「リモートワーク疲れ」について考えた。

先日、ニューズピックスさんが運営されている動画番組「WEEKLY OCHIAI」に出演させていただきました。

この日のテーマは「リモートワーク疲れの正体」。私は8年前からリモートワーク中心で会社を経営していて、普段からリモートワークについて考えたことをnoteやTwitterで発信しています。会社ではリモートワークのコツやノウハウについてお伝えする「リモートワーク勉強会」を企業のみなさん向けに開催したり、「リモートワークマネジメント」を支援するサービスも展開しています。そうした背景から今回、スピーカーの一人として呼んでいただいたのかなと思うのですが、個人的にも学びがいっぱいの素晴らしい回でした!考えたこと、感じたことをまとめておきます。

身体的疲れと精神的疲れ

まず「リモートワーク疲れ」といったときに、「①身体的疲れ」と「②精神的疲れ」があるということです。「身体的疲れ」は肩や腰が痛いとか、運動不足だ…といったこと。「精神的疲れ」は元気ややる気が出ない、人によっては不安やゆううつ、イライラなど。人の心と体ってつながっていますから、①と②があわさっている場合もあるかもしれません。

疲れない人もいる

番組でも話題になったのですが、なかには「疲れない人」もいます。私の友人でも、「リモートワークぜんぜん疲れない!」と言っている人がいます。後述する環境の効果かもしれませんし、もともとの性格やコミュニケーションに求めるものの違いもあるかもしれません。ですから必ずしもリモートワークをしている人全員が疲れているわけではないけれども、少なくとも「疲れる」と感じる人がいるのであれば、組織としてはどうしたらその疲れがとれて、一人ひとりがうまくパフォーマンスできるのか?という観点で考えたいですよね。「え、私は疲れないけど?」と言ってしまうとそこで話が終わってしまうので…

環境と疲れは比例する!?

番組内でJINSの井上一鷹さんが紹介されていた環境の良し悪しとリモートワークに集中できている時間割合との相関関係図は面白かったです!図表は井上さんご自身のFacebookやTwitterで公開されています↓。

ここで言う「環境」とは机や椅子、ライトやスペースそのものなど、仕事をするうえでの集中するための環境のことです。夫婦共働き世帯にとっては環境的に疲れを感じるリモートワークをされている方は少なくないように思います。日本の住環境はそもそも夫婦二人が在宅ワークすることを前提につくられていませんし、そういった観点から住居を選んでいない方が大多数ではないでしょうか。夫婦2人でテレカンが重なると、場所の確保が難しい…そんなご家庭も多いのでは…。今後、リモートワークが一般化してくると住居選びの指標も変わってきそうです。

リモートワーク×自宅保育は異常事態 

番組内でも話題に出ましたが、お子さんの有無によってもここ数ヵ月の「リモートワーク疲れ」は大きく左右されているのではないでしょうか?なぜなら新型コロナウイルス感染拡大による小学校や保育園の休校・休園措置でお子さんの面倒を見ながら在宅勤務しているご家庭が少なくないからです。私たちの会社は平時からリモートワーク中心ですが、必ずお子さんは預けて仕事をするように社員のみなさんにお願いしています(コロナ禍では例外的に自宅保育OKにしていますが…)。子どもの面倒を見ながらでは、集中力が維持できないと経験的に知っているからです。今回のコロナ禍をきっかけにリモートワークに踏み切った企業の経営者さん、人事関係のみなさんにお願いしたいのは「リモートワーク×自宅保育はあきらかに異常事態であり、この所感をもってしてリモートワークの成否を判断しないでほしい」ということです。6月以降、休校・休園措置が解除されるなかで、本来の意味でのリモートワークの生産性が問われてくると私は感じます。

リモートワークは目標設定と支援(エール)が大事

そのうえで「リモートワーク疲れ」を最小限にとどめ、成果を最大化するために大事だと感じたことが3つあるので、まとめていきます。

1点目が「リモートワークは目標設定と目標達成のための支援(エール)が大事」ということです。これは私たちがふだんから「リモートワーク勉強会」でもお伝えしている内容で、番組でも重要なポイントとしてみなさんがお話しされていて、私は自分たちの考察が間違いではなかったと背中を押していただいたようでとてもうれしかったです!

お互いに姿が物理的に見えない状況で成果を挙げるためには、「目標を見える化」することが何より大事です。会社の目標、チーム(部署)の目標、そして個人の目標…互いがどんな目標を持っていてそれらがどのように結びついているのか、進捗状況もふくめて見える化・共有化されていることで初めて共通の目標へ向けて前進していけると感じています(弊社ではOKRを導入し、システムによって内容や進捗を互いに見えるようにしています)。

そして目標を達成するためには適切な役割分担と、達成のための支援も重要です。このあたりは出演されていたリクルートキャリアHR統括編集長である藤井薫さんの「アサインマネジメント・ループ」(ゴール・ロール・エール・ルール)の話が非常にわかりやすく興味深かったです。藤井さんご本人のFacebookで解説を掲載されていますのでご関心ある方はぜひそちらもご覧いただくとよいと思います。

ちなみに弊社では目標達成のための支援策として会社の全体会議やキックオフ、チーム会議とともにタテ・ヨコ・ナナメの関係でのきめこまやかな1ON1にも力を入れていて、非常に有意義だと考えています。

遊び&ゆるみが大事 

2つ目のポイントは「リモートワークでは遊び&ゆるみが大事」ということです。リモートワークはムダが省かれた効率的、生産的な働き方です。通勤時間や移動時間、オフィス内でのちょっとした雑談・立ち話に使っていた時間がどんどん省かれていきます。だからこそ集中して仕事ができますし、「集中しすぎて疲れる」事象も発生します。遊びやゆるみを意図的に設計していくことが重要だと番組を通じて改めて認識しました。

具体的にはWeb会議で画面に集中しすぎない(ケースバイケースではあるものの画像オフにする、歩きながら参加してみる、会議画面をじっと見続けるのではなく別タブで関連資料に目を通しながら参加してみるなど)、適度な雑談(雑談専用のチャットをつくる、雑談タイムをつくる)、ストレッチやエクササイズを定期的に取り入れるなどが有益だと感じました。

二者択一ではなく、ハイブリッドでいこう

3つ目はリアル、リモートそれぞれに良さがあり、これらを上手に組み合わせて「ハイブリッド」で新しい働き方をつくっていくことが大切ではないか、ということです。リアルならではの手触り感、温かみ、そこでの会話から生まれる化学反応、イノベーション…実際たくさんあります。だからと言って緊急事態宣言が解除されたらまた元通り…というわけにもいかないのではないでしょうか。新型コロナウイルスの第二波、第三波に備える意味でも人の移動を抑制するリモートワークには意味がありますし、何より本来は非常に集中できる効率的な働き方です。時間・場所の自由度が高まることで、一人ひとりの人生の選択肢も広がります。

今回の番組のようにリモートワークをより快適に効果的にするためのアイデアやヒントを互いにシェアして、それぞれの「自分らしい働き方」をつくっていけたらいいですよね。

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