「安倍晋三の内閣改造から今後の政治を考える」


予想に上がっていた三原じゅん子こそ無かったものの、一番不適格な文科相になった側近の萩生田光一が象徴的だが、安倍政権の肝と言って良い経済産業相に特に実績もなくスキャンダルまみれの菅原一秀、先日しんぶん赤旗にスキャンダルをすっぱ抜かれたばかりの茂木敏充の横滑り、既に失敗している高市早苗、「嫌韓」の河野太郎の横滑り、挙句に党要職に稲田朋美が戻ったりと、主要な国でここまでイデオロギーが前面に出ている国は無いだろうというくらい極右色が強く、ツッコミどころ満載のメンバーだ。小泉進次郎が入ったのは、小泉進次郎を入れとけば後は隠せると思ったか、菅義偉のゴリ押しではないかと邪推する。反自民のネット民は自民党を舐めすぎだ。小泉進次郎効果だけでも勝手に支持率が跳ね上がる可能性が高い。参院選の頃から交代論が出ていた麻生太郎が留任しているのも、交代した理由をツッコまれて支持率が下がることを避けたかもしれない。
ツッコミどころ満載の極右腐敗内閣なのだが、残念なことにツッコむ側のマスコミの力が衰えている。加えて、まともに国会議論に応じるかも怪しい。ずっと予算委員会をやらないほど自民党は議会制民主主義を粉々に破壊している。
何事も、終わりは必ず来る。
安倍晋三が年内に衆議院を解散する可能性は極めて低いと思ってる。既に参議院で改憲議席を割ってる状態でリスクを背負うことは考えづらく、今年は既に統一地方選と参院選があった。あと、「勝者なき選挙」と言われた参院選を挟んで、実は与野党対決選挙で、やっとまとまり始めた野党共闘に与党は3連敗している。
安倍晋三が次の総裁選にまた出る可能性も低いと思ってる。だから、次の自民党総裁選を待たずにどこかのタイミングで安倍晋三は身を引き、今回の内閣改造が長く続いた安倍政権最後になるのではないか。
ただ、高齢を理由に交代論が出ていた二階俊博が留任しているのはクサイ。二階は安倍晋三に次の総裁選も出てほしいと主張している人物だ。そして、反自民の人は自民党を見ようとしない悪いクセがある。二階俊博は選挙にメチャクチャ強い。二階が介入した選挙で野党が勝ったのは沖縄県知事選挙くらいではないか。二階俊博は勝つためには何でもするし、その二階俊博戦術に自民党支持者は文句はつけないだろう。勝ては良いんだから。逆に野党支持者は、たかだか立憲民主党と国民民主党が統一会派を組む程度の話で文句をつける。挙句にれいわ新選組のような新興政党が出てきて票の食い争いをして細分化が止まらない。投票率が下がっているのに無党派の支持が増えてるわけがない。嫌な言い方をすれば、れいわ新選組は元々立憲民主党や日本共産党に投じた、野党的思考が強い無党派を持って行ってる。だからそれを見越して山本太郎は選挙戦当時から野党批判をしていたんだろう。しかし「れいわ現象」とかいうものは早くも去ったようで、既にこの政党の支持率は1%未満だ。「野党的思考が強い無党派」及び「無党派」が、次にどこに向かうかが衆院選への鍵だろう。
話をもう一度自民党側に戻すと、二階俊博が留任しているのは選挙に勝つためを想定しているかもしれないが、やはり前述の通り年内解散は可能性が低いと思う。
ポスト「安倍晋三」は前から言っている通り菅義偉と岸田文雄だ。今回の内閣改造でさらに冷遇されて、かつてその1人だった石破茂はますます無くなった。
内閣改造で安倍晋三と近い人間が目立つのは、その時に自分の影響力を残そうとしているのでないか。
しかし、岸田文雄も菅義偉も、安倍晋三ほどの政治的な力が無い。岸田文雄の派閥は参院選で惨敗し、菅義偉も地元で野党統一候補に負けている。
安倍晋三は、カリスマ性は無いし、言うほど内閣支持率も高くないんだが、周りの人間が強力なのと、勝手な野党の混乱、小刻みに選挙をやって低い投票率で勝つ、それとマスコミの堕落などに支えられている。岸田文雄や菅義偉が仮に次の自民党総裁になって、同じことをできるとは思えない。
政権交代は、参院選で自民党を過半数割れさせるのが精一杯で、与党を過半数割れさせるまでには、まだ全然見えない。与党過半数割れさせない限り「敗北」を認めないだろう。
参院選の時も言ったけど、現状は暗い展望しかない。
安倍晋三が身を引くまで、ダラダラダラダラ腐敗した政治が続いて、国家が腐っていく一方なのではないか。

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