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【テキスト版】中編:美味しい和紅茶はこうやって生まれる。でも「美味しいだけ」では始まらない!

中編では、美味しい和紅茶はどのように作られるかを詳しく解説。ですが、和紅茶を広めていくには「美味しいだけではダメ」と花水さんは語ります。広めるための多彩な活動とは?そして花水さんの忙しさゆえの課題とは?

話し手:花水理夫(さしま茶 長野園 茶園管理責任者、茶師)
聴き手:佐野匠(編集・ライター・フォトグラファー)

さしま茶 長野園 https://www.naganoen.com/
通販サイト https://chabaco.com/
茶cafe&shop chabaco https://www.naganoen.com/shop

インタビュー音声は、こちらからお聞きいただけます

文字起こし:吉成 美里/にっこりデザインラボ Graphic Designer & Photographer

製造設備と技術は、紅茶と緑茶で異なる

――前編で、既にすごいたっぷり話していただいてるんですけど、まだまだ終わりじゃないですもんね。

花水さん:ヤバいっすよねぇ、ちょっと。もう飽きてるんじゃないかなぁ(笑)。

――でも、まだだって、まだ入口の、入口じゃないですか(笑)。

花水さん:ははは(笑)。終わりません。

――終わりません。しかも多分、今回話いろいろ伺っていて、ここをもっと掘ったら出てくるんだろうな、っていうのはちょこちょこありつつも、多分掘り進んだら終わらなくなるぞっていうのもありつつ、この間それこそ買いに来た時に、ティーポットによっても味わいが変わるみたいな話とかも伺って。

花水さん:そう。変わるんです。

――ってなったら、多分お茶の葉っぱとかだけじゃなくて、焼き物の産地の話とかになってくるじゃないですか。
ってなったら、なんかもうね、沼としてもすごいし、その紅茶ワールドの広さと深さたるやですよ。

花水さん:そうですね。あんまりそこ突っ込んじゃうと、入口躊躇しちゃうから。

――そうですよね。やめておこうかな。

花水さん:まずカジュアルに、楽しめるっていうところが大事かな。

――うんうんうん。

花水さん:その先、またそこはじっくり行きましょう、みたいな感じ。

――そうですよね。それこそさっき教えていただいた、一番シンプルな淹れ方。あれだけ覚えちゃえば、美味しい紅茶飲めるよねっていうことだと思うんで。

花水さん:そうですね!はい。

――で、淹れ方はわかりましたと。で、美味しい紅茶そのものって、どうやって作られてるんだろう?っていうのをちょっと伺いたいなと思いまして。
多分、あんまりみんな知らないんじゃないかなと思うんです。紅茶の製造プロセスとか。

花水さん:そうですね。確かに。

――大きく分けると、地理的な話と、生産者、製造者の話、に分かれてくると思うんですけど、この地域として、畑の中でどんなふうに美味しいお茶の木を育て、育んでいるのかなっていうのをまず伺いたいです。

花水さん:先ほどのお話の中で、緑茶と紅茶っていう話があって、猿島の緑茶ってどういうとこにポイントがありますかって、やっぱり、北限に近いに近いところで、暑さ寒さ、しかも水がないとか夏場はね、そういう環境って、かなりやっぱりお茶の木にとってはストレスになるんですね。

――はい。

花水さん:ただ、紅茶っていうものは、何を楽しむか?っていうと、緑茶と大きく違うのは、緑茶は一般的に旨み甘みを楽しむ傾向があります。で紅茶は、香りを楽しむ。というところから、環境による茶樹へのストレスっていうのは、決してマイナスではないんですね。

――うん、うん。

花水さん:まぁ育たなくなるレベルまで行っちゃうと、マイナスにはなるんですけども。

――そもそもね。

花水さん:経済的にやれているっていう中でのストレスっていうのは、かなり紅茶には良くて。
プラス、緑茶と紅茶で、例えばうちの茶園の中で、緑茶も紅茶も作ってます茶園と、紅茶だけしか作りません茶園っていうのがあるんですね。
で、そこはもう肥料をどれくらい与えるか、どのタイミングで与えるかもすべて変えています。
紅茶の方が、比較するとグンと肥料の量は少なくて、しかも化学肥料を使わない。本当に植物性の肥料だけを使っています。
そこはやっぱり香りっていうところに、最終的に出てくるところなので、そこもずっともう何年も変えてきていて。

――それって、ほどよいストレスはいいってことだと思うんですけど、栄養をあげすぎちゃうと、香りがなんかよく出てこないみたいな?

花水さん:そう。だから緑茶の栽培だと、その旨み甘みっていうのは、基本的にアミノ酸硝酸態窒素っていうのが変質していって、アミノ酸として蓄えられていくんですね。茶樹に。
だけど、そのアミノ酸っていうのは、発酵をどうしても阻害する方向に行っちゃうんですよ。
で、アミノ酸が多い、窒素分が多い茶葉を原料にして行くと、どうしてもの喉どおりの悪さ、青み、えぐみっていうのが出てしまって、それが「国産紅茶って美味しくないよね」って言われる所以で。
だから、最初に言ってた、その本気で作ってる人が少ないっていうのは、あくまでも緑茶のサブで紅茶を作っているから、緑茶仕立ての茶園仕立てをしていて、それの夏の目で紅茶を作るから、基本的にアミノ酸過多って、紅茶の製造においては。

――なるほど!

花水さん:そう。そこが美味しくなるはずが、美味しくならないものができてしまう一番大きな原因になっているんですね。

――そっか、お茶の木の段階で、紅茶仕様になってないみたいな感じなんですね。

花水さん:そうです、そうです。はい。

――なるほど。ハッとしました。納得しました。

花水さん:あと、製造のプロセスっていうところから行くと、緑茶の場合は最初に茶葉を蒸して行きます。まぁその手前か、茶葉を収穫してきて、茶葉を保管する用の箱があって、風を30分に1回とか送って、ちょっと休ませてみたいな感じで、茶葉が熱を持たないようにコントロールをして、そこから蒸していって乾かしていくっていう工程になるんですけど。
紅茶の場合は、最初に茶葉を摘んできます。で、風を使って、今度は茶葉の水分を芯から均一に抜いていきますっていう工程が最初に入るんですね。それが実は一番大事で、その後茶葉を揉んで、発酵させていくんですけど、紅茶の発酵っていうのは、酵母による発酵じゃないんですよ。

――いわゆる、ビール的なああいうのではなく、外部から酵母を入れてとかではなく。

花水さん:ではなくて、酸化発酵なんですね。元々茶葉の中に、酸化発酵酵素っていうのを持っていて、それが酸素と結合することで発酵していくんですよ。なので時間的にはすごく短いんですよ、発酵の時間としては。
一番大事なのが、茶葉の水分をしっかりと均一に抜いていくっていうところで。そこをやっぱり緑茶用の葉っぱを変質しないように使うコンテナを使ってやっているところが多くて、それはやっぱりね、だめなんですよねぇ。

――そっか、その水分の飛ばし方とかが。そっかそこも。

花水さん:元々用途が違うから。

――そうなんですね!そっかそっか。

花水さん:用途が違うものをいくら頑張っても、やっぱりだめなんですよね。

――いくら紅茶っぽいものができたとしても、やっぱりじゃあ最終的に飲んだ時に、これはちょっと違うねって。

花水さん:例えば、こんな例え話でわかるかなって思うんですけど、トラックと、佐野さんが乗っているスポーツカーがあるじゃないですか。

――はいはい(笑)。借り物ですがね。

花水さん:スポーツカーに荷物は乗らないし、トラックは速く走れないじゃない。

――そうですね。適材適所がありますからね。

花水さん:そうそうそう(笑)。なので、使う道具と技術っていうのは、やっぱり紅茶と緑茶は全く違うので、そこの根本をしっかりと理解して、勉強してやっていかないと、いいものは絶対に作れないですよ。満足のいくものは。

――今、長野園さんでは、紅茶と緑茶の比率って何対何ぐらいなんですか?

花水さん:販売金額でいくと、もう半々近くのところまで来てるんじゃないかなぁ。量で行くとまだ紅茶のほうが少ないんですけど。

――そうなんですね。

花水さん:はい。

――その紅茶用のお茶の木があるところは、肥料の与え方も紅茶の与え方になっているし。

花水さん:そうです。完全にそっち側に切り替えています。

――あと乾燥の機械とか、そういうのも紅茶のための紅茶専用機械になって。

花水さん:そうですね。はい。

製造プロセスは、収穫、萎凋(いちょう)、揉捻(じゅうねん)、発酵、殺青(さっせい)、本乾燥

――これ本当、素人の感じ方だったんですけども、紅茶も緑茶も、木は同じじゃないですか。

花水さん:はい。

――製造もだから、延長線上に全部あるのかなーみたいな、すごい浅はかな考え方で捉えてたんですけども、そもそも違うんですね。

花水さん:そうですね。はい。

――ちなみに、紅茶の、収穫してからの製造プロセスって、整理すると、どんな順番なんでしたっけ?

花水さん:もう、専門用語で行くので、みなさんちょっと調べてググって欲しいんですけども。
最初、収穫があります。萎凋(いちょう)という工程があります。
その後に、揉捻(じゅうねん)という工程があります。
で、発酵の工程があります。
最後は、乾燥の工程になっちゃうんですけど、そこちょっとうちでは2つに分けて考えていて、
殺青(さっせい)という発酵を止める工程があって、その後に本乾燥という流れでやってます。

――ちなみにこの工程の中で、一番仕上がりに、特に影響を大きく与えるところってどこですか?

花水さん:萎凋。

――萎凋っていうのはなんですか?

花水さん:萎凋っていうのは、最初に水分を抜いていく工程。

――さっきの、ちゃんと紅茶用の機械で抜かないとだめだよっていう。

花水さん:そうそうそう。

――そこで、誤ってしまうとどういう味になっちゃうんですか?

花水さん:やっぱり、青みとかえぐみが残ってしまうだったりとか、揉捻の工程にいった時に、茶葉が壊れていってしまうだとか、本当にちゃんとしたものにならない。

――そもそも、その後に続いていく工程の、本当の最初のところだからこそ、最初しくじったらもう全部だめだよねみたいな。

花水さん:そうそう。子供と一緒っす。はい(笑)。

――経験があるんですかそれ!?(笑〕

花水さん:いやいや、ないですないです。ないですけど。

――そうですね、初期段階重要ですね。なるほど。

花水さん:そう。

――そう伺うと、さっきの緑茶のサブで紅茶を作っている方の話とかも含めて伺うと、本当に最初の水分を抜いていく工程の重要さって、ああそうなんだなって今思いました。
これ、乾燥と萎凋は、水分は抜けていくけど、違うんですね?

花水さん:萎凋っていうのは、結局、その後の工程をいかにスムーズにするかの前段階の準備なんですよね。

――なるほど。

花水さん:だから、わかんないんですけど、女の人がお化粧、僕はしないけどね、お化粧する時にベースが大事とか、なんでもものづくりってベースが大事じゃないですか。
だからベースができていないところに、いかにも良いものを乗っけても、いいものにはならないんですよね。

――はいはいはい。なるほど。

花水さん:だから下地作りです。

――だからこそ、そこにきちんと気を遣うっていう。

花水さん:うん。

殺青タイミングは五感で決める

――へぇー。
あと、ちょっと気になったんですけど、乾燥って1回止めるんですね。乾燥を止めてまた乾燥を始めるみたいな。

花水さん:そうそうそう。

――これは何か理由があるんですか?

花水さん:殺青と本乾燥に分けてますよっていうのは、殺青の工程っていうのは、発酵をとにかく止めるんですよ、芯からしっかりと。狙ったところでピタッと止めたいので、なるべく高い温度をかけて、時間を短い時間で芯から止めていくんですけど。
その後は、茶葉をじっくり乾燥させていくっていうので、乾燥と一言で言っても、ちょっと目的が違う乾燥になるんですね。

――そっか、発酵を止める乾燥と、あとパッケージの中のパラパラっとした乾燥した、いわゆるみんなが想像するあの乾燥ですよね。

花水さん:そうですそうです。

――それに持っていくかの違い、みたいな。

花水さん:はい。

――そこ、発酵をちゃんと止められないと、思ったような味わいとか香りにならないみたいな?

花水さん:結局発酵が止まらない状態で、その先に行ってしまうとどうなるかって大体想像つくと思うんですけど、止まっているものと止まってないものがいて、そこの発酵度合いが止まってないものはバラバラになって、ちょっと発酵が行き過ぎちゃう。
そうすると、そこもえぐみとかの原因になってくるわけなんですよね。

――そうかぁ。そのタイミングはもう、トライアンドエラーで探って行ったんですか?

花水さん:もう本当に、緑茶は今、結構機械で見てくれていて、水分量とかをしっかり見て、ある程度のものにはなっていくんですけど、紅茶の場合は五感を使ってやっていくしか今は方法がないので。

――じゃあ、紅茶用のセンサー的なものはないってことなんですね。

花水さん:うーんとね、なくはないですけど、今はそういうのを機械メーカーが作り出そうとしてますけど、やっぱりそこは、経験と五感を使ったものとは、やっぱりものが変わってくる。

――へぇー。じゃあそれこそ、発酵を止めるタイミングの時って、まずどういうところから捉えていくんですか?
例えば、五感っておっしゃってるじゃないですか。香りから感じるのか、触ってみてこの温度感なのかとか、あとつまんで感触なのかとか、見た目の変化なのかとか。

花水さん:あぁー。発酵を止めるところでやっぱり一番大事なのは、香りの変化。あと、温度もそうだし、見た目の状態もそうだし、いろんな要素はあるんですけど、全部が複合しているので。

――それこそもう、品種の違いでも、どのタイミングとかっていうのが違ってくるわけですよね。

花水さん:そうそうそう。だからべにひかりは今年、見てもらうとわかるんですけど、どっちかというと割としっかりと発酵させてるタイプの春摘みの紅茶なんですね。
で、在来、Z1に関しては、あんまり発酵行かせてもよくならないので、発酵早いタイミングで、フレッシュさをベースにしているんですけども。
べにひかりに関しては、僕が感じているのは、発酵を高めて行った時の香りとかのバランスがすごくいいなと思ってるので、そのタイミングを狙ってやってたりとか。

――へぇー。

花水さん:それはもう、その土地にもよるので、一概にそうですとは言い切れなくて。やっぱり毎年トライアンドエラーを繰り返しながら、実はこっちが、この子が、こういうふうにして欲しいんじゃないかな、みたいなところから探って行って、今に至るって感じですかね。

――そっか。前にインタビューさせていただいた時に、五感で作るっていうことを伺って、その時何となく捉えていたんですけど、今回お話改めて伺って、そういうことかって、結構深く納得しました。お茶の畑のこととか、肥料のこととか、いろんな機械のことが分かって。その上で、最後五感なんだ、って。
ハッと思ったのが、これ毎年条件変わるわけじゃないですか、育成条件とか。

花水さん:はい。

――それはもうじゃあ、同じべにひかりだけど、今年のコンディション見ながら、このタイミングかな?っていうのを、毎回図っているわけですよね。発酵を止める。

花水さん:そうですね。

――これ、すげぇなぁって思ったのが、基本的に、1種類作るのに年1回じゃないですか。

花水さん:そうなんすよ、そうなんすよ。

――怖っ、って思いました。

花水さん:そうなんすよ。そう、だから、お蔵入りしちゃうロットとかもありますよ。こりゃだめだなぁーみたいなのも、中には出てくるので。

――行けるかなと思って作ったけど、完成品ちょっとなっていう。

花水さん:そうそうそう。

――そっか。じゃあ今は15、16種類あって。

花水さん:はい。

――じゃあ実際はもっと、たくさん実はいろいろ作ってあったわけですもんね。

花水さん:いるいるいる。うん。

――選ばれし者たちが今、お店に並んでいるっていう。

花水さん:そうですね。はい。

製造のこだわりを伝えるよりも、飲み方の提案を

――へぇー、すげぇなぁ、そのトライアンドエラー。一番お茶作りで忙しい時期っていうのは、いつ頃なんですか?

花水さん:4、5、6、7月ですね。

――あぁー。一番ピリピリしている時期ですかね。

花水さん:そう。この時期は。大変です。

――眉間にシワ寄ってんなみたいな感じで。

花水さん:そうですよー、もうパンパンです。

――そうね、すごい、やっぱり。
すごいしか出てこないのが、ちょっとボキャブラリーの少なさが出て申し訳ないですけど、これだけバリエーション豊かに揃えていて、多分それだけ花水さんの中でも、人間としてのセンサーがそれだけ判別してちゃんと分けられて、しかも全部美味しいものになっているんだなぁっていうのを考えると、やっぱクラフトって名乗るだけあるお茶だなぁって。

花水さん:そうですね。それを伝えたいから、伝えて?誰か(笑)。

――伝えます!(笑)
実際、そういうことをやってるって知ってる人少ないような気がしています。

花水さん:でしょうね。だと思います。それでいいと思うんですよ。
飲む方は、実際に出てきたものを飲んで、美味しいなぁって、これ本当にいいなぁって思ってもらうことが大事で、別に細かいところを知っていただくっていうのは、考えながら飲んでいただくっていうのは、そんなに必要じゃないかなぁって思っていて。
僕はどっちかっていうと、そこのこだわりを伝えていくよりも、こういったものと飲み合わせをしていただくとすごく合いますよーみたいな、そういうところに販売面では結構力を入れているんですよね。

――うんうん。パッケージの裏側にも、味の解説はもちろんなんですけど、どういうものと一緒に飲むと美味しいですよとかね、書かれているんですよね。

花水さん:うん。

――これで、次のところもちょっと行っちゃうんですけど、いろんな人に美味しい紅茶を飲んでもらうっていうのが、まずはそれだと思うんですよね。

花水さん:はいはい。

たくさんのお店で美味しく飲まれることが、和紅茶の魅力を知ってもらう近道

――販売の中で、店頭でもやってるし、ネットでも通販も可能なんですけど、花水さんなりにみんなに手に取ってもらう、出会ってもらうために、こういうことを心がけてますよって、ありますか?

花水さん:そうですね。販売面だと、小売りをするものと、卸売りをするもので全く変わってくるんですけど、小売をするものに関しては、それだけ種類があるので、選べないじゃないですか。

――そうですね。

花水さん:なので、プライスカードに必ず「これと合います」っていうペアリング提案を入れてるんですね。
ワインと一緒で、ワインも必ずラベル裏見て、肉料理はどういう肉料理だったりとか、今は割と細かく書いていたりすると思うんですけども、そういうシーンをちゃんとイメージできるような販売をしていくっていうのと、やっぱりこのchabacoで、独自でやっていることっていうのは、テイスティング体験っていうのができるんですね。

――あっ、いいですね。

花水さん:はい。なのでご自分で選んだ何種類かの紅茶を、テイスティングしてもらって、自分の好みの味とか香りを見つけてもらうっていうことが、メニューとしてできるようになっていて。

――うんうん。はい。

花水さん:あと、卸に関して言うと、僕結構、卸すごい力入れてるんですけども、このお店もそうなんですけども、やっぱり紅茶をベストな状態で美味しく飲んでもらえるような卸先を作っていくっていうことが「国産紅茶って実際美味しいんだね」ってわかってもらえる一番近道だ、というふうに思っているので、それは自分の店、この小さい店ひとつではできないことじゃないですか。
なので、卸先さんの料理とかスイーツに合わせて、お客様、実際にエンドユーザーさんが食べて飲んだ時に、トータルとして満足いくようなものを提案していくっていうことにすごく力を入れていますね。

ホテルのシグネチャースイーツに合わせた和紅茶を提案

――そうかぁ。ここでいう卸先っていうのは、例えば紅茶専門店とかもあると思うんですけど、何かお食事とかと一緒に。

花水さん:そうです。ホテル、レストランっていうイメージですね。

――はい。今のお話すごいなって思ったんですけど、そういう卸お願いしますみたいなお話をいただいた時って「御社で提供している料理ってどういうものなんですか?」とか「どういうふうに味わってもらいたいですか?」とか、ヒアリングをして?

花水さん:そこから行きますね。

――へぇー。具体的にどんな感じでやり取りされてたんですか?言える範囲で。

花水さん:具体的には、例えば、ちょっと実名はごめんなさい、出せなくてっていうホテルさんがあるんですけど、そこでホテルのシグニチャースイーツがあって「これと合わせたいです」って言われた時に「わかりました!」って言ったんですけど、食べたことがないじゃないですか。
合わせたいんですけど、食べないとわかんないじゃないですか。

――まぁ、そうですよね。

花水さん:なので、本当にすんごく忙しい時期だったんですけど、一番茶と二番茶の間に1日ぽっかり時間作って、そこまで行って、そのスイーツを買って、帰ってきて、その手前で大体そのイメージで何種類かの茶葉を用意してあって、それのブレンドをこう実食しながら決めていく、みたいな。

――つまり、そのスイーツのためのオリジナルを作って行った。

花水さん:そうです。

――へぇー!じゃあもうそのお茶は、そのお店に行かないと飲めないよって。

花水さん:そうです。

――おおー。それはもう、お茶を作っていく時って、配合して行く時って、もう花水さん自身の舌と感性と、フル動員し。

花水さん:そうですね。はい。

――へぇー。反応って聞いていますか?それって。

花水さん:そこはもう、即決いただいて。それを持って行ってプレゼンさせてもらった時に。

――競合がいたってことですか?

花水さん:いやいや。

――ご指名で?

花水さん:指名でというか単独でだったですけど。

――なんか、すごいなぁって思うのと、面白いですね。あるその一つの目的のための専用の紅茶を作っていくっていう、チャレンジングな感じすごい面白いなと思いました。

花水さん:やっぱりね、いろんなものに合わせて行こうとか思うと、結構無難なものになりがちなので、そこはターゲット1つに絞ることで、よりよくなるっていうことがあるんですね。
で、本当に、今は国産紅茶に関しては、かなり需要が増えてきているんですよ。
それを実感してきているんですけども、なかなかそこまでしっかり提案できるところが少ないっていうのと、あと僕の強みは、実は紅茶って今、抽出の基本をお教えしましたけど、現地の水だったりとか、茶器だったりとか、オペレーションだったりとか、そこで結構変わってくるので、実際に現地に行って、そこまでのお話をさせてもらう時は、先方の淹れ方で1回淹れていただいて、それをベースにして、よりしっかりと、フードとマッチングしていくにはどういう抽出をしたらいいかとか、そこの抽出のアドバイスまでさせてもらえるっていうのが、強いのかなと思ってて。

――それこそ、そこのお店の水道から出てくる水の味わいで、変わってくるわけですもんね。出てくるものが。

花水さん:変わってきます。

――しかも、オペレーションもそうだなって思ったのが、淹れてから出てくるまでの時間とか、どういうプロセスで提供していくのか、それもだいぶ大きな要素ですよね。

花水さん:そうです。だから先方に負担をかけない中で、例えばグラム数で調整していくのか、抽出時間で調整していくのかとか、そこを見ながら、ちゃんと提案ができる。

美味しい紅茶を飲んで笑顔になるシーンを思い描く

――そっか。本当にそこのお店の、そのケーキと一緒に食べると、そのお茶のフルパワーを味わえるみたいな。

花水さん:そうですね。当然、自分のところのものなので、100%満足いくものができてるかっていうと、年による違いもあるし。

――そうか。

花水さん:そう。そこは言い切れるところではないんですけど、それが満足行くところまで持っていけるように、頑張ってます。

――頑張ってますって、サラッといいましたけど、相当、努力されているんだろうなって。
ずっとここで、遠隔で指示出してはい終わりって訳でもないし、現地にも行くことも多いと思いますし、しかもお仕事他にもいっぱいあると思いますし。

花水さん:そうなんですー。

――やっぱ面白いですか?そういうお仕事って。

花水さん:うん、やっぱりそこのイメージができるじゃないですか。ここのホテルのここの席で、こうスイーツを召し上がって、一緒に紅茶を飲んだ人がパッとこう笑顔になっているみたいな、イメージをしながら入っていくので、やっぱりそのお仕事をして、決まって使っていただけるようになると、そういうそのシーンがどんどん増えていくなって実感を持ちながら仕事ができていくので、すごく楽しくて、やりがいがあるなぁというふうに思ってます。

――すごい、美味しいものを作るって言うだけに留まらないお仕事ですね、そうすると。

花水さん:そこが面白いところで、大変なところではあるとは思うんですけどね。

――うんうんうん。製造しました、はい終わり、じゃなくて、美味しいものを作るのはもちろんなんですけど、飲んだ人の表情まで考える。
すごい、みんなにもっと長野園さん知って欲しいです!

花水さん:僕も知って欲しいです(笑)!

――ね、本当ですよ(笑)。
前も、淹れ方のレクチャーしてますってことを、立ち話でちょっと伺いましたけど、そこまでやっているとはその時は想像もつきませんでした。
ただその、美味しいお茶に出会えて、しかも、ほっとするとかね、いい表情になるっていうのを、もうちょっと気軽に楽しめるのは、きっとchabacoなのかなぁと思ったんですよね。

花水さん:そうですね。基本僕、お茶はサブだと思っているので。

――サブ。

花水さん:お茶って、結局何かと一緒に飲むシーンがほとんどじゃないですか。

――そうですね、確かに。

花水さん:朝、緑茶だったら、じゃあご飯食べ終わった後に、今日は緑茶の気分なのか、紅茶の気分なのか、コーヒーの気分なのかとか、その時によって使い分けたりすると思うんですけども、そういう全体の食と合わせた時の、1つのパートなんですよね。

――うんうん。

花水さん:だけどそのパートってすごく重要で。いろんなシーンの中にサブでいれるっていうのが、すごく面白くて。
そのサブになれるようなものを、どんどん今、種類を作ってる感じですかね。

――例えば、おやつの時間なのか、お昼ご飯の時なのかでも、そもそも選ばれる紅茶が変わってくるってことですよね。

花水さん:そう。

――chabacoさんって、ご飯も食べられるじゃないですか。

花水さん:はい。

――そっか、それもやっぱりじゃあ、紅茶との組み合わせって意識しているわけなんですよね。

花水さん:そこ、やんなきゃだめだね(笑)。

――あれ、あれ!?そういう話かなーって思って(笑)。

花水さん:でも、スイーツに関しては、リクエストというか「何が合いますか?」って言われれば、「こちらが合いますよ」っていうご提案はできるようにはしているんですけど、なかなか今chabacoって、この15種類ある紅茶の、いろんなものを週替わりで春と夏で提供しているのが基本のスタイルなんですね。プラス緑茶だったりとか、紅茶を使ったチャイとか、いろんなメニューがあるので、そこはお客様が飲みたいものをまず飲んで頂く。
で、そこはカジュアルにお茶に触れていただく、というのが基本だから、そこまでを突っ込んだものは今してないんですよ。
ただやっぱりそこは、スタッフに尋ねていただければ、ちゃんと的確なアドバイスがさせてもらえるように、今やってます。

副業的に関わってくれる人がいたらうれしい!

――そっか、じゃあ入口はもう、全然カジュアルでいいし、ちょっといつもと違う楽しみ方とか、深いところ行きたいなと思ったら、スタッフに「ちょっとすみません」みたいな。

花水さん:そうそうそう。気軽に声かけて欲しいなって思ってます。

――chabacoさんって、建物も素敵だし、内装も結構統一されててかっこいいんですけど、気取りすぎていないから、話しかけていい雰囲気ちょっとあるじゃないですか。

花水さん:そうですね。

――それが、なんかちょうどいいなぁって思っています。花水さんのカジュアルなところから深いところまで、全方位カバーみたいな感じの。

花水さん:全方位カバーしているが故に、ちょっとパンパンすぎるっていうのが、今の本当の悩みだよね。

――今、ちなみにそういったお茶の製造、和紅茶の製造とか、ホテルへの提案みたいなやつとかをできるのは、花水さんしかいないっていうことですか?

花水さん:製造の時は、今ここ2年くらいは、僕の友人なんですけど、割と時間に自由が効く人がいて、みっちり来てもらって一緒にやってます。泊まり込みみたいな感じで。

冬場は杜氏、春から夏は茶師、という働き方も面白いはず

――もう、スタッフですね。

花水さん:そう。その時期だけみたいな。
でもね、そういう働き方ができる人も実はいるといいなぁって思ってるんですよね。

――なんか、全然ありな気がしています。

花水さん:そう。季節労働って昔は結構日本の中では当たり前に起きていてやっていたと思うんですけど、だんだんそれが正社員化していって、なくなっていったと思うんですよ。
どっちにとっても、結構、それって重いのかなーっていう気がしていて。
例えばなんですけど、造り酒屋さんの杜氏さんって冬がメインの仕事じゃないですか。昔は多分の農家さんが冬仕事ないんで杜氏として働いてたっていうのがあると思うんですけども、でも例えばそういうところとうまく協業できて、冬場は杜氏さん、春から夏は紅茶師さんみたいなのも面白れぇよなぁって(笑)。

――うんうんうん!全然ありだし、作り手としても世界観が広がりそうで面白そうだし。
自分がとあるところで取材した時なんかは、普段は自宅でテレワークで、EC系のサイトの管理を週2ぐらいやってるのかな、で農家さんのお手伝いをしていますっていう方がいて、その方がいうには「デスクワークと外の仕事とで、バランス取れる」って。

花水さん:わかった。生産性むっちゃ上がるはずだよ。僕もそう。

――やっぱそうですか。

花水さん:だから、茶園での仕事もあるし、デスクワークもあるんだけど、茶園での仕事って、やっぱ身体的には楽ではないでんすけど、悪くないんですよ。頭がぼっかり空く。

――うんうん。

花水さん:なかなか自分の家で、実生活の中で、何も考えないとか、ぼんやり何かを考えている時間って作れないでしょう。

――本当作れないですね。

花水さん:だけど、茶畑を、5km、10kmって歩きながら作業をしている時って、最低限気をつけなきゃいけないところはあるんだけども、逆に発想が豊かになるんですよね。
あといいところは、デスクワークって本当に成果が見えるまで、なかなか、追い込まれるでしょう。

――本当そうです。そうなんですよね。

花水さん:だけど作業は、成果がもうすぐそこにあるんすよ。動いたら動いただけ成果が出るんで(笑)。

――もうこんなやったよ!みたいな。

花水さん:そこのバランスって結構ね、いいなって思ってる。

――「俺、今日超仕事したー!」みたいな感じで(笑)。

花水さん:そうそうそう!ビールむっちゃ美味いし、終わった後。

――確かに、体動かしているからなおのことですよね。

花水さん:そうそう。だからその方のおっしゃてるところはまさに本質。わかるなぁと思ってて。

――しかも今って、テレワークとか当たり前になってるじゃないですか。
で、働き方改革って、まぁ古いか、でも何足かの草鞋を履くって結構普通なことになっているから、今おっしゃってたみたいなハイシーズンだけ手伝いに来るスタイルって、全然これからありなのではって思いました。それでお茶ワールドにハマるのか、農家さんのところに行ったら何か別の世界が開けるのか、身体動かしてちょっと健康とかね。

花水さん:やー、必要だと思う。テレワークなんかしてたら、身体使わんもんね。

――そうなんですよー。自分、身体凝る一方で、背中がやっぱり凝るし、人との会話も少なくなるし。

花水さん:じゃあ、佐野さんとりあえずやってみる?2ヶ月くらい。

――やってみましょうか!?2ヶ月ぐらい。

花水さん:ははは(笑)。とりあえず。何か開けてくるものがあるかもしれない。

ここ2年ぐらい忙しすぎて体が足りない

――ね。
全然これ、お茶のあれじゃないんですけど、長距離を運転してる時なんかも、最初何か考えごとしながら運転していても、途中からなんか禅修行のようになんか、無我の極地に入っていく。

花水さん:風景が流れていくみたいなね。

――そうそうそう。ちょっとスッキリするとか。

花水さん:あるよねぇ。人間ってそういう、ちょっと違うポジションに自分を置くっていうと、すごくリフレッシュできる。

――わかります、わかります。

花水さん:うん。そういうところなのかなっていう気がしていて。
そういった意味では、ものすごくバランスは取れている仕事なんだけど、いかんせんこう時間がない、時間がない状態に、ここ2年ぐらいなりすぎちゃっていて。そこを本当にクリアして行きたいんだよね。

――そうですよね。

花水さん:じゃないと、次に本当に自分がやりたいことっていうのができない。

――うん。それこそ、さっきちょっと雑談がてら話していた、デザイン周りのこと、パッケージもそうだけどWebとかも含めてちょっと受け持てる人とか。

花水さん:そうそう。欲しいっす。副業でいいんで、毎月定額でみたいな感じで、そういう方に1人入ってもらって、そこのディレクションとかできるとものすごく楽になりますね。

――ですよね。花水さんはデザイナーじゃないんですよね?

花水さん:じゃないんですよ。じゃないんですよー。

――実はパッケージデザインしちゃってますけど、茶師なんです。

花水さん:そうなんですよー。下手すりゃ卸先からオリジナルで作ってって言われて、作ったりしますからね。

――そんなことまでやってたんですか!

花水さん:本職じゃないんだけど、まぁー、まぁまぁ、みたいな。

――やるけどさぁ、みたいな。

花水さん:でもやっぱり、出てくるものがね、そこまでのものではないのかなぁと思っているので。

――ね。一応、できるとはいえ、現行のパッケージもかっこいいんですけど、やっぱ本職の方がやると、また新しい発展もあるし。

花水さん:当然。

――こういう着眼点あったのねーとか、絶対出てくると思うんですよね。
僕も、デザイナーじゃないけど、チラシ作ってみたいなこと、昔たまに頼まれたんですけど、いやいややってたんですけど。

花水さん:いやいや(笑)。

――そう。俺、デザイナーじゃないからね、みたいな。
でもやっぱ、本職の方作っているの見ると、やっぱりまとめ方も全然違うし、なぜこういうデザインにしたかっていうのもちゃんと。

花水さん:そう。デザインにはすべて理由があるんですよね。

――そうなんですよ。まであって、これが、プロたる所以なんだなっていうのを見たりしてて。

花水さん:そこって、全ての仕事にやっぱり理由はあって。そこがちゃんとわかっている方と一緒に仕事ができるとすごい面白いんですけどね。

デザインができる人、求む

――この流れで伺っちゃうと、スキルの面はさておき、こんな人と仕事できたらきっと楽しいだろうなっていうのって、なんとなくイメージありますか?

花水さん:もうね、イメージはある。

――え、どんなですか?

花水さん:とにかく、仕事に対するプロフェッショナルな人。どんな仕事でもいい。
というか、基本今欲しているのは、デザインとかWebデザインとか、Webのバックヤードを作れる人だったりとか、そういったところのサポートが欲しいなぁとあるんですけど、本当に1つグンと突き抜けてる人と、会いたいっすよね。

――ああー、そっか。

花水さん:多分その感覚が分かってる人の方が、話が早いかな。

――それは、プロフェッショナルへの意識って言った時に、プロってこういうものだよねって、わざわざ説明しなくても、お互いにそうだよなぁって、頷きあえるような人。

花水さん:そう。だからある程度やり込んでいる人って、その業種業態関係なくて、得るものってすごくいっぱいあると思うんですよ。

――なんか分かります、それは。

花水さん:そう。逆に僕、同業種で同業態とか同エリアとかっていう人との関わりより、外の人との関わりを大事にしていて。
なんでかっていうと、新しい血がどんどん入っていく感じがするんですね。アイデアだったりとか、考え方だったりとか。
だから、あまり同じところで偏ってしまうっていうのは、自分のその成長を阻害してしまうことになるのかなぁっていうふうに思っていて。なるべく外の人とそういうフラットな関係ができるっていうのが、いいなと思ってるんですよね。

――しかも、プロ意識がある人同士だと、お互いの刺激もあるし、高め合うような。

花水さん:話が早くてね。うん、いいんですよ。

――そう。すごいなんかわかるなって思います。自分もやっぱ取材をよくしていて、その性質上やっぱり毛色の違う人と会うんですよ、基本的に。
同業者に取材って多分したことなくて、でも毛色が違うからこそ、世界はどんどん広がっていくし、花水さんをはじめ、プロフェッショナルである人からの話ってすっごい学びだし。
例えば、お茶と取材で全然違うんですけど、フィールドは。でも、姿勢を学んでいるというか。自分もこんなんでも一応プロの端くれだし、だったらこういう姿勢で行きたいよねとか。

花水さん:うんうん。

――さっきのケーキに合わせたお茶を作るってなった時の、忙しい合間でもちゃんと買いに行って、自分で味わい、しかも自分の中で仮で予測を立てて、こうじゃないか?って作っていくっていうのが、多分それプロとしての精神の発露だと思うんですけど、そういうのを伺った時に、じゃあ自分だったら、取材の準備ってどうしていくべきか?とかって、だめだ俺まだできることあるぞとか、考えたりとか。

花水さん:いくらでもあるんだよね、やり方もね。

――そう。そういうふうに考えたくなっちゃう瞬間とか、すごく好きだったりとかするんですけど。

花水さん:多分佐野さんはいろんな方と会っているから、そういうチャンス本当にいっぱいあると思って、本当に羨ましいなぁっていうのもあって。

――そっか。畑っていう場所とお店っていう場所があるからこそ、しょっちゅう外に行くわけには行かないっていう背景もありますかね、花水さんの場合。

花水さん:そう、だからなるべく外に出る時間を作ろうとはしていて。作ってはいるんですけど。

――その中で、もし出られない時があっても、プロ意識を持って一緒に何か仕事できる人がいたら、そこで新しい知識、感性が入ってくる。

花水さん:そうですね。うん。

――確かに、面白いですね。そうすると、ただ仕事を頼むじゃない、パートナーシップの作り方。
自分も、たのしごとうれしごとをやっている時に、ただのその業務委託関係、情報とかお金、仕事のやりとりじゃないものが生まれたらいいなってすごく思っていて。

花水さん:まさにそこじゃん。やろうとしているところが。

――本当そうなんですよ。本当にそれです。

花水さん:やろうよ?

――やりましょうよ!

花水さん:ははは(笑)。

――これ本当、全然自分狙ってはいなかったんですけど、たまたま今回協力してくださった花水さんが、すごいぴったりだったんだなぁって、インタビュー先として。

花水さん:よかったよかった。

――さすが、さすがです。
ちょっと図らずも、結構お仕事、これから欲している人材の話にもなって行きました。

花水さん:そうですね。はい。

――ちょっとキリがいいので、1回ここで、中編を切って、最後、後編を行こうかなと思っています。

花水さん:おっ、はは(笑)。

――さっきよりはね、短いですよ、まだ43分。

花水さん:OKです。はい。

――お時間は大丈夫ですか?

花水さん:大丈夫です。はい。

――じゃあ最後、今までの花水さんのこれまでのストーリーと、どうやって美味しい紅茶を作っているのか、そしてどんな人材を欲しているのか、とかを踏まえて。

花水さん:もう人材の話はもういいよ、さっきしたから。

――ね。そこらへんを踏まえ、じゃあ後編は、未来の話をしましょう。

花水さん:OKです。

――というわけで、一旦中編はここで切りまーす。


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