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10月2日 お香で整う

さて昨日宣言していた朝活だが、見事に心地の良い二度寝をしてしまい結局布団から起き上がったのは9時30分。

三日坊主にも及ばず初日から出鼻をくじかれてしまった。敗因は夜中三度に渡るお花摘みタイム。まだギリギリ二十代であるというのに、先が思いやられる。おそらく寝る前にお水を飲みすぎたのだろう、と思いたい。

しかし一日を振り返ると、なかなか健闘した日だった。午後からアルバイトの面接があったので、午前中は簡単な掃除と作業に身支度、面接後は買い物に行くという流れだった。帰ってきた後は買い物でかなり歩いたせいもあり、一時間ほど眠った。

夜ご飯はバナナとゼリーという風邪を引いた時のような内容だったが、お昼ご飯が16時だったのでしょうがない。お腹が減る前に寝るとしよう。

そして今日一番嬉しかったことは、初めてこの家でお香を焚いたこと。香彩堂さんの「墨香」という桐箱に入ったお香を一本取り出し、火をつけ真鍮製のお香立てにそっとさす。

夕日も沈み、暗がりになる直前。
静かな音楽をかけながら、お香の小さく灯る火の行方を目で追う。渦巻く細長い煙がゆらゆらと舞う。

不思議な感覚。言うなれば、サウナ後水風呂に入り外気浴をした時の整う感覚だった。「今」に集中しているからだろうか。胡座をかき目を閉じてみる。優しくてでも頭をすっきりさせるような香りがゆっくりと体を包んでいくのがわかる。

暫くして目を開けると、一本のそのお香はもう役目を終えようとしていた。灰がぽとんと音もなく受け皿に落ちる。そして小さくて赤い光がそっと消え、残り香に思いを馳せる。

おそらく15分程度のことだったと思うけれど、私一人の贅沢な時間だった。毎日のルーティーンにぜひ組み込みたい。

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