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【個人事業主日記】#3 雪かき的仕事

この街にも雪が降り積もった。

東京に雪が降っているなんて不自然な感じがする。それと同時に地元も東京も同じ空の下なんだと少し安心する。夜までには止んでいたが、ドラえもんサイズの雪だるまを軽く作れるくらいには積もっていた。外に出るとちらほら雪かきをしてくれている人が。

雪かきといえば "村上春樹"

「羊をめぐる冒険」か「ダンスダンスダンス」。

どちらかの小説で例えに使われていた。
雪が降るとどこからともなく現れて雪かきをしていく人々。主人公の仕事は雪かきと同じだと。そこに大した意味はないが、必ず誰かがやらないといけない。そんな仕事は世の中に山ほどある。社会的に意義があり、自分にしかできない。そんな仕事は一握りしか存在しない。私が去年までやっていた仕事も雪かきと言われればそう。営業なんて誰にでもできるし、良い物や良いサービスならわざわざ営業なんてしなくても世の中に広まっていく。情報を取りこぼして自分では動こうとしない怠け者をターゲットに営業というのは行われる。少し極端だがそういうこと。

社会貢献したいとか、誰かの役に立ちたいと本心で思っている人は本当に尊敬する。

小説で言われていた通り、雪国で行われる雪かきというのは日常的な行為なので大きな意味は持たないのかもしれない。ただ、東京で行われる雪かきには多少なりとも意味があると思う。今日見た光景はとても微笑ましかった。子どもを連れて雪かきをする夫婦。珍しい雪に子どもは喜び、単なる雪かきが思い出に変わる。思い出になるかはわからないが、作業としてこなしてるわけではないのでやりがいが生まれてくる。何が言いたいかというと、環境が変われば意味が変わってくるということ。その人や置かれている状況によっても変わってくるが、例えば料理なんかもそう。実家にいれば親が作ってくれるのでやる必要がない。ところが、大した意味を持たない料理でも上京して一人暮らしをすれば大きな意味を持ってくる。今はデリバリーサービスや定期的に料理を届けてくれるサブスクもあるし、外食という手段もあるがお金がかかる。限界社会人にとっては料理をしないというのは死活問題になってくる。

物事に対して、それがどんな状況なら最も活かせるのかを考えて動ける人は賢い生き方をしている気がする。目の前のことに対して必ず意味を見出して全力で向き合う。そういう人が積極的に雪かきをしてくれているのかもしれない。

また雪が降ったらやってみよう。

以上

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