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小遣いが減ってから、安定するまでに2年掛かった話

 かつて勤めていた法律事務所を辞めて、もう2年が経った。
 辞めた理由は、事務所の財務状況が悪くなかったにも関わらず、「君にボーナスを支給するのが惜しくなった」と言う、賞与とは言え、理不尽な事を言われたのと、躁うつ病が悪化した事だった。

 そんな訳で、とても次の仕事に就けそうになかった私は、元々実家暮らしで、結婚も決まっていたので、一応出た退職金と貯金で何とか食い繋いで行く事にした。
 その時、同居していた母と、これからどれだけの小遣い、家に入れるお金、保険料、病院代、ガソリン代をどう言う比率にするかを決めた。

 家計へ…25000円(現在は食費)
 ガソリン代…5000円
 病院代…6000円
 県民共済…2000円
 小遣い…22000円
 ※健康保険、年金は自動引落の為、割愛する。

 上記の通りとなった。
 この中でも、最も苦しかったのが、小遣いだった。
 仕事をしていた頃は多分50000円位、使っていたから、それの半分以下で何とかしなければいけない、しかも突然に。
 その当時の彼氏、今の夫はその状況を知って、デート代を殆ど出してくれていた。それでもキツかったのは、私が多趣味だったからだ。
 自己都合で退職したのなら、それくらい我慢するべき、と言うのは尤もなご意見だけれど、実際、パッと切り替えるのは私にはとてつもなく難しかった。

 図書館にない本が読みたい。
 話題になっているカフェへ行きたい。
 友達と遊びたい。
 コスメや服が欲しい。
 好きなアニメのグッズが欲しい。

 1つ1つの単価は高くなくても、多趣味は積り積もれば、掛けている額が結構高額になる。
 最初の内は月の最後の1週間は財布の中身が数百円しかなかった。毎日ヒヤヒヤしながら日々を過ごしていた。
 それから2年。漸く、お金に対する気の持ちようが楽になって来た。今では最終週でも5〜6000円位は残る様になって、半分は貯金に、半分は繰り越して使っている。
 時間とか、自分の価値観の変化もあるのだろうけれど、それとなく振り返ってみると、結婚前の実家での断捨離と、結婚後の引っ越しでの断捨離が私のお金の使い方を大きく見直してくれた様な気がする。(結婚後の引っ越しについては下記URLをご参照下さい)


 結婚前の断捨離では、売れないだろうな、と言う服、趣味の物を市指定のゴミ袋(大)に10袋以上は捨て、学生時代からコツコツと集め続けて来た漫画をリサイクルショップで売り、売れそうな状態の良いブランド服や雑貨、ハンドメイド用の布はフリマアプリを使って売った。
 それでも荷物は多かったけれど、どんどんと捨てて行く内に何だか虚しくなってしまったのだ。多分、自分の中で手放す事に納得の行かない物もあったのだと思う。けれど、そのままにしておく訳には行かず、仕方なく手放した、その反動で

 こんな思いをする位なら、もっと考えて買えば良かった。

 そう思う様になった。例え長い間見ていなかった漫画だって、買った時の喜びや、読んでいた時の楽しさ、持っていると言う安心感が私の中にあって、物には何かが宿るって本当なんだな、と思った瞬間だった。そんな気持ちになる位なら、もう私は漫画を買わない。漫画家の方には申し訳ないけれど、レンタルで作品を楽しませて貰う事にした。
 その一方で、特に捨てたのは服だった。元職場は私服勤務だったのだけれど、職場用の服と、休みの日に着る服のジャンルが違いすぎて、箪笥とクローゼットにぎっしりと服が詰まっていた。中には袋から開けてすらいない服もあったけれど、私も歳を取った。服の趣味も変われば、体型だって変わる。勿体ない、勿体ない、と思いながら捨てた。1度でも良いから着てから捨てれば良かったと何度思ったか分からない。

 結婚後の引っ越しの際も多少、服を捨て、今もフリマアプリで比較的美品な不用品を売っている。やっぱり圧倒的に服が多い。
 専業主婦で平日も自由な服装が出来ると言ったって、毎回バリバリにメイクをして外へ出る訳じゃない。そうなると、派手な服は敬遠して、大体着る物は似たり寄ったりになる。
 なら、ファストファッションで安く手に入れて、ワンシーズン着倒す位の気持ちで行こう、と思ったら、毎月の様に買っていた服も買わなくなった。

 言うのを忘れていたけれど、私はiQOSユーザーで月に約12〜14箱、iQOSを吸っている。当然小遣いから出すので、月初めに約8000円分まとめて購入している。ので、残りの14000円だけれど、最近は自分の身体を労わる事や家族と楽しめる物に使っている。
 例えば、夜、2人でテレビを見ながら飲む珈琲や紅茶は結構良いお値段の物を買ったり。
 快適な住環境に変わってからは自分の肌がストレス等でかなりダメージを受けている事に気が付き、基礎化粧品を見直し、プチプラ・デパコス問わずに自分の悩みに合った物を買う様にしている。
 手元から無くなる物にはお金を掛けない方が良い、と言われるが、少ない予算で良い物を買ったからこそ、ちゃんと使おうと思える様になった。

 11年間、贅沢をして来て、それを立て直すのに2年間も掛かった。
 習慣とは本当に恐ろしい物だと思った2年間だった。
 自分のお金の使い方に疑問を持っていても行動に移せない人、これから貯金を頑張りたい人へ。
 いつだって遅いと言う事はないと私は思う。
 思い立っても、誘惑に負ける時もあると思う。でも、その都度リセットして、亀の歩みだとしても、少しずつ、少しずつ、お金の使い方と向き合っていけば、必ず納得の行く結果に辿り着けると思う。
 何かを犠牲にするのではなく、見直す事。例えそれが月1000円だったとしても、年にすれば12000円だ。12000円もあれば、大切な人と2人で美味しい物が食べられる。

 私の場合、母の助言と言う名の矯正がなければ、成し遂げられなかった事だ。始めは、何て厳しいんだ、こんなんじゃ何も出来ないとモヤモヤしていたけれど、今はとても感謝している。
 少しずつ貯めて行ったお金は、いつか出会う自分の子の為に使いたいと言うのが私の目標だ。
 とか言いながら、iPadも欲しいし、4年後の冬季オリンピックも観に行きたいと言う夢もあったりするけど。
 ギチギチに自分をがんじがらめにせず、楽しい目標や夢も持ちつつ、これからもお金と向き合って行きたい。

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