Webミーティングでエネルギーが底を尽き、仕事せずにウッドデッキに色を塗って眠る。
いまひとつやる気が湧いてこない。
得体の知れない不安や靄が常に胸の中に潜んでおり、私が寝ようと思うと、逆にそいつたちがモソモソと起きてくる。
どうすればそいつたちを二度寝に導けるのか、解決策を探るようにYouTubeを開き、何の検索もかけずにスクロールしたりする。
その結果、気づけば足を肩幅に開いて腰を浮かす3分寝たままエクササイズ的なものに取り組んでいる。
エクササイズが終わり、「求めているのは絶対にこれではない」と血や酸素が巡りクリアになった頭が教えてくれる。明確に釈然としない思いを抱えたたまま、冷蔵庫に向かい、茶をすする。
そんな夜もまた愛しいものである。
少し夜更かしした夜の翌日は、スライド式にちゃんと少し寝坊をする。4時起きを続けていた日々ももはや遠い過去である。
むくりと起き上がったその足取りでキッチンに向かい、長方形タッパーに詰められた冷やご飯をレンジに放り込む。
ダイヤルを600w、1分50秒にセットした後、その足でトイレに向かう。速攻で座りションをキめ、また寝床に戻り、布団を上げる。キッチンに戻れば米の温めが終わっている。脳死で行える一連の流れである。
米に醤油を少々かけたのち、納豆、卵を重ね、その上からさらに醤油を2、3滴垂らす。ロゴがほぼ消失した使い古されたスノーピークのチタンマグにトクトクと牛乳を注ぎ、母が用意してくれたバナナ入りヨーグルトを食卓に運ぶ。
朝食が終わった後は、最近デスクに置き始めた4種の観葉植物に霧吹きで順に水をやり、風通しの良い窓際に移動させてやる。最近の生活の中で最も癒される時間である。
着替えたら、デスクに向かう。
仕事を始める前に瞑想アプリを使って少し瞑想をする。心穏やかになるときもあるが、ならないときもある。そんな時はジャルジャルのコントを一本観たりする。
今日は、14時からWebミーティングがある。
もうそれだけでそわそわしてしまい、あまり仕事が手につかない。記事執筆の仕事を終わらせたいのだが、ふわふわするので、一旦中止し、バイト的に行っているせどりのお手伝い、アパレルの写真撮影を行う。
頭を使わず、手を動かせば終わる仕事が少しあると結構助かる。
そんなこんなで14時のWebミーティングを迎え、初顔合わせだったが、正直かなりいい感じに終わった。
基本的にインフォーマル初対面の印象が終了している私だが、フォーマル初対面はそれほど悪くない。フリーランスとなり、インフォーマル初対面が減ってからは生きるのがかなり楽になった。
なにせ人見知りとか、話すのがたどたどしいとかそんなレベルではなく、正面を向かず、背中を向けてしまうのである。尖りが残る新入社員の頃の話だ。もうその尖りはかなり研磨されたはずだ。
新人研修の一環で、「昇進はしたいですか?」みたいな質問について、4、5人で話をするプログラムがあった。
みんなが「大変そう」「まだ新人だからそういうことを考えず目の前のことを一生懸命やりたい」みたいな量産的な回答をする中、私の順番が回ってくる。
その時の私の答えは「大人には汚いから、なりたくない。」だ。
衝撃的な青臭さである。完全にパンクロックだ。校舎の窓から教壇ぶん投げと同じようなものだ。
巡回していたどこかの部長的な人間にも聞こえたらしく、鳩豆フェイスをしていた。
脱線したが、Webミーティングののち、もはや仕事には戻れなかった。
普通に楽しい時間だったが、見知らぬ人としゃべるのはエネルギーを消耗する。その後のTODOリストを放り出し、寝転んだ。
おそらく私はこうなのだろう。ミーティングのある日は仕事をあまり詰め込まない方が良い。その日はもう遊ぶか、ぬか漬けでも漬けるかした方が良さそうだ。
もう仕事は無理だと思ったが、このまま一日が終わるとより一層モヤモヤしてしまうことは明白である。
だからウッドデッキの色を塗った。だいぶ色が剥げてきていたのだ。
急に塗り始めたので、しっかりと汚れは落としきれていない。小虫とほこりが一体化したようなものがこびりついていても、おかまいなしに上から塗った。
塗り終えた後には、多少の達成感があった。ペンキを少し腕につけ、勲章のように掲げたのち、必死で擦った。
これで今日は眠れるだろうか。
少し不安になり30分ほどのウォーキングをプラスし、キンミヤ焼酎の水割りを飲みながらこれを書いている。
書くほどのことは何もない。シンプルな暇つぶしだ。
それでも少し心が落ち着く気もする。
きっと今日も別のエクササイズをする羽目になる。
おそらくなにかしらねじりの動作が加えられるはずだ。たいていのエクササイズの第2段階はねじりのプラスだと私は知っている。
明日は本腰を入れてがんばるとしよう。
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