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三毛猫ミーのクリスマス

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クリスマスイブ。猫と、人間が共存する島を舞台に、猫たちが、冒険をくり広げます。 「この島で亡くなった猫たちが眠るネコロポリス」 「パワーキャンドルを隠した深い森の猫ヶ森(ねこが…
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#連載小説

三毛猫ミーのクリスマス 第8話 猫ヶ島へ寄付せずんば猫で儲けるべからず

https://note.com/tanaka4040/n/n4c9291cf9b53から続く

 ネコロポリスをあとにしたあたしたちは、狭《せま》い吊《つ》り橋を縦《たて》一列に並んで渡っていた。
 吊り橋といっても、厳密《げんみつ》には、植物の蔓《つる》で橋桁《はしげた》を両岸《りょうがん》から支えている原始的な斜張橋《しゃちょうきょう》で、猫四匹が乗っても少々ゆれる。
「ネコロポリスって、猫

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三毛猫ミーのクリスマス 第10話 猫の毛で毛糸を作る?そんなに猫の毛は集まるの?

https://note.com/tanaka4040/n/nc4323f3b18d2から続く

 さながら、お祭りの縁日のような賑《にぎ》やかさだった。
 埠頭《ふとう》いっぱいに陽気な音楽が流れ、何十もの屋台が密集し、さまざまな猫の着ぐるみが愛想を振り撒《ま》き、人々は笑い、語らい、食べ、飲み、時に歌い、歓声を上げ、猫との触れ合いを楽しんでいた。
 写真撮影で人気が集まる着ぐるみは、毛長《けな

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三毛猫ミーのクリスマス 第14話 間違いなく助けを求めてる!急ぐのニャ

https://note.com/tanaka4040/n/n2716cb3e174dから続く

外に出ると、黒猫クーにバッタリ出くわした。もの知り猫のリューも一緒だった。
 あたしは、堰《せき》を切ったように、ローコー一味《いちみ》の陰謀を語って聞かせた。
「……というわけなのよ。これって、やばくない?」
 それを聞いた黒猫クーと、もの知り猫リューは、お互いの顔を見合わせ、笑った。
「何を笑って

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