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結局、女優が魅力的に映ればそれでOKでしょ『禁じられた遊び』


(C)2023映画「禁じられた遊び」製作委員会

エロイムエッサイム、エロイムエッサイム… その言葉は、最凶の禁忌<タブー>
死者を蘇らせる、「禁断のあそび」が、始まる
「トカゲはね、尻尾が切れても、また生えてくるんだ。」
「本当?じゃあ、この尻尾からまたトカゲが生えてくるの?」
「ああ。土に埋めて、おまじないするとまた生えてくるんだよ。」
微笑ましい親子の日常。庭に響く、少年の唱えるおまじない…それは、他愛ない冗談のはずだった。
が、そんな幸せな日々が一転――家族に悲劇が起きてしまう。
映像ディレクター・倉沢比呂子は、かつての同僚である伊原直人の家で、庭の盛り土に向かい、不可解なおまじないを唱え続ける直人の息子・春翔を目撃する。
謎の呪文、トカゲの尻尾、指、白い影、蠢く盛り土、封印された家・・・そして彼女の身に異常な現象が起こりはじめる。それは、子どもの純粋な願いによって解き放たれた災いだった。
 この庭には、何かがいる。
最凶の禁忌が比呂子と直人に襲いかかる!
果たして、2人はこの迫りくる恐怖から逃れられるのか――?

東映チャンネル

感想

 この映画の感想はこの一言に尽きる、「橋本環奈が可愛すぎる!!」
去年は『カラダ探し』にも出演していたこともあり、ホラー映画女優としてのキャリアを着々と積んでいるように思われる。とはいってもホラー映画としてのクオリティは正直言うとイマイチだった。
 監督の中田秀夫は去年の『それがいる森』や『事故物件』などとホラーファンからするとかなりズッコケてしまう様な作品を多くとっている。制作を依頼する側も『リング』や『仄暗い水の底から』の監督ということで声を掛けているのかもしれないが、実際これらの過去の名作には高橋洋の脚本、原作の強さが大いに影響しているので個人的には中田秀夫のお飾り監督という印象がより強くなってしまった。
 一ミリも期待せずに見るとあまりの無茶苦茶さに笑って楽しめる作品になっているので頭を空っぽにしてみるのが吉。

いろんなところが浅い

 まず第一に脚本をもっとしっかりさせてほしい。橋本環奈演じる比呂子に降りかかる生き霊や怪異の理由がファーストサマーウイカ演じる美雪が新興宗教の教祖であり、比呂子が美雪の夫である重岡大毅演じる直人に密かに恋心を抱いていたからということが終盤にさらっと説明される。いわゆる呪術的な能力が新興宗教の教祖だからと言われてもイマイチしっくりこない。もっと美雪の過去を掘り下げてほしかった。
 第二に霊媒師の扱いの雑さである。インチキ霊媒師かと思えば実際には力はあった、にもかかわらず呪いが強すぎるあまり何もせずあっさり敗北宣言からの退場。シソンヌ長谷川出してるんならもっと面白い見せ場作ってやってもよかったのでは?唯一の見せ場は助手との九字護身法のみである。

(C)2023映画「禁じられた遊び」製作委員会

こんなにキャラ立ちしているのに突然の「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」だけではかなり勿体無い。せっかく白石晃士作品の霊媒師を彷彿させるキャラクターなだけあってこの扱いは非常に残念である。
 最後にタイトル。なんですか?『禁じられた遊び』って、全く内容に関係のないタイトル。エロイムエッサイムも指を埋めて母親を蘇らせる儀式も全くもって意味はなく新興宗教由来の霊能力でしたっていうオチなのにこのタイトルは完全に間違ってると感じる。

まとめ

 いろんな要素が浅〜く散りばめられた感じの映画になっている。例を挙げると呪術廻戦や白石晃士作品のネタに感じれる点が多い。それゆえに作品全体がチープに写ってしまうのが非常に残念である。
 結局は橋本環奈が可愛い。怖がっているシーンも顔芸に見えてしまうので怖さが半減する一方で笑いが起こるという、ホラー映画ではなくコメディ映画ではないかと錯覚する感覚を覚える。
 あとは、土の中から復活するファーストサマーウイカが半裸で尻丸出しで登場するのでそれがどうしても見たい方は是非劇場へ足を運んでもらいたい。


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