イキっていた自分が、考えを改めて神社に参拝するようになった話です
神話の国、島根の温泉旅館で働いていた頃。
20代前半の僕は完全にイキっており、自分中心で世界を考えておりました(今でもそういうフシは非常にあるんですが)。
たとえば・・・
給料日には「このお金は自分のためだけに使うぞ!」
会社は「辞めたくなったら辞めちゃえばいい!」
ホトトギスを見たら「鳴かぬなら殺してしまえ!」といったあんばいでした。
(ホトトギスを見たことはまだありません。まだ20代なので。)
完全なる恩知らず人間でした。
そんなある日。
給料と引き換えに美味しいごはんを食べようと思い、
1000円札を2枚握りしめて温泉街の料理屋に行った僕は、
ある噂を聞きました。
この街には、10年前はゴーストタウンだった温泉街をV字回復させた大スターがいる、と。
大将によると
「あの人のおかげでこの街は蘇った」
「あの人がいるから俺はここに骨をうずめる覚悟で仕事をしている」
「転勤族のヨソ者とは温泉街に懸ける覚悟が違うんだ」
的なことを遠回しに言われ、
(※僕の頭の中)
・ヨソ者ですいません
・そんなに言わないでもいいのに
・何者なんだその人は!?
・なんかもう帰っちゃおうかな
・大将がビールをゴクゴク飲んでるな
色々な思考が渦巻きました。
その後帰り際、ちょっと値引きしてくれました。(ありがとうございます)
帰宅してから、その人のことをwebで調べてみると・・・
なんとその人は「毎日」「神社に行って」「温泉の神様にお礼をしている」らしい・・・
え、
なんか、スピリチュアルの人?
細木数子さん的な大スター?
とか思ったりしていました。
それから何週間かあと・・・
温泉街のイベントがあり、
なんとその人にお会いする機会がありました。
「この人が噂の大スターか!
さぞかし為になるビジネスアイデアを聞けるに違いない!」
緊張しながら話を聞きに行った僕に、噂の大スターは
「熱心ですね~!」と、
ご親切にも、温泉街のいろいろな話を教えてくださいました。
しかしその内容は予想外の角度。
ことあるごとに口にされるのは、「温泉への敬意」「お湯への敬意」。
その時お話された内容は・・・
「自分には温泉への敬意が足りていなかった」
「若い頃は『ここの温泉、水道水と何が違うの?』くらいにしか認識していなかった」
「だけどいざ泉質を調査したところ、これほどまでいいお湯なんだと分かった」
「温泉をビジネスに利用しようという意識の前に、まず温泉を敬う気持ちが必要だった」
「温泉街をプロデュースするアイデアが出てきたのもそれからだった」
(※間違っている箇所があったらすみません)
ガビーン!!!!
お湯への敬意なんて考えたことなかったな。
恥ずかしいことに、言われるまで気が付かなかったのですが、
僕が働いているのは ”温泉” 旅館。
ということは温泉が涸れちゃったら仕事がなくなるのです。
今、仕事があるのは、温泉のおかげだったのです。
なんか、イキってる場合じゃないかもしれない。
それまでは、
「仕事がなくなるリスクに備えて、自分のスキルをきちんと磨いてればいいでしょ。」
などと思っていました。
違いました!
まず、スキルを磨ける場所があることに感謝すべきだったのです。
気付いたら僕は温泉街の神社で、
「お湯が湧いていること」そして「仕事があること」に感謝していました。
ご本殿に向かって手を合わせていると、
不思議なことに、この間の料理屋の大将のセリフを思い出しました。
「味噌汁を美味しくするのは具だと思う?味噌だと思う?違うんだよ・・・だ!!!!!し!!!!!(出汁)」
間違えた。
これは「なんでここの味噌汁はこんなに美味しいんですか!?」と聞いたとき言われたセリフだった。
「転勤族のヨソ者とは温泉街に懸ける覚悟が違うんだ」
こっちです。
「たかがサラリーマンだし自分の人生なんだから、
嫌になっちゃったら会社なんて辞めて東京帰ればいいや。」
そんなことを思っていた僕の浅はかさを見抜いて、大将はそう言ったのかもしれません。
いやぁ~反省しました。
地域のおかげで生きていけるのだから、
東京に帰るのは、地域に恩返ししてからでないと。
会社のおかげで仕事があるんだから、
辞める前に、会社に利益をもたらさないと。
そんなことを思いました。
それからというものの、年1回というハイペースでこの神社に参拝し
(初詣のこと)、
温泉が湧いていることに感謝をするようになったのでした。
結局3年後に転勤が決まり、
たいした地域貢献はできませんでした(3年間住民税を納めました)が、
むちゃくちゃ強運なご縁で大切なことを学ぶことができ、大感謝です。
「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」から考えを改めた僕は、こうツイートしました。
あ、全然関係なかった。
(おしまい)
参考になった方、面白いと思ってくれた方、
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追記:
かの大スター、「角さん」のnoteはこちらです↓
是非読んでみてくださいね!!!
のちになって、実はもう一人レジェンド大スターがいることを知るのですが、
それは角さんのnoteを読んでください。
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