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水上と水中

ニュース番組でアーティスティックスイミングのアジア大会の映像が流れていた。
(競技名称がシンクロナイズドスイミングからアーティスティックスイミングに変わっていたことはこの時知った。)

僕は普通に泳ぐことさえ苦手だ。
なので、アーティスティックスイミングを見ていると、その繊細な動きに驚かされる。

足もつかないプールで自在に上昇したり下降したり旋回したり。それもチームメイトと息ぴったりのタイミングだ。
ひょっとするとひれの一つや二つ生えているのだろうか。そう思ってしまうほどに、水上の彼女たちは優雅で繊細で美しく、その演技に魅せられる。

一方で、水中のカメラが捉えている彼女たちの姿は、水上でみるそれとは印象がガラリと変わって僕には見える。足をバタバタさせ、手を力強く振っている。一心不乱に泥臭くがむしゃらに力を振り絞っている印象を受ける。
そのがむしゃらな様子に彼女たちが積み重ねてきた努力を連想させられる。
厳しい演技指導や筋トレや食事制限などとてもつらいことをきっと乗り越えてきたのだろうな、と。

表のパフォーマンスと裏の努力。

他のスポーツやエンタメでも表の華やかなパフォーマンスの裏には並大抵ではない努力があるはずだ。しかし、なかなか我々が簡単に覗けるものではない。
しかし、アーティスティックスイミングにおいては、水上と水中という二つの位相がこれらを同時に表現している(ように見える)。
そんなところに僕はこの競技の魅力を感じる。

ところで、昔のドラマ「ウォーターボーイズ」で観客の方々が「シンクロ!(拍手)シンクロ!(拍手)」とコールしていたけど、リメイクするなら「アーティスティック!(拍手)」になるのかな。言いづらそうだな。

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