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摂り過ぎると毒になるビタミンも!? サプリメントのホントについて栄養士さんに教えを乞う!

 テレビや新聞、雑誌などでサプリメントの広告を目にしない日はありません。「これで風邪が予防できそう!」「肌が若返るんだ!」などと効果を期待することもあれば、「これを買って自分で健康管理しなさい」と言われてるような気になる時も。そもそも、「サプリメントって言われてるほど効果あるの?」さらには、誇大広告では?」という疑問も。そこで、京都府の公立学校の栄養士さんに話を聞いてみました。

Q1 ズバリ、サプリメントは効果がある?

栄養士さん:「ない」とは言わないけれど、摂取したものが直接体の一部になることはありません。コラーゲンを例にとると、肌を作るコラーゲンは体の中で作り出されたもので、食べたコラーゲンがそのまま肌になるわけではありません。コラーゲンもタンパク質の一種だから、口から摂取したら消化されてアミノ酸やペプチド(アミノ酸が複数結合した状態のもの)に分解され、それが体に取り込まれる。牛肉を食べたからって、体の一部が牛肉にならないように、コラーゲン食べても肌にコラーゲンが現れるわけではないのです。

Q2 有効性、安全性などを国が審査した「特定保健用食品(トクホ)」についてどう思う?

栄養士さん:トクホ認定がされているサプリメントは、しっかり審査が行われているから効果があるのは確かだと思います。でも、トクホだからと言って、それだけ摂取すれば健康になれるかといえば無理でしょう。運動や食事内容の改善をしながら、あくまで補助的に使うべきですね。

Q3 広告には過大なものもあるのか?

栄養士さん:サプリメントの宣伝は結構過大広告だと思います。商品というより栄養成分の効果など、ウソではない内容を上手く盛り込んでいたりするから余計に紛らわしいんですよね。薬事法に違反するから「◯◯に効きます」とは書けないけど、「健康維持に役立ちます」とか、微妙な言い回しをしています。また、見えないくらいの小さな文字で「効果に個人差があります」と書かれていることもあります。

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Q4 薬ほど効果はないけど副作用もなく、安全なのでは?

栄養士さん:摂り過ぎると害が出るものもあります。知らずに必要量以上にとってしまうと、毒になる可能性もあるんです。例えば、水溶性のビタミンは摂り過ぎても体の外にすぐ出されるけど、脂溶性のビタミン(ビタミンAやビタミンD)などは排出されにくく、吐き気や頭痛、食欲不振などが起こることも。含まれる栄養素の危険性は企業にとって不利な情報だから、滅多に表示されないですね。

Q5 サプリメントとの付き合い方や食事について、アドバイスをお願いします。

栄養士さん:サプリメントは特定の栄養成分が取り出されて、それが吸収されることだけが求められています。でも、本来、生き物の体には食べ物を消化して栄養成分を取り出す力と、それを吸収する力が備わっているのです。その力は使わないと衰えてしまうのでは、と思います。もちろん、サプリメントを摂取してすぐ、急激な変化が起きることはないけど。
 だれでも高齢になると、他の力と同様、消化吸収能力も衰えます。若いうちに消化吸収の力をきちんと使っていないと、衰えも早くなるかもしれません。私は「食べる力」が、毎日の食事で鍛えられると考えています。だから、栄養成分だけ摂るんじゃなくて「食事」を大事にしてほしいですね。

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