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柔道整復師がつぶやく人生100年時代に向けた『正しい治療院のかかり方』

こんにちは。
人生100年時代に向けて《人生の質— Quality of Life —》の向上を図る《ライフデザイントレーナー》の丹後友里(@yuri_tango_0630)です。

ライフデザイントレーナーとして、その仕事の一端を担っている整骨院の先生の仕事。
健康管理能力検定の勉強を始めてから、より人生100年時代に向けて私が特に重要視している『健康管理』に対して大きく影響を感じている『身体のケア』に関する話を、私のキャリアの中でも最もウェイトが大きい『柔道整復師』という職業に絡めてお話ししようと思います。

もしかしたら一部の先生方には顰蹙を買う内容となってしまうかもしれません。
あくまで1人の柔道整復師の戯言だと受け取っていただければ幸いです。



■そもそも『柔道整復師』って何なの?

柔道整復師は、
接骨院の先生やスポーツトレーナーとして、
骨・関節・筋・腱・靭帯などに加わる急性
亜急性の原因によって発生する
骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのけがに対し、

手術をしない「非観血的療法」によって、
整復・固定などの治療を行うことができる
国家資格を持つ専門家です。
(日本医学柔整鍼灸専門学校HPより)

一言で言えば『ケガの治療の専門家』ということです。
柔道整復師はもともと柔術家に対しての専属トレーナー的な立場で治療を行う存在でしたが、治療の技術がめざましく、また当時は医師の数も少なかったところから『医師の代わり』として広く民間に普及された治療家が柔道整復師でした。

そのため、国家資格を保有するあらゆる医療職の中で唯一、『代替医療』として医師以外で公的に開業権を持てるのが柔道整復師だけであり、これがいわゆる『健康保険を使って治療を受ける』ことができる『保険診療(療養費)の適用』にへとつながっていきます。

そう、私が声を大にして言いたいこと。
それは、

整骨院は、
健康保険を使って
安価にマッサージをしてくれる場所ではない

ということです。




■整骨院で治療を受けるためには?

ここが肝心のポイントになります。
よく整骨院には「肩が辛い」「腰が痛い」という『痛みを抱えた』方がいらっしゃいますが、全ての症状を健康保険適用にすることはできません
整骨院で健康保険を使った治療を受けるためには次の条件が必要になります。

《整骨院で保険適用になる条件》
1週間以内に起きた『ケガ』であること
②①になった『理由が明確である』こと
③『仕事関連のケガではない』こと
 (※通勤中のケガも↑に当たります)
交通事故によるケガではないこと
一定期間継続して通院すること

さて、現在整骨院に通っているという皆さんやこれから整骨院へ通おうとしている皆さんへ質問です。

今ご自身で抱えている痛みは、上記の条件の内いくつ当てはまりますか?

もし、1つもあてはまならいのであれば、整骨院で健康保険を使った治療を受けることはできません。

そう、現代社会で生活している皆さんが抱えている慢性的(いつも|何をしていても辛い)な肩こりや腰痛、膝の痛みなどの『痛み』は、基本的に整骨院では治療が受けられないんです。


「でも今私は継続して整骨院にかかれている!」
「先生は治療してくれた!」
と仰る方がいるなら、私はその先生が心配です


ただ、ここには私たちを誘惑に導くグレーゾーンがあります。
それが、『亜急性損傷』です。

亜急性損傷とは、
軽度な外力でも反復や持続した外力により
急性外傷と同様に軟部組織などの損傷が見られる外傷

簡単に言うと、『チリツモな形でケガをする』ということです。
(『塵も積もれば山となる』の意味は下記のリンクをご覧ください)

要するに、『1度の強い力がかかってケガをした』のではなく、『1度にかかる力は弱いけど、継続し反復して負荷がかかり続けることで、その場所が壊れてしまう』ケガの仕方。
これは、慢性症状と限りなく境があいまいで、これは長年医師と柔道整復師の間で熱い論議が繰り返されています。

そもそも『亜急性』はケガの状態ではなく期間を指す言葉として認識されていたこともあり、正直亜急性損傷という扱いは微妙なラインなんですね。

それなのに、現代社会で痛みを抱えながら生活している皆さんのほとんどが、

・長時間崩れた姿勢で仕事をする
・運動不足による筋力低下
・偏食な食生活による栄養不足
・アルコールやカフェインの過度な摂取による水分不足

に相当すると思われ、日々身体を労わったり、鍛えたりせず、酷使している状況にあります。

これ、わかりやすくどんな状況か申し上げると、ご飯も水も休みも与えない状況で24時間365日年中無休で誤った使用方法の元、拷問のように働かされ続けている感じなんですね。

そんな過酷な状況で身体を使っている皆さんへ、残念なお知らせが……。

この亜急性損傷、実は2018年に整骨院で保険適用できる治療の対象から外れてしまいました

そう、亜急性損傷で整骨院に通うことができなくなってしまいました
ですので、整骨院では『保険施術に自費施術を追加するという形で亜急性損傷や慢性症状の改善施術を提供しているんです。




■整骨院と整体院の違いは?

私の職業名である『柔道整復師』は、仕事で何をしているか聞かれた際、相手に伝えても絶対に『柔道整復師』として認識されることはありません
大抵は、こういわれます。



柔道整体師』もしくは『整体師』と。



何やねん柔道整体師って。
てか、整体師だと職業変わってるんですけど!笑

心の中で叫びながらツッコんでいますが(笑)、コンビニと同じかそれ以上にある整骨院の先生でも、ド底辺かというくらい認知度の低い職業名。

では、逆にその広く認知されている『整体師』とは何がどう違うのか?

ざっくり言うと、国家資格があるかないか、そして施術提供の形式に公的な縛りがあるかないを指します。
つまり、整体師が提供する施術は『健康保険を扱わない施術』になります。
ですので、先ほど適用外になってしまった亜急性損傷や、もともと対象外の慢性症状の治療もできるんですね。


もともと整体師自体は、民間の治療家育成スクールみたいな学校を卒業すれば誰でも簡単に『整体師』を名乗れることができ、施術をすることができる職業でした。
しかし、最近は開業権を持っている柔道整復師の先生でも、整骨院を名乗らず『整体院』という形で健康保険を使わずに治療施術を提供している先生も多くなってきています。

それは何故か?

その方が、患者さんが求めている症状(慢性・亜急性損傷)の改善に臨機応変かつしっかり対応できるからだと私は考えています。


余計混同してしまってわかりにくくなってきてしまいましたかね。笑


では患者さん目線でどう判断すればいいのか?
それは、

・最初に提示した条件に全て当てはまれば整骨院
・条件に当てはまらなければ整体院

で構わないと私は考えています。
整体院ではその先生の独自の手法で様々な治療を受けることができます。
治療業界には様々な考え方とアプローチの手法がありますし、人体の機能についてもまだまだ未解明なことが多い(例:腰痛の85%は原因不明)ので、正直をいうと『誰もにウケる正しい治療』なんていうものはないと思います。

施術を受けてみて、自分の身体の変化をどう感じるか。

答えはあなたご自身が持っています。

《整骨院で保険適用になる条件》
1週間以内に起きた『ケガ』であること
②①になった『理由が明確である』こと
③『仕事関連のケガではない』こと
 (※通勤中のケガも↑に当たります)
交通事故によるケガではないこと
一定期間継続して通院すること

こちらの条件を参考にしながら、ぜひご自身の『身体の声』と向き合って症状を確認しながら、整骨院や整体院を探してみてください。





■人生100年時代に向けた『身体メンテナンス』の重要性

最後に、これだけお伝えしようと思います。

『老い・衰え』は必ずやってくる

人生100年時代。
企業の雇用上限は70歳まで引き上げられます。

今20代の方は、最低でもあと45年近く働きます。
30代の方は40年近く。
40代の方でも30年近く働き、
50代の方でもあと20年近く働くことになります。

そんな状況の中で、




今と同じままの生活を、あとどれだけ続けられると思いますか?





皆さんは身体のことを無限に使い続けられる『物(モノ)』だと思っていませんか?
身体を構成する全ての器官・組織・細胞は、物ではありません。

生き物です。
全て、『生きている』んです

今この記事を読んでいるあなたが当り前のように行っている

息を吸って、吐くこと
食事を食べて、飲み物を飲むこと
ゴミが溜まったら外に出すこと
節水して、使えるものはリサイクルすること
夜になれば寝て、朝になったら起きること

彼らにもあなたの日常と同じことが身体の中で起きていて、命があります。
そして、その命を使って、あなたの命を守っている。

無尽蔵に湧いて出てくる物ではないんです。
全てに限りがあります

よくある『膝の関節に水が溜まる』というアレ。
あれも、『膝の関節の滑りを良くするための潤滑油』として大事な機能があり、これにも限りがあります。
後から追加して足すことはできません。
(ヒアルロン酸を注射することもありますが、永続的に膝の中では留まってくれず最終的に身体に吸収されてオリゴ糖に分解され、全身に巡ります)

限りある資材を使って、あなたという『家』を補強し、存続させ続ける。
でも、『築数十年の家』はどんな感じでしょうか?
建造物として何十年、何百年と経っている建物もありますが、それはその景観を保持し続ける人がいるからです。

あなたの身体の中にいる、その職人さんたちをいかに大切にし、自分という建造物を向こう数十年間最小限の傷で済ませられるかは、これからの『健康管理』や『日々の生活の暮らし方』にかかってきます。



また、そうした健康管理は全て治療家の人に丸投げし、依存してはいけません。
自分の身体のことなので、しっかり自分でも管理・メンテナンスしていくことが肝要です。



治療家の存在価値とは、いわば『道路で交通整理を行っている警備員』のようなものだと私は考えています。
渋滞や事故が起きることなく、スムーズに物事の運搬ができるように整えるだけ。



あなたのケガや病気を直すのは、あなた自身です。



お医者さんも、医療職のスタッフも、あなたの病気やケガを直すことはできません。
あくまでサポートをするだけなんです。
専門的な知識や技術を使って、誤った方向にそれてしまったものを引き戻してくれる。
そこからまた正しい道路で走れるか否かは、あなた自身にかかっています。
ですので、『直したい』という気持ちを持てない患者さんの病気やケガの症状はいつまで経っても直りませんし、改善も難しいと私は考えています。

『病は気から』
全てのケガや病気の本質はここにあると私は考えています。

痛みがあって辛い時は、なかなか客観的な考え方をするのは難しいかもしれません。
「何かわかんないけど、ここが痛いんだよね(だから早く何とかして)」
と言いたいお気持ちもわかるのですが、そんな時にこそ冷静に客観的になり、
『いつから痛みが出たのか?』
『どういうタイミングで痛みだすのか?』
『痛み方の特徴は?』
『痛くない時はどういう時か?』
自分の置かれている状況を詳しく捉え、医療者へ伝えることで、正しい健康サポートを最速最短で受けることができます。

それができて、初めて『キャリア』『趣味』『ライフワーク』などへ力を注ぎ、ハイパフォーマンスを発揮して活躍していけるんです。

全ての資本は『日々の健康管理』から
ぜひ、ご自身の身体の声に耳を傾けてみてください。