『案外悪くない』
先週の金曜日。
息子の保育所の発表会が無事に終了した。
息子のクラスの男子が5人。
発表会では、三代目J Soul BrothersのRYUSEIを踊った。
息子はセンターポジションではなかったが、素晴らしいランニングマンを魅せてくれた。
練習の時から他のクラスの先生から褒められていた様子だが、本番も臆することなく誰よりも膝を曲げ良い形のランニングマンを披露していたと思う。
これは親バカだからではない。
本当にそうだった。
他の子が手を上げてただジャンプをするランニングマンをする中、息子だけが膝を曲げてランニングマンをしていたのを、この目でハッキリと見た。
そういえば、今の時代の学生達は創作ダンスが必須科目になっているとか…。
これは、私達GLAY・L'Arc~en~Ciel世代には無かった必須科目だ。
私が中学の時はバレーやバスケ等、高校の時は、女子は平均台、男子は柔道が必須科目だった。
これは、それぞれの学校で違うのだろうけどもダンスのダの字なんて学校の授業でやらなかった。
やはり、時代は変わってきている。
高校の時の学校祭では3分間の寸劇を作り、山車を作ったり衣装を作ったりして仮装をするというイベントがあった。
私は手先が不器用だという自負があったので、率先して3年間演技係をした。
クラス全員でお題を決め、演技台本を書き配役を決め3分間に収まるようにまとめる。
そして、演技指導をするいわば監督役と助監督、そして音響等も決めるような役だった。
3年間の総評でいうと、演技係になる人は少し悪い系の人が多かった。
『残ってる係でいいわ。』的な。
いわば、寄せ集め。いや、余り物達だ。
私はその中で3年間共に演技係リーダーに任命(自動的)をしていた。
1番ツラかったのは、やはり最後の年。
3年生ということで賞をとりたいと他の人は力を入れていた為、放課後残って一人演技台本を書くもダメ出しされという日々が、何十回と続き泣きそうになっていた。
そんな時、とても頼りになったのが私以外の演技係の輩達だった。
隣のクラスの悪い連中を引き連れて、隣のクラスの台本にも目を通してアドバイスをしたり、肝心な自分のクラスの台本をなかなかOKしてくれないクラスメートの冷たい態度に心が折れそうになっていた私に
『○○さんはどう思う?』
『俺達バカだから意見欲しいんだょね。』
『○○さんばっかり台本直して可哀想じゃね?』
『俺ら、抗議してこようか?もっと協力しろって?』
『俺はこれでいいと思うよ!!これで文句言ってきたら、じゃあお前ら書いてみろよって言うわ!!』
等と優しい言葉をくれていたからだ。
私のツラかった学生生活に光をくれたのは、もしかしてあの輩たちかもしれない。
と思うくらい優しく感じた。
結果は見事賞をとれた訳だが、賞なんかよりも大切なことがあったから結果なんて正直どうでも良かった。
合唱コンクールなんかでも、その輩達にアドバイスを求められたりした。
『俺らのクラス、全然声出てないからさ。○○さん、ちょっと歌ってみてよ。みんなの前で。そしてアドバイス頂戴!!』
と思わぬ無茶振りを仕掛けられた事もあった。
が、私は歌が好きだったし、声の大きさには自信があったので隣のクラス全員の前でピアノに合わせてソプラノパートを歌ってみると…
『○○さんひとりで歌ったほうが音量デカくね?それもなまら上手いし!!マジありがとっ!』
とか言われて、驚いた。
もちろん、同じクラスの輩達にも
『ソプラノパート○○さんの声しか聞こえなくね?』
『俺ら男も負けてられねぇわ!!』
とか言われたりして。
ちょっぴり嬉しい気もしたが、輩達とつるんでいた(輩グループに想いを寄せている人がいる)方々には、かなり白い目で見られた。
見事合唱コンクールでも賞をとったのは言うまでもない。
何が言いたいかというと……
努力は報われるという事。
そして、必ず誰かは見ていてくれている。
という事だ。
高校時代。
私は本当に学校が嫌いでどうしようもなかった。
とりあえず高校だけは卒業しなさいという両親や祖父母の言葉を胸に、中学時代の楽しかったグループの子達と学校や科が離れ離れになってしまいながらも、高校にだけ通っていただけだった。
新しく出来た友達に会いにいくだけ。
勉強を聞くだけ。
聞いた勉強を確認する為にテストをするだけ。
そんな毎日だった。
だが、頑張って何かを真剣に取り組めば誰かしらは必ず見ていて、味方になってくれているということに気付けたし、案外悪い輩たちも根が優しいという事に気付けた。
もちろん友達も応援はしてくれていたし、アドバイスもくれたりしていた。
息抜きにカラオケに行ったり、誰かの家でバカ話をしたりした事もあった。
学校祭の前の準備期間ってのは本当にイライラした女子が多かったので、猫撫で声で中途半端に男子に媚びるグループや、禁止なのにルーズソックスを授業中ではなく休み時間にこっそり履くギャルグループに目をつけられたりしたけども、
自分の得意な事を披露してみたり、自分のやりたい事に立候補したりして、少しの努力と勇気で他の人の自分を見る目が変わったと感じた瞬間
学校って案外楽しいかもしれない…と思えた経験だったのを覚えている。
今もきっと学校のイベントとかでつらい目にあっている人。
私みたいな経験がある人って結構いると思う。
あと一歩踏み出して、あと一歩勇気を出して、自分の長所を伸ばしてみたら一気に人の見る目が変わってくるかもしれない。
実際の所は表裏一体の危ない賭けかもしれないけど。
でも、これだけは言える。
人間、悪い人ばかりじゃないから、きちんと見極める事。
写真は、発表会の息子。
格好良い衣装じゃん(・∀・)
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