北京語と広東語の違いを解説!中国語を勉強したいなら、一体どちらを勉強すべき?
中国語は世界で最も話されている言葉のひとつ。
中国語のネイティブスピーカーはなんとおよそ12億人もいるとされています!
しかし、中国語といっても、その中には繁体字や北京語と呼ばれる簡体字、そして広東語などいくつもの種類があります。
その中でも一番よく使われているのが、北京語(簡体字)と広東語です。
では、中国語を勉強したい人には、果たして北京語と広東語、どちらがおすすめなのでしょうか?
今回は北京語と広東語の違いを説明したいと思います。
北京語と広東語の違いって?
発音の違い
結論から言うと、北京語と広東語は、決して似た言葉ではありません!
北京語だけを話す人には広東語を理解することは難しく、逆に広東語だけを話す人にも北京語を理解するのは簡単ではないのです。
よって、北京語と広東語は、いわゆる「方言」のようなものではなく、全く違う言語として捉えた方が正解でしょう。
ただし、北京語も広東語も、発音やイントネーションによって単語の意味が変わってくるという点では同じです。
北京語には4つの声調がありますが、広東語はなんと最低でも6つ(最高で9つまで存在する場合も)もの声調があります。
文字の違い
北京語も広東語も同じく古代中国から由来する文字を使っています。
しかし、北京語は基本的に簡体字を使い、広東語は繁体字を使います。
繁体字を読める人の場合は、簡体字を読んで理解することも可能です。ただし、簡体字のみに慣れている人の場合は、繁体字を理解するのは簡単ではありません。
例えば、簡体字で龍を意味する漢字は「龙」ですが、広東語では「龍」となります。
この場合、日本人には後者の方が当然覚えやすいですね。
このように、同じ意味の単語でも全く違う漢字が登場することが多いため、日本人でも中国語の学習においては非常にややこしい経験をすることになります。
繁体字においては、日本でも見かける漢字が多めに登場するので、少し気持ちが楽になるかもしれません。
文法と語彙
北京語も広東語も文法はほぼ似ていますが、北京語の場合は文章の主語や文章に込められた感情的意味によって文章の構造が変わることがあります。
一方で広東語は、よりロジカルに、パターンに沿った構造をしています。
ただし、広東語にも気をつけるべき点があります。
それは、広東語には口語的表現が多く、使いこなすには高レベルの語学力が必要となることです。
語彙の面では、広東語と北京語は大きく異なるといえます。
例えば、広東語で「こんにちは」は「你好 (néih hóu)」ですが、北京語では「你好 (nǐ hǎo)」です。同じように見えますが、しっかりと発音も異なります。
もうひとつ、例をあげてみましょう。広東語で「どちらのご出身ですか?」は「你係邊度人呀?(néih haih bīndouh yàhn a?)」ですが、北京語では「你是哪国人?(nǐ shì nǎ guó rén?)」となります。
これは発音も字も全く違いますね。
中国語の方言
北京語は標準的な中国語として、中国全土およびシンガポールと台湾でも話されています。
一方、広東語は主に香港とマカオ、そして広東省の重要都市である広州市で話されています。
北京語と広東語、どっちがおすすめ?
いわゆる共通語的存在なのは北京語と言えるでしょう。
よって、中国本土との仕事のやりとりがある場合や中国全土を旅したいという人には北京語がおすすめです。
北京語を話す人口はおよそ9億3300万人ともいわれています!
一方で、広東語を話す人口は6300万人と少なめです。
また、広東語のネイティブスピーカーで、第二外国語として北京語を話す人も多いのが現状です。
よって、北京語を習得しておけば、広東語話者の人ともある程度コミュニケーションがとれる可能性は大きいでしょう。
ただし、北京語のみを話す人に、広東語を理解してもらえる可能性は低いですので、覚えておいてください。
では、広東語はやめた方がいい?
そんなことはありません!
もし香港、マカオ、広州に住みたいと考えているのであれば、広東語を勉強する価値は大いにあります。
また、中国語の歴史的側面も学びつつ中国語のルーツに触れたいという人にも、広東語はおすすめです。
また、日本人の場合は、繁体字には見慣れた漢字がたくさん登場しますので、北京語を勉強するよりもすんなりと頭に入るかもしれません。
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