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『ここにしかない大学』の秘密が、一冊の本になりました

構成した本の見本が、保育園休園期間にオフィスに届いていた。なんだかんだ日常を取り戻すためにあがいた1週間を送り、発売日を過ぎてしまったけれど、note書きます。

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尊敬する出口治明さん(立命館アジア太平洋大学学長)の『ここにしかない大学 APU学長日記』が発売になりました。日経ビジネスオンラインの連載『APU学長日記』をベースとしつつ、大幅に加筆修正しています。

そもそもの連載の経緯から簡単に説明すると……。

2017年11月。ライフネット生命を起業された「あの」出口治明さんが別府にある立命館アジア太平洋大学の学長になる、というビッグニュースは多くのひとをおどろかせました。当時69歳。信じられないようなキャリアチェンジでしたし、APUといえば大分県別府市にある「学生の半分が外国人」で知られる、とてもユニークな(でもよくわからない)大学。

いったい、なぜ「ゴリゴリ日系の大企業→ベンチャー起業家→変わった大学の学長」のキャリアを歩むくことになったのか?
もともと教育業界に興味があったのか??
どのようなビジョンを持ち、どのような改革をおこなうつもりなのか???

「聞きたいこと、めちゃめちゃありますよね……!」と元日経BPの敏腕熱血編集者・日野なおみさん(飲んでもちょう楽しい大好きなお姉さん)にお声がけいたき、連載をスタートさせたのでした。

キャリア論、人生論、ひとを育てるということ、大学改革、これからの社会と教育、子育て——何度も何度も、たくさんのお話を伺ってきました。これ、連載のありがたさというか、役得というんでしょうか、1対2の授業を定期的に受けているようでなんともぜいたくな時間でした。

出口さんとお話ししていると毎回ほんとうに目がさめる思いで、「賢者ってこういう方のことを言うんだな」とただただ興奮するばかり。ご自身のなかで醸成された圧倒的な知を目の当たりにして、途方に暮れることもありました。知識と知恵。大局観。フェアネス! 

出口さんはさまざまな著作を書かれていることから「歴史・教養のひと」のイメージも強いのですが、つまるところ「人間」を深いところで理解されているのかな、と感じています。だから、生命保険会社でも大学でも同じようにひとを育てられるし、周りと一緒にコトを興すことができる。そしてどこか達観されているから、粛々と、でもずんずん物事を進められる。

そんな出口さんと、唯一無二の多様性を誇る(しかも国際評価も高い!)APUという大学はぴったりだなあとしみじみ思ったものです。そのタッグのおもしろさもまた、本書の魅力ではないでしょうか。

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(書籍の編集は上岡隆さんにお世話になりました)

「ここでは世界中の出来事が『友だちのこと』になる」
「『変わり者』『問題児』と呼ばれる学生こそ、積極的に受け入れたい」
「起業家を輩出するには最高の環境」

APUについてそう語る出口さんはこれまでなにをしてきて、なにを目指し、なにをしていくのか。さまざまなエピソードや切り口で語られているのが、本書『ここにしかない大学 APU学長日記』というわけです。

わたしも一度APUにおじゃまさせていただきましたが、この大学で生み出されているエネルギーはほんとうにすごかった。……そしていまアメリカで起こっている出来事も、まさに「友だちのこと」として当事者意識を持って勉強しているんだろうなと思います。

学ぶってどういうことなんだろう。この国にはこれからどんな教育が必要なんだろう。そもそも大学ってなにをするところだっけ。多様性って「体験」したことあったかな……などなど、教育やこれからの社会の在り方について考えるうえで欠かせない一冊になりました。

ぜひ、手にとってみてください!

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