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不登校の子を持つサイボウズ社員に話を聞いてみた④

シリーズ「不登校の子を持つサイボウズ社員に話を聞いてみた」。サイボウズ社員で「ワクワクする子どもの学び場をつくろう」プロジェクトメンバーで、不登校のお子さんを抱えるお母さんでもある、田中那奈さんのインタビュー最終回です。

娘のAちゃんが学校を休み始めて約1年が経過した頃から『もっとワクワクする場所を探そう』と動き出した那奈さん。そこからしばらくして、本人が『通いたい!』と思えるフリースクールに出会うことに。
どのようなフリースクールで、現在どんなふうに過ごしているのか、話してもらいました。(聞き手:社長室・山本賀保子)

これまでのエピソードはこちら↓からご覧ください🌱

会社と一緒で、学び場ももっと自由に変えたっていい

『学校に行かない』生活を始めたAちゃんは、小学1年の秋から週に1度、自宅で参加できるオンライン塾に通い始めました。

「元々通学型だった塾が、コロナ禍でオンライン塾を始めるというのを偶然見つけて『オンラインだったらできるかも』と始めたんです。
とにかく先生たちがめちゃくちゃ元気(笑)。ポジティブなオーラが溢れ出てる先生たちばかりなんです。小学1年だけのクラスでオンライン授業なのに、子どもたちも先生の元気につられて画面に惹きつけられている。
授業は、算数・国語の問題を解くというような勉強ではなく、立体ブロックを使って形を作ったり、作文を書いて発表したり、絵を見てオチを考えて答えたりするんですが、それがすっごく楽しかったみたいで!発言もいつも一番に手を挙げて、たくさんしていました。先生が苦手で学校に行かなくなったけど、塾の先生とはいつも楽しそうに話したり、質問したりしている。その姿を見て、『“学校”や“学ぶ”ことが嫌いなわけじゃなかったんだ』、『先生とも相性だったのかな』と分かり、私も安心できました。『こんな学校があったらいいのにな』と思いましたね。」

自宅でお習字。真剣!

「そしたら去年(2021年)の秋、塾から『フリースクールを始めることになりました』ってお知らせが来たんですよ。今年(2022年)の4月から始めると。『これは行かないと!』って思ってすぐに説明会へ申し込みました。
説明会に行ってみたら、まさに私が求めていた場所でした。まずは先生たちがイキイキしていて、話を聞いているだけで私もワクワクしてくる。何かを「学ばせよう」「教えよう」ということではなく、子どもたちが安心してそれぞれの個性や魅力を存分に発揮させてくれそう。そのうえで、子どもたち同士の関わりを大切にしている。まさに、家で一人で過ごしている時には出来なかった体験が詰まっていそうな場所だと思えました。一緒に行った娘も迷いなく「ここに行く!」となりました。学校に行かないと決めた時もあっという間だったけど、行くと決めるのも早かったです(笑)。」

ようやく『ワクワクする学び場』を見つけたAちゃん。

今年4月からは、フリースクール「花まるエレメンタリースクール」に通うようになったAちゃん。那奈さんにどんな様子か尋ねると『本当に楽しそうなんですよ!』と目を細めて教えてくれました。

フリースクールから送ってもらえる写真を見ると、どの瞬間も活き活きしています。楽しそうに爆笑していたり、ゲームに負けて号泣したり、ディベートで手挙げて懸命に自分の意見を言おうとしてたり、怒り以外の全ての感情を出し尽くしている感じです(笑)。
元々は、楽しいことあると、どんどん前に進んでいくタイプだから、“この子の本来の姿が戻ってきた”って感じかな。多分学校っていう場所で楽しめなかっただけで、本来持っているものを活かせる場所と活かしにくい場所があるんですよね。同じ学校でも楽しんで通っている子もいますし。だからこそ、その子に合った場所を選ぶってすごく大事だなと思いました。学校は一度通い始めたらずっと同じところに通うのが当たり前ですが、会社みたいに、自分に合わないなと思ったらもっと気軽に別の選択肢を選べるようになるといいなと思います。」

フリースクールにて。本来の明るいAちゃんが戻ってきました!

「学校に行きたくない」と言ってくれて、良かった

最後にこの2年間で那奈さんの中に生じた変化を聞くと、晴れやかな顔でとても前向きな言葉が返ってきました。

「やっぱり思い込みってあるんですよね。私自身、学校に『行かなきゃいけない』と思っていて、そこから外れることに抵抗がありました。フリースクールという伴走してくれる人と場所が見つかって、そこで初めて安心したんですが、やっぱり『自分一人で学校に行ってないこの子を見なきゃいけない』って思った時の孤独感はすごかったです。
暗く沈んで『大変だなぁ。なんでうちばっかり。普通に通ってくれてたら良かったのに…。』って思ったこともあったし、『入学するときにもっと考えればよかった』とも思うんですが、今回は意思表示してくれたことが良かったなとも思うんです。
何も言わないままだと、もしかすると子どもが『つまらない』と思っていることに気づけず通わせてしまうかもしれない。『行かない』って意思表示をしてくれたから、その結果、世の中にいろんな選択肢があることに気づけて、素敵な先生とお友達に出会えたたまたま知らないだけで視野が狭まってたけど、子どもがきっかけで新しい世界に出会えた。それはすごく良かったと思うんです。

Aちゃんの楽しそうな姿を話すとき、那奈さんはずっと笑顔でした。

最後には、学校に行かないと言ったからこそ見えた世界だと笑顔で語った那奈さん。「今後は中学をどうするかも考えないといけないんですよね…悩みは尽きません」と話す顔には、とても穏やかな表情を浮かべていました。

現在参加する『サイボウズらしいワクワクする子どもの学び場を創ろう』プロジェクトでは、この自身の経験と視点を活かし、子どもが笑顔でいられる学び場を考えています。

これからも「ワクワクする学び場」づくりに取り組みます

『不登校の子を持つサイボウズ社員に話を聞いてみた』、4回のシリーズにわたってお届けしてきました。ご覧いただきありがとうございました。
さまざまな状況のお子さんがいること、幸せな形はお子さんによって異なること、それは決して珍しいことでも不思議なことでもないことを、那奈さんの経験談から再確認させてもらいました。

サイボウズ社長室では、今後も「ワクワクする子どもの学び場」づくりに取り組んでいます。

2022年11月には、小学校高学年~高校生が対象の、第1回テスト講座を開催する予定です。

SNSでの発信も積極的に行っていますので、以下のnoteマガジンやサイボウズ社長室のツイッターも、ぜひチェックしてみてください!

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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