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人間関係で大切なことはみんなラウンドワンで教わった 朝霞編

※引き続き登場人物は仮名です。

理想の上司

朝霞店が室長の拠点になる?!

数年に1度、運営部が大幅にシャッフルされることがある・・

この“運営部大幅シャッフル”は私の今後の人生を大きく変えると言っても過言ではない出来事でした・・

朝霞店は、“第1運営室”というグループになった。
この“第1運営室”というのは、北海道から埼玉までの店舗が主に該当し、第1エリアから第8エリアまである。

その“第1運営室”の室長の拠点が朝霞店でした。

『おはようございます!!今日からお世話になる柳沢と言います!』
「おはようございます!!支配人の谷崎です!よろしくお願いします!」
『おう!谷崎さんか!よろしくね!』

とにかく笑顔がまぶしく、そして明るい。
“かっこいい社会人”と言えば、この人!

柳沢室長、まさに私にとって“太陽”のような存在でした。
(職位は副部長、しかし私は“室長”と呼んでいた)

『谷崎さん!一回話しよか?』
「お願いします!」
『谷崎さんね、俺は支配人とエリアマネージャーは二人三脚だと思ってる!イメージとしては、一緒に“100点のお店”にしていくってこと!だから、支配人が70点の仕事をしたら、俺は30点フォローするし、逆に支配人が30点やったら、俺は70点がんばる!』

(こんな表現をする方、はじめてだ・・・)

『そうやって2人でやっていこう!って思ってるから!!』
「わかりました!」
『支配人はどんな店にしていきたいの??』
「そうですね・・具体的な目標で言いますと、プロセス監査で“A”以上のお店です!」
『なるほど!具体的でええやん!!んでどうやっていくとか決まってる??』
「いえ・・実は全然決まってなくて・・今は良いところを見つけて褒めることだけやってます!」

すると、柳沢室長は身を乗り出して聞いてきた!

『それ!めっちゃええやん!!!どんなことやってるの??』
「例えば・・手が空いた時でも何か作業や清掃をしているとか・・ムーンライトのマイクが上手とか・・身振り手振りのアクションがわかりやすいとか・・あと笑顔がいい!とかですかね・・・」

『うんうん!!それでそれで!!』
「そういうのを見つけたら、本人に言ってあげたりとか、その部門の社員に○○さんコレ出来てたよ!って伝えたりとかですね。」

『もう最高やん!!!』
柳沢室長は、金メダルを取ったかのようなはしゃぎっぷりでした。

「あ、ありがとうございます・・・」
(そんなオーバーなリアクションしなくても・・)

「私の場合、今までずーっと痛い目見てきたので・・」
『なるほどね~谷崎さんはいろいろ苦労してきたんやね・・そんなら話は早いわ!俺のやり方も言っておくね!』
「はい!お願いします!!」

すると柳沢室長は紙を取り出し、黙々と書き始めた!

紙には大きく、“主体論” “目的論” と書かれていた。

『やることはこの2つ!!』
「主体論・・目的論・・」

どちらも初めて見る言葉でした・・

『谷崎さん“アドラー心理学”って聞いたことある??』
「いえ・・初めて聞きました・・」
『そうか・・まぁ“アドラー心理学”っていう考え方があるんだ~くらいの認識でええからね!あと、本とかもあるから今度オススメなやつ教えたるよ!』
「ありがとうございます!!」

柳沢室長の授業は気づけば2時間ほどに及んでおりました。

『谷崎さんも他人を変えようとした経験ない??』
「めっちゃあります!!というか、そういうもんだと思ってました・・」
『主体論は、他人を変えるのではなく、“自分主体”つまり、自分が変わりましょう!!って考え方なのね!』

『“目的論”は“原因論”の逆って言うとわかりやすいかな・・』
「“原因論”ですか・・」
『“原因論”は、その名の通り、原因を追究すること、“何で?”“なぜ?”みたいな・・これも谷崎さんよく使ってない??“何でやらないの?”って・・』
「あ・・よく使ってましたね・・」
『そうじゃなくて!“じゃあどうすればいいのか?”という考え方が“目的論”なのね!つまり、指摘や否定ばかりするんじゃなくて、肯定的に受け止めて、どうすれば改善されるかを考えることが大事!ってこと!』

「・・・・・・・」

言葉が出なかった・・・どれも目からウロコな内容ばかり・・・

“相手に自分の理想を押し付け変わってもらうようにすること”
“指摘と口数を増やして言わなくてもやるように仕向けること”

どちらも、“正解”だと思い、やってきたことを、柳沢室長は“不正解”だと言うのだ・・

しかし、それは私もなんとなく気づいていた・・
なぜなら、朝霞では今までやってきたこととは真逆なことをやり、手応えを掴んできていたからだ!

『いろいろ一気に説明しちゃったけど・・どうかな・・』
「室長・・・うれしいです!!今まで全然うまくいかなくて・・・それが何のかが朝霞に来てわかりかけてたところに、さらに理論的に説明してくれて・・」
『そうか!それなら良かった!!』

室長は、ずーっと前からこの原理原則に気付いていた!
そして、私がやろうとしていたことの、さらにアップグレード版を実践されている方だった!

(今俺がやろうとしていることは間違っていない!)

自信を持って取り組むようになります!


分かっていても出来ない・・なぜ・・


『谷崎さんな!それは“承認”って言うんだよ。』
「承認・・ですか・・」
『そう!“認めてあげる”ってことになるね!』
「褒めるとは違うんですか・・」
『そう!そこなんだよ!この“承認”っていうのは、奥が深くてな!!』
「わかりました!とりあえずやってみます!!」
『じゃあまずは1ヵ月意識してやってみてよ!!』
「はい!!!」

“承認”

私は今まで、何かを申請をした後、許可をもらうことが“承認”だと思っていました・・

室長の話では、“承認”には5つの種類があるらしい・・

結果・プロセス・行動・意識・存在の5つのパターンで承認があるとか。

(よし!まずはやってみよう!!)

1ヵ月後・・

『谷崎さん!どう?承認出来てる??』
「すいません室長・・・実は全然出来てなくて・・」
『そうか・・どんなところがうまくいかない??』
「承認する相手がいつも同じメンツになってしまうんですよね・・・あとは5つの承認を使い分けるのが難しくて・・・」
『でも“意識”してるんでしょ!すごいやん!!ってこういうのが“意識承認”になるんやけどね(笑)』
「な・・なるほど・・」
『まずはやってみることが大事だと思うから!』
「かしこまりました!」

私はこのあとも“承認”を意識して行動しますが、室長から学んだ“承認”とはいかず、ただ褒めているだけになっていました・・

このあとも“承認”に挑戦しますが、続きませんでした・・

約2年後、

ようやく室長のおっしゃっていた“承認”がわかった感覚がありました。

それは何か・・・

私が私自身を“承認”出来るようになったからです。

それは、室長が毎回私を承認してくれていたからでした。

室長から信頼されている。
いつも私を肯定し、受け入れてくれる。
その期待にに応えようと努力する。
成果が出る。
感謝される。

こういったことが繰り返されるようになり、

(俺は出来る!)
と思えるようになったことが大きな要因でした。

前橋から板橋に来たときは、否定され続け、
(どうせ俺なんて・・・と)

自分で自分を否定し続けてきました・・・

自分自身が満たされていないと、他人への承認はできない・・

コップの水が溢れたようなイメージです。

自分の心のコップがたっぷりのお水で満たされ、溢れている状態。

その水には、承認だけだなく、感謝・信頼・期待といった、ポジティブな栄養がたくさん含まれている。

まさに心が豊かになっている状態でした。

今までを振り返ってみても、私が力を発揮出来た時は、決まって上司から評価していただいたり、仲間から期待されたりした時でした。

相手の褒めどころを見つけるのではなく、相手そのものを肯定し、そのまま受け入れることが“承認”だったのです。

続く

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