野駅から約40分電車に揺られて飛鳥駅に到着した。天気は灰色の雲が浮かんでいて青い空が見えないが、傘はいらない空模様だった。  飛鳥に到着したのは1時半前で、そこからはレンタサイクルで古墳等を回るため、駅で手早くお昼ご飯を食べることにした。飛鳥駅は、開放的な駅で、冬だったら寒かっただろうが、4月上旬のその日は、曇り空でも温かく、駅舎のベンチに腰掛けて、さっき吉野で購入した「やっこ」の柿の葉寿司と、残っているスティックパン二本を食

        • タヌキの親子見聞録 ~高野山編④~奈良(吉野)

          第1章 青く燃える権現様  吉野の山は、完全にお祭りムードであった。桜の見える展望台から道に出ると、さらに上の方へ道が続いていた。その道の両脇には、だんごや干し芋、焼き栗や柿の葉寿司など、様々なものが売られていた。タヌキ一家も、美味しそうなものに飛びつきたかったが、まずは金峯山寺へ、今だけ見られる金剛蔵王大権現を見に先を急いだ。道の途中、お土産物屋に貼ってあるポスターで、金剛蔵王大権現拝観割引券を販売しているとわかったので、そのお土産物屋でチケットを買った。  様々な美味

        タヌキの親子見聞録 ~高野山編~ 外伝

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        • タヌキの親子見聞録 ~高野山編~
          7本
        • タヌキの親子見聞録 ~島根県三瓶山編~
          2本
        • タヌキの親子見聞録 ~東北旅編~
          5本
        • タヌキの親子見聞録 ~萩往還編~
          10本
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          5本

        記事

          タヌキの親子見聞録 ~高野山編③~和歌山(高野山)~奈良(吉野)

          第1章 メインストリートは外国人が多かった  大門から千手院橋(東)のバス停まで歩いて向かう途中で、大切なことに気が付いた。 「お父さん、宿坊にお参りするの忘れてる」  母ダヌキは、昨年の11月に行けなかったときに、キャンセル料を免除してくれた宿坊にお参りをしようと決めていたのに、雨やバスの時間で急いでいて忘れていたことに気が付いた。 「そうだった。ここからなら根本大塔を通れば近道だから」  と、父ダヌキが言うので、根本大塔に行くと、境内の向こうに、タヌキ一家が宿泊するは

          タヌキの親子見聞録 ~高野山編③~和歌山(高野山)~奈良(吉野)

          タヌキの親子見聞録 ~高野山編②~和歌山(高野山)

          第1章 何よりもだんご  高野山は、今から1200年以上前の弘仁7年(816)に、唐の国で学び、帰国した弘法大師(空海)が根本道場を開いた真言密教の聖地である。紀州半島のほぼ中央、和歌山県に位置し、1000m級の山々に囲まれた山上の盆地に形成されたこの宗教都市は、世界中から人々が訪れる祈りの地であり、世界文化遺産にも登録されている。 「ほとんど外国の人ばっかりじゃん」  高野山駅から出て、コインロッカーに荷物を預けようと探していると、我先にと、コインロッカーを求める人たち

          タヌキの親子見聞録 ~高野山編②~和歌山(高野山)

          タヌキの親子見聞録 ~高野山編①~和歌山(高野山)

          第1章 タヌキの親子 紅葉を見て泣く  世の中が新型コロナウィルスの流行前に戻ろうとし、タヌキの親子たちの周辺も、以前のままとはならないが、中止されていた学校行事が復活するなど、多くの人達が集まって賑わうことが多くなってきた。タヌキ一家も、令和5年7月の東北、8月の三瓶山に続き、11月には、紅葉真っ盛りの高野山へ、土日を利用して旅する予定であった。計画は、三瓶山後の9月に思い立ち、高野山のお寺に泊まるべく、宿坊探しをおこない、紅葉シーズン真っ盛りに、運よく宿坊の予約にあり

          タヌキの親子見聞録 ~高野山編①~和歌山(高野山)

          ドラえもんが本当にいたら

          もしも ドラえもんが本当にいたら どこでもドアを出してもらって ガザ地区へ暖かいおむすびを届けてあげたい   もしも ドラえもんが本当にいたら タイムふろしきを出してもらって 壊れた建物や死んだ人をもとに戻してほしい もしも ドラえもんが本当にいたら のび太の部屋からタイムマシンにのって過去に行き 仲が悪くならないように話し合えるようにしたい だけど ドラえもんは本当にいないから 私たちは瞬間移動も死んだ人を生き返らせることも 過去に戻ってやり直すこともできない だから

          ドラえもんが本当にいたら

          タヌキの親子見聞録 ~俵山温泉(山口県長門市)

           2023年も終わろうとしている12月29日、タヌキ一家は何か物足りなさを感じていた。クリスマス前に急激に冬がやってきて、年末になってまた穏やかに晴れてくると、  「あぁ~高野山行けなかったからどこか行きたい!どこでもいいから行きたい‼」  と、むずむずと旅に出たがる母ダヌキの虫がおさまらなくなって騒ぎ出した。実は、今年の11月に高野山に修業を兼ねた宿坊に泊まる旅を計画していたのだが、弟ダヌキインフルエンザ罹患のため、キャンセルを余儀なくされたのだ。旅行に行く予定だった日は、

          タヌキの親子見聞録 ~俵山温泉(山口県長門市)

          six-frame comic strips Nov.2023

          six-frame comic strips Nov.2023

          タヌキの親子見聞録 ~島根県三瓶山編②

          第1章 わくわく三瓶温泉  天明年間(1781~1789)の開湯で、中国地方最大の湧出量を誇る「三瓶温泉 国民宿舎 さんべ荘」は、含鉄泉で、34.8℃の源泉温度をそのまま味わえる露天風呂もあり、温冷交互浴がおすすめとされている。また、この地は日本一の星空とも言われており、その星空を眺めながらの入浴もおすすめということだ。タヌキ一家が到着したのは、午後5時頃で、平日だったので人は少なめだった。駐車場に着くと、鉄泉独特のにおいが漂っていて、駐車場わきに流れ出ている温泉水を触る

          タヌキの親子見聞録 ~島根県三瓶山編②

          タヌキの親子見聞録 ~島根県三瓶山編①

          第1章 ご褒美にサウナに行きたい‼  今回、タヌキ一家は、子ダヌキたちの夏休みの終わる前に、お隣の島根県にある三瓶山の北の原キャンプ場で小型ケビンを借り、一泊二日で小旅行を行うことにした。前回、タヌキ一家にとって久しぶりの県外への旅、初東北旅を終えたばかりで、なぜまた旅に出るのかというと、子ダヌキたちの東北旅への不満からである。東北旅を計画している段階で、子ダヌキたちは一つも自分たちの楽しみのある旅でないと、行く前から不満がいっぱいで、「はいはい、仕方なくついて行ってあげま

          タヌキの親子見聞録 ~島根県三瓶山編①

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編⑤~ 岩手(盛岡)

          第1章 BAERENに行こう  盛岡駅には午後7時頃到着した。いつまでも暑い日で、駅前の地下道を通って今夜の宿泊先へ向かう足も、暑い空気の中重くてなかなか上がらなかった。 ホテルにチェックインして、ウェルカムドリンクを貰って部屋へ向かう。本日で3日目なので、もうウェルカムドリンクを貰えるのが基本と思いつつある子ダヌキたちは、手慣れた調子で飲み物をゲットしていた。子どもは順応性が高い。母ダヌキのほうが、ウェルカムドリンクの出る機械が少し違うだけで手間取って、子ダヌキたちに

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編⑤~ 岩手(盛岡)

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編④~ 岩手(花巻)

          第1章 宮沢賢治のふるさとへ  花巻駅には午後0時20分頃到着した。電車に乗っていると、途中から高校生ぐらいの学生が、何の競技かわからないが大勢乗車してきた。花巻と言えば、大谷翔平がいた花巻東高校が有名だが、目の前の席に座っている男の子は、花巻東と書いてある紫色のユニフォームをきている。しかし、髪型等から見ると、どうも野球部ではないようであった。父ダヌキは「サッカー部じゃろ」と言い、母ダヌキは「ラケットケースをリュックの外に持ってなかったから、卓球部」と後に自分たちの推理

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編④~ 岩手(花巻)

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編③~ 宮城(仙台)~岩手(平泉 中尊寺)

          第1章 牛タンよりポケモン  仙台駅には午後6時半過ぎに到着した。この旅で立ち寄った駅の中では、一番大きな規模の駅だ。木曜日の夕暮れになるかならないかの境目の街に、大きなリュックを背負ったタヌキ4人が、あたりをキョロキョロしながらエスカレーターで駅から降り立った。今晩の宿泊先のホテルがある方向へ父ダヌキに先導されて、兄ダヌキ、弟ダヌキ、母ダヌキがついて行く。駅をすぐ出たところには、24時間オープンのマクドナルドもあり、「ポテト食べたい」と条件反射のように兄ダヌキがぼそりと

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編③~ 宮城(仙台)~岩手(平泉 中尊寺)

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編②~ 山形(山寺)

          第1章 最高なお出迎え  出羽三山神社から旅行1日目の宿泊先に着いたのは午後6時前だった。朝から歩き通しで、しかも超いい天気だったので、干からびる寸前でホテルになだれ込んだ感があった。「当ホテルでは、ウェルカムドリンクをご用意していますので、どうぞご自由にお召し上がりください」と、ホテルの人が干からびそうなタヌキをかわいそうに思ってか、声をかけてくれた。受付の右手にある食堂のようなところに、様々なジュースや今流行の飲むお酢や、日本酒やウォッカなのどの洋酒が用意されていた。

          タヌキの親子見聞録 ~東北旅編②~ 山形(山寺)