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作られ話

 そろそろnoteを始めて一週間が経とうとしている。

 文章を書くのは好きだけど、こんな風に自分のアカウントをもって、それの設定をして装飾をして…ということが面倒で、今までこの手のモノになかなか手が出だせなかった。それがここまで続いているのは、紛れもなくこのサイトの使いやすさが要因だ。ありがとう、noteさん。(媚びを売っておけば、金になるとも聞いたしな・・・)

 そして何より、自己満足のための文章に評価がつくのは、素直に嬉しい。どんな人が読んでくれているのだろう、次の投稿も読んでくれるだろうか。そう思いながら今日もまた、変な話を空想する。こんな記事にハートマークをつける人なんか、よほどのモノ好きなのだろうけど。ありがとう、愛すべき日本中の変人たちよ。

 もちろん、そんな変人たちの文章を読むのも大好きだ。煮詰まってくると、書くことを苦痛に感じることもあるだろうが、私のためと思って是非とも続けてもらいたい。あなたの「みんなが待っている」という感情は、決して自意識過剰なんかじゃないから。

 ただ気をつけて欲しいこともある。匿名で届くアイディアを安易に採用するのは、避けたほうがいい。どうしても書きたい内容ならば、私が止められる義理ではないが、それでも気をつけて貰いたい。

 noteに投稿を始めるよりもさらに前のこと。私のもとに非通知で1本の電話がかかってきた。知らない番号と非通知からの電話は取らない主義の現代っ子を自負しているが、その時は何故か気になって、少し考えてから応答した。

「はい、もしもし炭酸水です。」

 律儀に名前まで告げる私は、純朴の塊、さながら現代によみがえるメロスの気分だったよ。それなのに相手方ときたら、無言のまま、一切の音を発しない。しばらく問いかけてみたが、結局一言も交わさないまま電話は切れてしまった。電波のせいかと思ったが、掛け直そうにも非通知だ。

 それからいくら待っても、改めて電話がかかってくることはなかった。その代わり、その電話のすぐあとに、私の頭の中には膨大な量のアイディアが湧いてきた。まるで誰かが私に語り掛けてくるように。全く詳しくない分野の話や聞いたこともない世界のことなど、ジャンルを問わず、次から次へと文章が浮かんだ。

 noteに掲載した記事にも、そこから頂いたアイディアのモノがいくつかある。随分前の話だが、マニアが聞けば知っているような名前で出した短編物も、頭の中の声に従って書いたモノだ。

 例の電話が関係しているのか、これが真に私の才能なのかはわからない。ただ一つだけはっきりとしていることがある。その時から、ずっと誰かの視線を感じているのだ。被害妄想か、失調症かと自分でも疑い続けていたが、気にしないようにしていても、何かの存在を感じずにいられなかった。そして最近では、視界の端に見えるようになった。

 私の書いた物語の登場人物たちが、はっきりと。

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