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フグタ社長業務日誌『UFO未確認』

このシリーズは2007年9月~2008年9月まで1年にわたる、福田康夫総理の「首相動静」を基にしたフィクション(パロディ)です。※巻3は自2007年12月1日~至12月31日。

フグタ社長業務日誌(巻3-12):12月18日(火)

 一生懸命仕事をしているフリをしようとしているのか、社内の各部署があちこちでプロジェクトを立ち上げる。そのため、本来の業務時間内で収まらず、始業前の早朝会議が増える。社員が勝手にやっている分にはいいのだが、社長も出席してくれといわれると、ほとほと困る。

 昨日(12/17)の朝は、8時42分から同57分、「生活安心プロジェクト」に15分出て、その後「守衛室改革会議」同59分から同9時2分まで3分間出席。ほんとに顔を出すだけだ。今朝も8時11分から「ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議」に出て、その続きで「子どもと家族を応援する日本・重点戦略検討会議」に出席。挨拶するだけだから、何をやっているのかほとんど分からない・・。

 朝からくそ忙しいのに、訳がわからんといえば、「UFO問題」である。
 万寿堂さんから、わが社自慢堂では「UFOを扱っているか」という問い合わせがあった。正式な質問主意書がついていたので、わざわざ取締役会で「取引を確認していない」という公式見解を文書の形で出した。

 午後6時38分から同42分まで、業界紙のインタビュー。
 「万寿堂からUFOに関する質問が出た。自慢堂としては『確認してない』との答えだったが、社長の考えは?」
 「まあ、そのご質問であれば、わたしはまだ確認してません」

 ただ、社長室長のマチムラ君は、「公式見解は公式見解であり、私は個人的には、こういうものは絶対いると思っております」と、いつもとは違って妙にこだわる。ひょっとしてマチムラ君、宇宙人かしら・・。

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注:
民主党の議員が「UFOについての認識」を政府に正式に質問した。担当した文部科学省は「こんな答弁書は初めて」と困惑した。結局政府はUFOの存在を確認しておらず、情報収集や研究も行っておらず、対応についても「特段の検討をしていない」と答弁した。
ところが官房長官が「個人的には絶対いると思っている」、防衛大臣が「UFOはいるかもしれない」と発言したことで、ちょっとした騒ぎとなった。
海外でもロイター通信、AP通信、AFP通信などが「UFO論議」を伝え、BBCニュースは「日本政府にはエイリアン襲来の対応計画がないことが明らかになった」と報じた。
もっとも世間の見方は「年金問題から話をそらすためか?」「こんなことを閣議で話してるとは・・」「未確認内閣だね」などと冷ややかな意見が多かった。
・・・と、ここまで読んでこれもパロディか?と思われた方もいるかもしれませんが、この注の話は本当にホントです。
※『フグタ社長業務日誌:UFO未確認』は、ブログ『tanpopost』に2007年12月18日 付けで掲載したものです。


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