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ガクチカってなんなんだよ

インターンに申し込もうとESを書く機会が増えた。

その中でも必ず聞かれるのが学生時代に打ち込んだこと、すなわちガクチカである。優秀な学生たちは体育会系の部活やビジネスコンテスト、留学など書けることは山ほどあるだろう。それに対して僕が大学で学んだことなど飲み会をいかに盛り上げるかということと申し訳程度の焼肉の知識である。大学の学外活動などの意識の高いことは勿論、大学の授業さえも真面目に受けてこなかった人間には居場所なんてないのだ。

そりゃあ僕にだって打ち込んだものくらいはある。古着だったりサークル活動だったり。でもそんなものガクチカなんかに書けるわけがないだろう。天神の古着屋で高校生と一度だけヤッたことのある同い年の店員と仲良くなりました、だのやったら面白いかと思って1月のクソ寒い中男7人で鴨川シーワールドのシャチの水を浴びに行ってちょっとだけツイッターでバズりました、だの書いたもんなら即履歴書を破られるであろう。

人間として成長したことは間違いない。大学生として様々な人々と関わることが増え、10個上の管理職と一緒にタバコを吸いながら家に帰るほどには関係性を構築した。だが、これらは力を入れたことなどとは口が裂けても言えないのだ。

「ガクチカ」とはそれ自体がある種の曖昧性を孕んでいる。元来「力を入れたこと」というのは様々な事象に用いられうる修飾であり、何もビジネスにおいて役に立つ可能性の高い能力のみを対象にするのではない。飲み会や女遊びに力を注ぐ人だっているだろうし、それらがビジネスの場において全く役に立たないものであると断定することは無理と言っていい。

しかし実際のところ、ガクチカを書く際に評価されるのは(少なくともまだ就活を本格的に始めたわけでもない若造が考えるには)ビジネスコンテストやインターンなどの経歴が主なのである。勿論このような経歴を持っている人たちの中には優秀な人材が数多く含まれるのであろう。それでも僕は声を大にして言いたい。そいつらよりも僕の方が飲み会を盛り上げられるぞ、と。

力を入れるものの対象はなんだって良いと僕は思う。大事なのは力を入れたという経験なのである。ガクチカが直接的にビジネスの役にたつものではなかったとしても力を入れたという経験はビジネスの場において大きな力となるであろう。ビジコンやインターンのようなビジネスに直結したガクチカをバイアスを持って評価することは、ある意味では力を入れるという経験を正しく判断できなくしてしまっているのではないだろうか。

だから、就職活動の場においては僕は是非とも面接官の方と盃を交わしたい。必ずや僕のガクチカを見せつけてやる自信があるからだ。

次の日の朝家のベッドで後悔する可能性がないとは言い切れないけれど。





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