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子どもの姿勢を考える

姿勢で人生が変わる!僕はそう思っています。

これは子どもだけに限らず、大人や僕もそうですが

鏡を見た時、人に言われた時、姿勢が崩れていることに気がつきますよね。

姿勢を正すことは、


「見栄えがよくなる」だけではないんですね。


疲れているときって、姿勢が崩れてませんか??

自信がある時って、背筋がピンってなりませんか?

姿勢はその人の体の状態の表れであり、バロメーターなのです。

だからこそ、姿勢を正せば、疲れにくく、自信が湧いてくるのです!


さあ!先に姿勢を正して脳を騙していきましょう!



姿勢とは


まず「姿勢」とは・・・

「人が姿勢を取るには重力に対してバランスを取っている時の体の姿」

と表現します。

重力に対して体を上手く使えているか、使えていないかが重要になってきます。

人の背骨は、一本の真っ直ぐな棒のようなものではなく、
横から見た時にSの字を描いています。

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・首のあたりの背骨は、前にカーブしており(Sの左上)
・背中の上から真ん中にかけては、後ろにカーブ(Sの真ん中右)
・腰のあたりは首と同じく、前にカーブ(Sの左下)をしています。

体の左から見たときに、ちょうどSの字のように見えますが、姿勢が崩れると、このS字のバランスが崩れてしまいます。
理想は緩やかなS字カーブです。

背中の上の方が曲がってくると、首が突き出た状態となり、みぞおちやお腹が凹んできて、猫背が進行します。


しかし元々、現代人の体は猫背になりやすくなっています。


読書、食事、スマホ、字を書く、パソコン、料理、掃除などなど

どうしても 日常的に行う動作は、ほとんどが下を向いて手元で行うものばかりです。

姿勢とは、
良いも悪いも習慣によって少しづつ形成されていくものです。

今回は「良い姿勢」を獲得するために必要なこと。

を一緒に考えていきましょう!!


最近の姿勢事情ってどうなの!?


皆さんのお子さんや生徒さんの立っている姿や椅子に座っている姿勢を思い出してみてください。

・立っても座っていても背中が丸まっている。
・イスの背もたれに、もたれて足を前に出している。
・頬杖をついている。
・同じ姿勢が長く続かない。

この中で当てはまる事ってありますか??

実際、現場の声としてこのようなデータがあります。

全国の保健所や幼稚園、小学校の先生の6〜7割が、
「子どもの姿勢は背中が曲がっていると感じる」と報告しています。

       「子どものからだと心・連絡会議」という団体の調査(2015)

このデータから背中が曲がっている子が多いのが分かりますね。

他の項目でも6〜7割の先生が感じている体の異変は・・・

なんだと思いますか?

はい、すぐに「疲れた〜」というものです。

すぐに疲れやすい子は体力の他に「姿勢」も大きく関係しているのです。

同じ姿勢を持続させる姿勢筋力が低くなっているのかもしれません。


なぜ最近の子は姿勢が悪くなったの??


みなさん、この理由ってイメージできますか??

それは「遊び方の変化」によるものだと考えます。


時計会社のシチズンが2016年に、全国の小学4年〜6年生の生徒400人を調査したところ、外遊びの時間が72分で、ゲームやSNSの時間が76分でした。
15年前と比べて外遊びの時間が、35分も短くなった結果でした。


幼少期は体が出来上がっていく時期であります。
健康に過ごすための筋肉や骨格は、さまざまな動作を 経験することで形成されます。

子どもが十分に筋力を獲得しないまま成長してしまうと、どうしても正しい姿勢を保つことが難しくなります。

そしてゲームやスマートフォンに多くの時間を費やすことで、同じ姿勢が長時間続き、首肩周りの血流が悪くなることで、ねこ背・ 肩こりや首・頭痛につながることがあります。


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いい姿勢のメリットは?


姿勢はきちんとしている方がいい!とは分かっているけど・・・。

もしお子さんや生徒さんに、


「なんで姿勢をちゃんとしなきゃいけないの?」


と聞かれたら何てお答えするでしょうか??

そんな為にも、いい姿勢のメリットをご紹介します。


・勉強の集中力があがる 

体が捻れたり、前屈みで姿勢が崩れている状態だと、脳まで酸素がスムーズに回りにくくなります。
脳は全身の全酸素量の約20%が必要なので、いかに脳まで酸素を送るのかが 重要になってきます。

・気持ちが 落ち着きやすい

正しい姿勢で呼吸をすると呼吸が深くなり、副交感神経によって心と体がリラックス状態となります。
逆に崩れた姿勢だと呼吸が浅くなり、交感神経優位になることでイライラしたり不眠になる原因にもなります。

・疲れづらい体になる

⻑時間同じ姿勢でいると、偏った部位に負荷がかかったり、筋肉の⾎液循環が悪くなり、疲労物質が溜まりやすくなってしまいます。

・肩こりや腰痛を予防・改善できる

崩れた姿勢がつづくと、腰、膝、肩、首などの関節や筋肉と言った偏った場所に負担がかかり、 痛みを誘発することがあります。
痛みを予防または改善したい方は、まず姿勢を見直すことをお勧めします。

どうでしたか??

姿勢を変えるだけで、こんなにもメリットがあるのです。

ただ!! 一朝一夕では、良い姿勢は手に入れられません。
やはり普段の習慣や意識によって良い姿勢が身に付くのです。
だからこそなるべく早い段階での意識と習慣が必要になってくるのです。


イスの正しい座り方とは?


お子さんや生徒さんで立っている姿勢は気にならないけど、
イスに座るとねこ背になってしまう・・・。

こんなことありませんか??

背筋を伸ばす良い姿勢は骨盤を立てる必要があります。

しかし、この骨盤を立てるのって、なかなか難しいのです。

難しい理由は、骨盤を立てて座ることに、抵抗する筋肉があるからです。

それは、太ももの裏にあるハムストリングです。聞いたことありますか?

このハムストリングが硬いと、骨盤を立てることに抵抗して、
骨盤を傾けてしまうんです。(寝かしてしまう)

さらに骨盤がずっと傾いている状態だと、骨盤の動き自体が分からにくいのです。

では、骨盤が立つ、立たないとは?

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         左のイラストは骨盤が立っており、
         右は骨盤が傾いています(骨盤が寝る)。

ハムストリングが硬いと、体は自然に筋肉を伸ばさないように、体にとって楽な方である骨盤を傾ける姿勢を選んでしまうのです。

まとめ
正しいイスの座り方を5つのポイントとしてまとめてみました。

① 足の裏全体が床についている。

② 膝と足首は床に対して90度にする。

③ あごは自然に引く。

④ 肩をしっかり後ろに引く。

⑤ 腰をおなか側に反って骨盤を立てる。

この5つはぜひ、覚えていただきたいポイントなので、

机の前など見える所に貼るものいいかもしれません。


お子さんはどのタイプですか??


まずは座り方のチェックをしてみましょう!!

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1 イスに腰かけ、背中とお尻を壁につけて、背中をのばします。
  30 秒程経ったらお子さんにリラックスするように声をかけ
  ます。

2 そうすると背中が丸まります。その時の背中のカーブの頂点
  はどこにあるか、チェックしてください。

頂点の位置=(ここでいう壁に近い)によって、体のどこかに負担がかかっているのかが分かります。


1  肩の後ろに頂点がある 

肩のうしろにカーブの頂点(壁に近い)がくるお子さんは、

「首ねこ背」というタイプです。

肩が丸くなり、首が前に倒れて、頭が前方に突き出たような
姿勢になります。

首ねこ背は、頭の重さが首、肩、背中の上部にかかります。
その結果、筋肉が固くなり、首や肩のこりが発生しやすくな
ります。
大人の場合は、四十肩、五十肩になる可能性が高いといえま
す。

また首のあたりには、腕や手につながる神経が集まっている
ため、腕や手が痛くなったり、しびれたりすることもありま
す。ひどくなると、手や腕に力が入らなくなってしまいます。


首ねこ背のお子さんで、のど風邪をひきやすい、気管支や肺が弱いといった症状をお持ちの方はいませんか!?
風邪をひくと咳が出やすいと言う事はありませんか!?
もしかしたら姿勢との関係が考えられるかもしれません。

首ねこ背は背骨、特に胸椎の1番から4番に負担がかかり、背骨の中を通っている自律神経に影響を与えます。
その自律神経が、のど、気管支、気管、肺などを支配しているのです。心臓もこの自律神経の支配下にあります。


2  背中の真ん中あたりに頂点がある

背中の真ん中あたりにカーブの頂点がくるお子さんは、

「背中ねこ背」 というタイプです。

背骨は本来、ゆるやかな S 字カーブを描いているので、多く
の人は背骨の真ん中あたりに頂点がくるのですが、そのカー
ブが強くあらわれるのが背中ねこ背です。

背中が丸まって、
肩が落ち、おなかのあたりが縮こまった姿勢になります。
カーブの頂点を中心に背中全体に上半身の重みがかかるので、
背中の筋肉と関節に痛みが出やすくなります。

また、この「背中ねこ背」は背骨、特に胸椎の5番から12番に負担がかかって、背骨の中の自律神経に影響が及び、胃、肝臓、十二指腸、小腸などに不調が現れることがあります。


3  腰のあたりに頂点がある 

腰にカーブの頂点がくるお子さんは、

「腰ねこ背」です。

腰は本来、前(おなか側)に反っているのが理想です。
しかし、うしろ(背中側)に強く腰が丸まってしまうのが腰ねこ背で
す。
腰をさわって、背骨の両側の背筋よりも背骨のほうがごつこ
つと盛り上がっている人は、腰ねこ背の可能性が大きいです。
腰ねこ背は、腰に負担が集中します
 その結果、腰痛やぎっくり腰になりやすく、ひどい場合には椎間板へルニアを発症することもあります。

また、この「腰ねこ背」は背骨、特に腰椎の1番から2番、そして骨盤に負担がかかるため、背骨の中を走る自律神経が支配する大腸、腎臓、膀胱、生殖器なのにトラブルが起きやすくなります。


それぞれの座り方のクセ


座っているときの、よくある悪い姿勢を3つそれぞれ説明しますね。

① 背もたれに寄りかかる

椅子の背もたれや、ソファーの背中によりかかる姿勢をすると、骨盤が後ろに傾いて、腰から背中にかけて大きく曲がります。
お腹も強く圧迫され、呼吸が浅くなり、体内に酸素が行き渡りません。脳に酸素が十分に届かないと、集中力が欠如したり、思考力判断力や想像力が低下することがあります。

② 足を組む

足を組むと、背中は自然に丸まってしまいます。また、いつも同じ方の足を組む癖があると、骨盤がその方向にずれて体全体のバランスに歪みが生じます。

③ 頬杖をつく

頬杖をつくと肩が前に出て、背中が丸くなります。
また人間の頭部の重さは体重の約10%、約5kgとも言われています。

首から肩にかけての筋肉は、一日中、かなりの負担を強いられています。
頭が前に落ちる、傾くのを防いでいるのは『頭板状筋』という筋肉です。
この首の筋肉が落ちてくると首や肩が疲れやすくなり、ほおづえをついて頭を支えるようになるのです

日本人は1日のうちら何時間も座っていると言う調査結果があるのですが、これは調査対象となった20カ国の中で最長でした。
近年は長く座ることのリスクが世界的に注目されています。座る時間が長いと全身の血行が悪くなり、生活習慣病のリスクが高まるためです。
先進国の中には、「座りすぎを防止する取り組み」を積極的に行っている国が多くなっています。


姿勢をよくするトレーニング


まずはイスの正しい座り方のおさらいです!

① 足の裏全体が床についている。

② 膝と足首は床に対して90度にする。

③ あごは自然に引く。

④ 肩をしっかり後ろに引く。

⑤ 腰をおなか側に反って骨盤を立てる。


レッスンではこれらのポイントを意識していきましょう!!


1 骨盤を立てる感覚をつかむ

両足の裏が床にぴったりつく高さの椅子に座ります。
背中を伸ばして、腰骨に手を当て、骨盤をゆっくりと前後に動かします。

背中を丸める癖が強い子は、骨盤を傾けたまま長時間座っているのは辛いと思います。
それは骨盤を支える筋力が備わっていないからです。骨盤を立てて座ることを続けていくうちに、次第に骨盤を立てる筋力は養われていきます。


2 腰周りのストレッチ

骨盤と背骨を前後に動かし、腰や背中、胸・お腹を広げるポーズです。

①:四つん這いで息を吸って骨盤を立て、背骨を反らせ胸・お腹を広げます。

②:息を吐いて骨盤を寝かせ、腰・背中を少し丸めていきます。

 ゆっくりと10回ほどを3セット繰り返します。


3 肩・背中周りのストレッチ


①:背筋を伸ばして、 手を背中に回して腰のあたりで手を組みます。

②:体をまっすぐのまま、手を背中から離していきます。
 この時に両側の肩甲骨を寄せていくのがポイントです。
 呼吸はゆっくり呼吸をしながら20秒キープします。

背中を丸める姿勢を続けると、肩甲骨が開きがちになります。
このキャットレッチは、肩甲骨を内側に寄せ、首を後ろに倒して、背中の丸まりをリセットするエクササイズです。
肩甲骨がスムーズに動くようになり、背骨の関節が柔軟になり、肩こりを改善するのにも有効です。

※ 立ってもできますよ!



4 ハムストリングスのストレッチ

椅子に浅く腰掛け片方の膝を前に伸ばします。 かかとを床につけてつま先を 持ち上げて上半身を前に倒していきます。
体をまっすぐ前に倒したまま、痛くなる少し手前のところで20秒ほどゆっくり呼吸をしながらキープします。
反対の足も行いながら3セット繰り返します。


姿勢をよくするイス選び


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普段どんなイスでご飯を食べたり、勉強をしていますか?

正しい椅子の座り方だと、人が活動するときに働く交感神経のスイッチが入って、やる気が出て、集中力が高まります。

座り方でいわゆる「やる気スイッチ」を押してあげることができるのです!


普段使っている椅子をこれを機にいちどチェックしてみて下さい

・ 椅子の高さ 

 高すぎる椅子は足の裏が床にしっかりつかないので体をうまく支えることができず背中が曲がってしまいます。
足全体の重みが太ももにかかって、血行も悪くなり、 冷えやむくみの原因になります。
低すぎる椅子も、骨盤が後ろに倒れて背中が丸くなってしまいます。


・ 背もたれ 

背もたれが後ろに傾きすぎている子も、寄り掛かったときに骨盤が倒れるので避けるようにしてください。例えばパイプ椅子などです。


・ 回転式の椅子 

キャスター付きの椅子、回転式の椅子などを使っているお子さんもいるかと思いますが、動くと安定性にかけて、背中が丸まったり、腰がねじれて姿勢を保つことができません。しっかり固定したい椅子を選びましょう。


・ ソファー 

ソファーに長時間座っていませんか?
 柔らかいソファーに長時間座ることで骨盤が大きく後ろに傾いて首、肩、背中、腰の筋肉に負担がかかって痛みが出ることもあります。
ソファーに座る際は30分に一回は立ち上がってストレッチするように心がけてください。


・ 枕 

  高い枕を使っていませんか? 
 高い枕は首の骨に負担がかかり朝起きたとき首周りが痛い時があります。 勉強やゲームテレビなどで前のめりになっている時間が多い方は、首を休ませるためにも枕はなるべく低いものを選んでください。


おわりに


現在、子どもも大人も、姿勢が崩れがちな社会ですが、
「姿勢をよくするの先」
にあるものが、とっても重要なのです、

それは
「健康に過ごす」だと私は考えます。

自分や お子さんの姿勢を知ることで、自分の体に関心を持っていただきたいと思います。

その上で何が必要なのかを知り、 姿勢が健康に過ごすための一つのきっかけとして、お役に立てれば幸いです。

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