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内定辞退を「困った」から「問題なし」へと変える方法とは何か?~離職率0%・自己実現・企業成長を実現する新卒採用③~

GW明けから6月にかけて増えてくるのが、内定を複数持っている「内定ホルダー」の学生です。

・同業他社が終わるまで待ってほしい。
・大手が終わるまで待ってほしい。
・選考に進んでいるところを一通り終えるまで待ってほしい。

この言葉の先にある「内定辞退」に頭を悩ませるのは、採用担当あるあるだと思っています。

ですが、内定辞退は、本当に困った話なのでしょうか?

実は逆です。むしろ、内定辞退をうまくコントロールすることで、学生の意欲向上・離職率の減少・採用の早期完了に繋げることが可能です。

今回は、困りがちな内定辞退を、問題ない内定辞退に変えるにはどうしたよいか、という話です。

※学生が内定辞退するように仕向けるという話ではありませんし、内定辞退を推奨する話でもありません。労力を割いて内定を出した学生が内定辞退することは残念なことです。いかにしてポジティブなものにするか、という内容です。

1.困った内定辞退とは何か?

そもそもなぜ内定辞退に悩むのでしょうか。その理由は、①採用人数の不足②採用期間の長期化・③採用費用の増加の3点です。

①採用人数の不足
採用は、企業が成長・維持するために不可欠です。そして、採用チームは、人員計画に沿って人数を充足させることが求められます。
そのため、内定辞退は採用チームにとって、採用人数の不足、計画未達の結果となります。そしてそれは、企業の成長・維持にも影響を与える可能性があります。

②採用期間の長期化
また、内定辞退があると、追加募集が必要になります。そうなると、採用活動の長期化や、採用活動の再開に繋がり、時間的な労力が増えます。再度母集団を形成し、説明会を行い、面接をし…と、1からのやり直しです。

③採用費用の増加
加えて、採用広告などを利用している場合は、追加の広告を出すなど、採用費用が増加する場合もあります。突然の内定辞退に慌てて広告を準備し直して…というのは避けたいものです。

学生にとっては大切な決定ですから、内定辞退そのものは致しかたないものです。ただ、企業の立場だけで考えれば、1人辞退があるだけでも、大変な労力がかかるもの。

これが内定辞退で頭を悩ませる理由です。

2.問題のない内定辞退とは何か?

では有用な内定辞退とは何でしょうか。それは、①早期辞退・②時期が予想できる辞退・③よく悩んだ上での辞退の3つです。

①早期辞退
早い時点で辞退されてしまう分には、早期の軌道修正が可能です。ひとまず内定を保持しておこうとされるのではなく、この企業は違うから辞退しよう、と早期に思ってもらうことが必要です。

②時期が予想できる辞退
学生の意思決定の時期が明確であれば、内定辞退が起こりえる時期を特定できます。事前に心の準備と次への戦略を立てられますから、意思決定のタイミングを明確にすることは大切です。

③よく悩んだ上での辞退
学生がしっかりと考えた上での辞退は、入社後に離職されることよりも遥かにいいことです。また逆に、心残りなく内定を受諾してくれれば、学生の意欲向上と入社後の定着の可能性アップに繋がります。
一番怖いのは、何も考えずに内定を受諾し、時間が経ち忘れた頃になってやっぱり辞退しますと言われることです。

この3点の辞退であれば、採用人数の不足に早期に対応でき、採用期間の長期化と採用費用の増加を最小限に食い止め、またコントロールすることが可能です。

結果として、採用を早期に完了することになり、離職リスクを軽減し、意欲高く学生を迎えることに繋がります。

3.学生を支援することで困ったを問題なしに

①早期辞退・②時期が予想できる辞退・③よく悩んだ上での辞退の3点を実現するには、それぞれ方法があります。その方法に共通するには「学生の立場に立って徹底的に支援をする」ということです。

そもそも、なぜ内定辞退が起きるのでしょうか。その理由は3つあります。

①学生自身、内定受諾の基準・軸がはっきりしていない(あまり考えていない)
他社と比較をして判断を行う
③企業から学生に対して、①②に答える情報提供がされていない

判断は学生が行うものです。そのため、企業にできることは、学生の判断がスムーズに行われるよう支援することです。そのための方法を2つ紹介します。

<方法1>
最終選考前に、学生の内定受諾の基準を明確にする面談やワークを行う
学生の内定受諾の基準を事前に明確にすることで、選考辞退という、内定前の早期辞退に繋げる
・その際に企業の情報提供もすることで、最終選考前に働くイメージを膨らませ、学生の不安を払拭。意欲高く最終選考に臨むことに繋げることも可能。
<方法2>
内定受諾の時期と、判断するための方法を、学生に決めてもらう
学生は自分で決めた期日のため真剣に悩む。
・企業は
それまでの間に判断基準に沿った情報提供が可能
・自社情報だけでなく他社と比較した情報や、意思決定者(場合によっては親や教授)に向けた情報提供もできる。
・内定辞退があったとしても、辞退の時期が明確なため、事前策を立てることが可能

どちらも私が採用担当を務めていたときに行っていたものであり、確実に効果のある方法です。

4.学生と企業の双方にとって良い採用にするためにも問題ない内定辞退を

内定辞退は、起こると本当にがっかりします。本当に入社してほしい!一緒に頑張っていきたい!と思うがくせいに内定を出しますから、とてもとても残念な気持ちになります。

メールで辞退しますの文字を見たとき、電話で辞退する旨を聞いて電話を切った後、「あー…」と深くため息をつくものです。それは何年採用をやっていても変わりません。

ただ、その後にいつも思うのは「きっとそれが学生にとっても、うちの会社にとっても良いことだったんだろうな」ということです。

採用において、最も残念なことは、折角入社したのに活躍できず、早期離職してしまうことだと考えています。

学生の内定受諾の基準を明確にして、必要な情報提供もしっかりした上で、それでも学生が辞退するのであれば、それは自分には気づかなかったミスマッチな部分があったのだと思っています。

もしその状態で入社していたとしても、活躍できなかったり早期離職に繋がっていた。他社できっと力を発揮し自己実現を叶えるだろう。そう思うのです。

そう考えると、内定辞退は決して困るものではないと思います。学生と企業の双方にとって良い採用とするためには、必要なものなのです。

そうは言っても、内定辞退への対策は打っておかないと、採用活動に大きな労力がかかります。内定辞退は起こりえるものですから、なるべく問題ない内定辞退へと変える必要があります。

学生を支援する仕組みを作り、内定辞退を困ったものから問題ないものへと変えていきましょう。

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