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フグタ社長業務日誌【怒涛の後編】『久しぶり』

このシリーズは2007年9月~2008年9月までの1年間にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。
※5月からは後編となり、9月退任までの慌ただしい動静を追いかけます。さてフグタ社長の命運はいかに・・・?。(巻9は自2008年6月1日~至7月31日・2箇月分)

フグタ社長業務日誌(巻9-3):6月25日(水)

 北海道洞爺湖の世界先進企業会議(通称サミット)まで、2週間を切った。
 今回の会議の幹事会社であるわが社を取り巻く経営環境は決して好転したとはいえないが、それはそれなりに(つまり、社長責任を問われるほどの大きな問題も起こらず)推移している。
 私としては、私の手には負えない重要課題はすべて先送りしたし、部下に押し付けられる案件はすべて放り出してある。悠々自適だ、ふふふ。

 今週は月曜(23日)沖縄出張。昨日火曜は久しぶりにステーキハウス「紀尾井町桂」に行って、秘書たちと食事。
 今日は朝からこまごまとした用事を済ませて、久しぶりに歯医者へ行く。南青山のヨロズヤさんのところ。今年になってから一度も行っていないので怒られた。
 歯医者を終えて、内幸町の帝国ホテルへ。久しぶりに日本料理店「なだ万」でマグロの先生たちと食事。秘書見習のイトウも同席させてやる。

 午後8時10分、帝国ホテル発。同17分、社宅着。8時半から同50分まで、米国のブッシュ社長と久しぶりに電話。ブッシュさんは今期で引退するので、サミットはこれで最後。「ミスター・コミズミは洞爺湖に来るか?」と馬鹿な事を聞く。
 来ないと答えると、「じゃあグローブは持っていかなくていいね」とジョークを言ったが、少し寂しそうだった。

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注:
2001年、小泉首相は就任後初の訪米で、ブッシュ大統領とキャッチボールに興じた。「大統領からのボールのプレゼントは予定通りだったが、投げたのはアドリブ」だったらしい。大統領は「小泉首相は私がキャッチボールした唯一の指導者だ」と語り仲良しぶりを見せた。
2007年12月、福田首相はこれを真似て中国を訪問した際、温家宝総理と野球の練習をしてみせた。福田首相は小学生時代、野球に親しんでいた。しかしポジションは捕手、バシッとストライクを決めるのではなく、決められてしまうタイプである。外交の道具立てとしてはいかがなものか・・、という気もする。
※『フグタ社長業務日誌:久しぶり』は、ブログ『tanpopost』に2008年6月26日 付けで掲載したものです。

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