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豪式ジャッポン式

離婚している宜保はとりあえず節約第一

箒と塵取りで掃除をし

犬のしっこも使い古したタオルで拭き取る

あのタオルは一通りしっこを吸ったらあの洗濯機に放り込んでまっさらに洗いあげられ、あと何回しっこを吸えばお役御免なんだろうか

とりあえず家中のコンセントをオフにしながら歩く宜保(豪州のコンセントにはオンオフスイッチがある)

所狭しと顔のついた装飾品はそこら中にあれど
生活に必要なキッチンペーパーやティッシュはなく

謎にシンク下奥にしまわれている食器用洗剤も気になる

私の生活必需品が諸々ないのは過去の経験から想定内で
わたしはキッチンペーパー、ティッシュ、サランラップなどシアトルの自宅から持参していたのでわたしが生活する分には安全を確保したのだけど
なんと食器洗いを手伝うスポンジも見当たらないのだ

来る前シアトルのおしゃれ雑貨店で北欧のエコスポンジが売っていたので「あ、これをお土産に、、」とよぎったが、「いやスポンジあげてもねぇ」と買わずに来てしまった

なんたる!

とりあえず食器洗いの時間になったので「あのさ、お皿って、、、もしかして(手でこするタイプの)手洗い?」と聞くと

「違う違うコレ!」とマイクロファイバークロスを指さす宜保


食器をマイクロファイバー布で擦るのは
慣れないとかなり気持ち悪い

しかしスポンジの存在がない今、ここは郷に入るしかない。


そんなわけで3日ほど使い回しの常にウェットなマイクロファイバーで身震いしながら皿洗いをして高温ですすぐ生活をしていると

ある夜突然ご機嫌な宜保が

「今日はターニャ(田中)座ってて!
あなたはいつも忙しくて今はホリデーなんだからもっとゆっくりしなきゃ!」

と言いながら自分でもそれはさすがに皮肉が過ぎると気づいたのか最後若干もごりながらも、手際よくふたつあるシンクのひとつにシンク下から颯爽と取り出した食器洗剤をほんのひと雫垂らすと、そこにお湯を溜めてあっという間にミニ泡風呂みたいなものを作り上げた


こ、これは!

かれこれ30年前わたしが豪州ホームステイ中に目撃して度肝を抜かれた豪州名物、

『豪式ジャッポン皿洗い法 ~食器用洗剤は食用です。』

ではないか!!!


「あ、あ、ああその洗い方〜(゚ω゚)」とわたしがオロオロするも宜保は次から次へとギットギトの皿をジャッポンしては泡っ泡のまま私の買ったドライマットの上に重ねて行く、、、、(ドライマットもなかったよw)

キッチンの照明がなぜかムーディで20ワットくらいしかないのもあり、ギットギトがどこまで落ちているのかももう勘で行く世界

ていうか全然落ちてないから戸棚から出てくるグラスがどうもいちいち曇ってたわけよ

そんなジャッポン皿洗いはものの3分で終了し、毎晩10分くらいお湯を出しっぱなしで汚れひとつないようマイクロファイバーしてたわたしは
そりゃあもう義母からしたらお湯がもったいないのなにものでもなかったんだろうなと。


人の立ち位置に寄って見方考え方ってまじ違うよね(゚ω゚)

お湯無駄にしてごめん宜保


でもそれお皿、、、まったく洗えてないんだうん⭐︎


追伸:

アンティーク好き宜保、食器も全部アンティーク。

扱いにはかなり気を使うんだが、最初の夜の皿洗いを任されたとき、

「たーにゃ、このナイフとフォーク、持ち手が象牙だからお湯洗いは厳禁ね!」と誇らしげに言い放った義母。

「ひー象牙、、ナイフはともかくフォークはスポンジでガシカジ洗って熱湯で洗い流したいヨ、、」と思いながら持ち手を持ってよく観察したら


多分これ、、プラスチックだな(^◇^;)


わたし昔象牙の置物持ってたからその重さとか冷たさがわかるんだー^_^

いや、でもちゃんとぬるま湯で洗ったよ!

象牙と信じたらそれはもうきっと象牙☆

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